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初めての冒険に出発です!

リリィエストの武器も無事調達でき、その杖は今リリィエストの背中に担がれている。

今はギルド本部にてクエストの最終手続きを行っている。

ギルド本部内はクエストを受注するためのカウンター、その隣に北門へと続く道がある。

他には受注可能なクエストが貼られている掲示板や治療のための医務室、それとテーブルとイスが十数組あり他の冒険者がたむろしていた。

カウンターから少し離れた席でリリィエスト、ラズリ、シャナの三人は手続き中のルートスを待っていた。

「お待たせ。それじゃあ行こうか。」

ルートスがカウンターから戻ってくる。

ルートスの背中にはリリィエストが最初に助けてもらった時と同じ直剣を背負っており、ラズリはルートスと鞘の装飾が似ている一回り細い直剣を背負っていた。

シャナは弓使いであり腰には矢筒が二つ用意されていた。

クエスト、黒狼の討伐はガルシアの街の南に位置する草原にて黒狼一頭の討伐、それに加え取り巻きの白狼も討伐することになっている。

リリィエストたちは街を南下し南門から草原へと向かう。

黒狼の出現場所までは少々距離がありそれまでに作戦を決めることになった。

「んじゃあ作戦会議だが、見ての通り近接は俺とラズリで遠距離はリリィエストとシャナだな。おそらく初っ端から黒狼に当たることはないだろうから、まずはリリィエストには白狼と戦ってもらう。近づいてくる白狼たちは俺が引き離して、シャナとラズリには少し離れたところで白狼の数を減らしてもらう。リリィエストは離れた白狼に魔法で倒してもらえばいい。オーケー?」

「「「オッケー!」」」

ルートスの作戦に異を唱えることなく満場一致で決定した。

「っし、で黒狼だが俺とラズリでヒットアンドアウェイ方式でダメージ稼ぎながら二人とも離れたときにリリィエストが魔法をぶつけてくれ。シャナは取り巻きの白狼を倒しながらリリィエストと同じように黒狼にも攻撃頼む。」

それぞれが頼まれるごとに頷く。

リリィエストの仕事は遠くから味方のいないときに魔法を撃つ、ということに限定されていた。

初めてのクエストで実践であることからルートスは役割を絞ることにしたのだ。

しばらく土の道を歩いていると、前方に複数の影が見えた。

「おっ、そろそろ見えてきたんじゃない?」

リリィエストはよく目を凝らして見てみると、複数の影の正体は先日襲われたのと同じ白狼だった。

遠くにいるが、襲われたことが軽いトラウマらしくひよっていると、ルートスが肩に手を置いた。

「大丈夫だって。また守ってやるから、ドーンとかましてこい!」

肩に置かれた手で背中を押され、一歩前へ出る。

「気楽にリリィ!」

「倒し損ねても私がしっかり倒してあげますわ。」

ラズリとシャナもリリィエストに任せて応援を送る。

シャナの発言にラズリはまた「プフッ」と吹き出してはいたが。

背中には信頼して見守ってくれる仲間、目の前には倒すべき敵・・・リリィエストが思い描いていた異世界の冒険そのものの状況だった。

身震いとともに恐怖も振るい落ち、背中の杖を構える。

杖を構えると次第にリリィエストの体が一枚の発光する布で覆われたかのように光が灯っていき、だんだんとその光が輝きを増していく。

そしてその輝きが今度は薄れていき、それと同時にリリィエストがギルドの家でルートスとラズリに見せた火の玉が次々に生まれて宙を漂う。

いままで見たことのない光景にルートスらは感嘆の声をあげ、リリィエストを覆う光が完全に消える頃には火の玉の数は二十を超えていた。

「いっっけぇぇえええ!!!」

リリィエストが叫ぶと同時に両手で縦に掲げていた杖を白狼の群れにむかって振り下ろす。

すると宙に浮いていた火の玉すべてが速度を上げ白狼めがけて飛んでいく。

白狼がその火に気づいたころには時すでに遅く、魔法は着弾し白狼のいたところは赤く燃え上がり黒煙が立ち上る。

煙が晴れそこに残ったのは露呈した地面と地に伏す白狼だった。



白狼の亡骸に近づくリリィエスト達。

白狼すべてを倒したことを確認し終えると、ラズリがリリィエストに抱き着く。

「すっごいじゃないリリィ!白狼の群れを一撃で倒しちゃうなんて!」

「やっべぇな、異世界の魔法。これじゃ他の魔法使いが可哀そうだな。」

「わ、ワタクシの矢をもってすればこの程度造作もありませんけど?初めてにしてはなかなかやりますわね!」

同じ遠距離攻撃担当のシャナとしてはその凄まじさを素直にほめることができないでいた。

初めてで多大な結果を残せたリリィエストは安堵と喜びで胸がいっぱいになっていた。

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