四人での初クエストが決定しました!!
図書館前から移動し、場所はリリィエストが初めて来た店に来た。
ラズリのもっている引換券で食事をとることになり、実質お代は無料だった。
注文を済ませ食事が運ばれる前の時間、席はリリィエストとラズリが隣で座りその向かいにルートスとシャナが座っている。
注文をし終え品が出てくる前に互いに自己紹介をすることになった。
「こいつはシャナ。俺たちのギルドの一員でもあり、これからお前の仲間にもなる。よろしくしてくれ。」
「初めまして。」
ルートスに紹介されたシャナは軽くお辞儀をする。
つづいてシャナにリリィエストの紹介をする・・・のだが、先ほどからラズリが俯いているのがリリィエストは気になった。
「ラズリ大丈夫?体調でも悪いの?」
「っ・・だ、大丈夫。シャナ、この子がフライブルに入ったリリィね。よろしくして・・っふ・・・あげて。」
言葉を抑えるようにしゃべっていたラズリだったが、最後の方はほとんど声が出ていなかった。
心配そうにラズリを見るリリィエストだったが、注文していたものが運ばれてきたことで一旦話は中断された。
頼んだ食事がすべて運ばれ、食べながら話すことになった。
「それでリリィエスト、他にも何人かギルドにはいるんだがギルドのやつにはお前のこと教えてもいいか?」
ルートスが言っていることはつまり、リリィエストが異世界の住人であることだ。
リリィエストにとっては異世界から来たことを特に隠しておく必要も感じなかったので、二つ返事で答えた。
了承を得たルートスはシャナにリリィエストについて説明をする。
「まあ、そうでしたの。それでもお二人が決められた人なのでしたらかまいませんわ。よろしくお願いしますわ、リリィさん。」
スッと出された右手がリリィエストに向けられる。
リリィエストはにこやかに右手を出す。
「うん、こちらこそよろしくね!シャナ。」
ルートスやラズリの時は敬語だったのが、今は違うのはここの店に来る前にルートスから、
『リリィエスト。俺のこともラズリみたいに敬語じゃなくていいんだぞ?これから紹介するあいつもそうだが敬語なんか使わなくたっていい、対等にしてくれ。』
ルートスからしてみれば、タメ口で話し合うラズリと敬語で話す自分とでリリィエストに気を使わせているんじゃないかと思っていた。
初対面の人には基本敬語で話すことにしているリリィエストからすればどちらでもよかったのだが、対等な関係でいようと言ったルートスの言葉が何よりうれしかった。
二人が握手を交わしていると、隣から「ブフッ」と吹き出す声が聞こえた。
リリィエストは隣にいるラズリを見てみたが、ラズリは顔だけ左へ向けていていたので表情が見れなかった。
「と、ところでルートス。今日は自己紹介で終わりですの?」
シャナがそう言った後、再び「ブフーッ!!」と吹き出す声が聞こえる。
リリィエストは気になって見るが、やはりラズリの顔は見えない。
「気にしないでくれ。実はこの後クエストに行こうと思ってるんだが・・・」
「クエスト!!?」
ルートスが発したクエストという言葉に敏感に反応したリリィエスト。
既にリリィエストの頭からラズリの心配は消えていた。
「お、おう。この四人でクエストを受けようと思う。クエスト内容は黒狼の討伐依頼だ。一応受注は済ませてある。場所は俺らが会った南にある草原で、黒狼を倒す前に白狼を倒さなきゃならない。白狼はこの前リリィエストが追いかけられていたあいつな。黒狼ってのはその親玉で大きさが大体白狼の三倍くらいあるやつだ。このクエストにするかはリリィエスト次第だが・・・受ける?受けない?」
「もちろん受ける!絶対受ける!!」
食い気味に、瞳をキラッキラに輝かせてそう答える。
もはやリリィエストにはこの世界に来て白狼に食われかけていたことなど、夢見た冒険の前ではなかったも同然になっていた。
「んじゃ決定だな。」
「リリィの初クエストだね!がんばろー!!」
「「「「おー!!」」」」
ラズリの音頭で四人の拳が突き上げられる。
こうしてリリィエストの初クエスト、黒狼討伐が決定した。




