午後のマッピング、開始!
昼食と話し合いを終えたフライブルの六人は引き続き探索を行うことにした。
午前中のマッピングで進めた中で馬車が置いておける新たな停留所にできそうな場所をルートス達が見つけていたのでまずはそこへ向かった。
操縦は変わらずルートスが担当し、荷台ではケータの勉強にシャナが付きっきりで教えていてケータはげんなりしていた。
ケータと同じくテストでやらかしてしまったらしいエリスはリリィエストを膝の上で眠らせているラズリにあれこれ教えてもらっていた。
後ろからのつつましい会話が喧騒に変わっていくのを聞きながらルートスは馬車を進めるのであった。
時間は過ぎすでに日が落ちていた。
森の中は昼までとは異なる暗い闇が充満していた。
目が慣れれば見えないこともない暗さだが確実に視界は今までより悪くなっている。
リリィエストは今新しい停留所に停められた馬車の横で火を囲むようにエリスとルートスの三人で他の三人の帰りを待っていた。
時は遡り、森の入り口からここまで来たリリィエストたちは着いて早々一つの問題に直面した。
それは馬車に見張りをつけるかどうかだった。
森の入り口でおいてきた時とは異なり、今は森の中。
モンスターもそこら中に潜んでいるだろうこの場所にそのままでおいておくのが危険だとルートスが判断した。
だが、その状況を解決したのはエリスだった。
エリスは持ってきた大荷物の中から一つのアイテムを取り出した。
「これ、モンスターが嫌うらしくて使うかもと思って持ってきたんですけど・・・」
瓶に入った液体はエリスによると小型モンスターおよび中型モンスターを寄せ付けない上、匂いは人間には無害らしい。
それを馬車を停めてある芝の部分に満遍なく振りかける。
「そうだ、エリス。これを体にかけてマッピングすれば超楽なんじゃない?」
ラズリが瓶の中身を撒くエリスにそう尋ねた。
「えっと、匂いは無害ですけど服の上からでも体にかかると体力減ってっちゃうのでそれはできません。」
以前エリスはサブクエストで採取をするためにこの液体をもって草原地帯に行ったことがある。
その時はまだ効果を知らず、自分の体にかけて採取を進めていたのだが気づけば体力が持っていかれていて瀕死の状態までいっていたという。
その時は偶然通りかかったルートスとラズリに助けてもらったのだが、それが初めての出会いで初めての医務室だった。
ちなみにこの後にエリスはフライブルに入り、他のクエストでリリィエスト同様白狼に追いかけまわされたのをルートスに助けてもらったりした。
その経験上からエリスはこの液体が人には使えないことをみんなに教えた。
それで瀕死になったことは言わずにだったが。
しかしその液体のおかげで状況は好転、午前と同じく二手に分かれてマッピングすることができるようになったのだ。
そこでルートスはチームの編成を変えることを皆に言い、午後からはリリィエスト、ルートス、エリスの三人とシャナ、ケータ、そしてラズリの三人の二チームに分かれた。
このチーム分けにラズリがルートスと変わるようにごねたが、二人にかまけてマッピングが進まない結果が見え見えだったのでルートスは完全に拒否した。
そんなひと悶着もあったがそのあとはまた東西に分かれてマッピングを開始した。
午後のマッピングは午前のような進化途中のモンスターや中型モンスターに会うことなく比較的平和にマッピングをすることができた。
戦闘のなか初めてリリィエストの魔法を見たエリスはとても驚いていた。
他のゲームでは仕様で魔法を使うのは見ることができるが、今現在で付加魔法以外使えない魔法使いが普通の攻撃魔法を使うのはやはり驚くものがある。
逆にリリィエストはエリスの戦い方に少々驚いていた。
今までルートスやシャナたちには散々助けられその都度みんなの強さを目の前で見てきたリリィエストはそんなギルドにいるエリスももちろん強いと思っていた。
しかもそれに加え料理やアイテムなど多方面でもすごく活躍していたエリスがどんな戦い方をするのだろうと期待していた。
午後初めて遭遇した山猿の群れに相対し、ルートスはさすがの一言でバッタバッタとなぎ倒していく。
リリィエストも風魔法で次々と倒していくそんな中、エリスは手に持った短剣で山猿の攻撃をしのぐのに精一杯だった。
どうやら正面戦闘でルートスやラズリ、ケータのように敵を倒す力はエリスにはなく、その技術や度胸を身につけるべく午前中にルートスとラズリの二人がエリスについて教えていたらしい。
午前中でようやく目の前のモンスターに対し背を向けることがなくなり被弾もなくなってきたのだが、いかんせん攻撃に転じることができなかった。
そのままではまだ無理と判断したルートスがエリスと戦っていた山猿を倒し指導に入った。
その後も時間がもったいないので歩きながらエリスに指導してマッピングは続けられた。




