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僕から始まるエリスの仲良し増加計画

その後も散策を続け、午後のマッピングも折り返し地点となる。

午前のマッピングと同じくらいの距離を進めたリリィエストたちは一度馬車に戻ることを決めた。

ルートスはメッセージをラズリ達に飛ばし、効率のよいルートをマップを見ながら概算していた。

周囲には敵の気配はなく、リリィエストはエリスに話しかけた。

「そういえばエリス。お昼のご飯すごく美味しかったよ、ありがとね。」

「う、うん。お粗末様です・・・リリィエストさんって本当に魔法が使えるんですね。とっても強いですし・・・・あっ、疑ってたわけじゃないんですよ!?ただまじかに見て驚いて・・・」

ワタワタと手を動かして弁明をするエリス。

初めてその目で見た魔法に驚かないものの方が珍しく、他のフライブルのメンバーは全員驚いていた。

しかし初めて会ったその日にエリスはリリィエストを異世界の魔法使いとして信じると言っていたので、今の発言がリリィエストを不快にさせたのではと心配していた。

そんなエリスを見ていると小動物をみているような気がしてリリィエストは小さく笑った。

「フフッ・・あ、大丈夫だよ。はじめのころはルートスだって驚いてたし、この世界じゃあ僕は珍しいそうだからね。それに、せっかくの仲間なんだしもっと色々言ってもいいんじゃないかな。」

リリィエストの屈託のない笑みを見てエリスの緊張も心配もほぐれていく。

「あ、ありがとう・・・でも、私人見知りというか・・コミュ障というか・・・・ボッチというか・・・」

エリスの声がだんだん小さくなっていき最後の方はリリィエストには届かなかった。

しかしリリィエストはエリスの様子からエリスが人付き合いが苦手なのを読み取った。

「そっか・・じゃあ僕から仲良くなっていこうよ。同じラズリに抱き着かれる同志としてさ!・・・ってあんまりかっこよくない、かな。」

あはははと照れ笑いをするリリィエストだったが、エリスにとってはこの上ない嬉しい言葉だった。

フライブルの面々はエリスのことをギルドメンバーとしてもちろん認めていた。

ラズリもエリスのことをとても可愛がっていたし、エリスにとってもみんなはいい人たちであった。

それでもエリスからしてみれば他の皆は実力も技術も歴然とした差があり、同等な関係と言えるものではなかった。

そんなエリスに同じ立場から、同じ目線で仲良くしたいと言ってくれる人物が現れたのだ。

エリスは目元の涙を拭いながらリリィエストに答えた。

「はいっ!・・これからも仲良くしてくださいね!」

「うん!リリィって気軽に呼んでよ。敬語もなくていいんだよ?」

「け、敬語はもとからなのでちょっと難しいです・・・けど私、頑張る・・からよろしく、ね?リリィ・・・さん。」

顔を真っ赤にして精一杯自分の口からそう伝える。

その頑張りに答えるようにリリィエストは満面の笑みでこう返した。

「こちらこそ、よろしくね!エリス!」

リリィエストの笑顔に恥ずかしそうに、しかし満面な笑みで微笑み返すエリス。

そんな二人のやり取りを離れて静かに聞いていたルートスは心の中で「これで、リリィエストもみんなと仲良くなれたのかな・・・」と思いつつも口はわずかにほころんでいた。

「おーい、お前ら。そろそろ戻るけど準備いいか?」

「大丈夫だよ!」

「は、はい!」

木陰から呼ぶルートスの元に二人は走り寄っていく。

今はまだ折り返し地点。

マッピングもエリスのことも、まだまだこれからが始まりである。


馬車へ戻るリリィエストたちはルートスを先頭にエリスとリリィエストが並んでついて行く形で進んでいた。

周囲を警戒しつつもリリィエストは先ほどの話でエリスに話しかける。

「さっきのエリスがみんなと仲良くなっていこう、の話なんだけどさ。」

「は、はい。なんでしょう。」

やはりまだ敬語は抜けないようで、いきなり話かけられることにも慣れていないようだった。

「同じ抱き着かれ組でフィリアとも仲良くなってみない?僕、ステイジアで働いてた頃に仲良くなったしエリスとも仲良くなれると思うんだよね。」

「フィ、フィリアさんですか・・・わ、私にはまだ早くないですか?」

快活かつ粗暴な言葉使いのフィリアとどれほど仲良くなったのか・・・というかフィリアと仲良くなれるものなのか・・・リリィエストのコミュ力は意外と計り知れなさそうだ。

エリスのコミュ力ではまだあのフィリアと仲良くお話はできそうにない。

ラズリに抱き着かれ組が仲良くなるのはいつになるのか。

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