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異世界に来て図書館の主になりました!?

リリィエストのギルド、フライブル加入が決まり数日がたった。

あの日フライブルへ加入が決まった後二人からもっといろいろ魔法が見たいと言われ、部屋が壊れない程度に魔法を見せた。

主にラズリにもてはやされ、気づけば魔力を限界まで使っていた。

ほぼ魔力が切れてしまったリリィエストは気を失い、ラズリは調子に乗ってしまったとワタワタしルートスは冷静にリリィエストをベッドへと運んだ。

それからリリィエストは半日も眠りこけていて、起きたころにはルートスもラズリも部屋にはいなかった。

テーブルの上に書置きが置いてあった。

『二日分の食料代と図書館分の金を置いておく。俺たちはこの家かギルド本部にいるだろうから金がなくなったらどちらかに探しに来てくれ。』

書置きの隣に袋が用意されてあり、中にはそこそこ量のある金貨が入っていた。

その袋の隣にはラズリから一度もらった食事の引換券が三枚置いてあった。

リリィエストは二人に感謝し、家を後にし図書館に向かった。

それがつい三日前の出来事である。

そして現在、リリィエストは図書館で本を読みふけっていた・・・それも三日間ずっと。

言葉の通り、仮眠をとることはあったが三日間で六十時間ほどを読書に費やしていた。

図書館からもほとんど出ることはなく、出たのは空腹に耐えきれなくなったときに図書館を出てすぐのところにある焼き鳥屋で軽食を済ませるときだけだった。

相も変わらずリリィエストは時間を忘れ新しい本を取りに席を立ち棚へ向かった。


それからもう一日経ち、変わらずリリィエストは図書館で本を読んでいる。

窓際の席に座っていたため、日差しが傾き落ちていくのを感じた。

ふと窓の外が気になったので目線を本から窓の外へ移すと、その先には窓をたたこうとしているルートスの姿があった。

ルートスの後ろにはラズリと他に一人見知らぬ、長い黒髪が特徴的な女性がいた。

傍から見て気品あふれるというかお嬢様のような雰囲気さえ身に纏っているような女性だ。

リリィエストは視線をその女性からルートスに戻すと、ルートスは手招きしながら来い来いと口パクしていた。

ルートスへわかったと口で伝え、手元にある十数冊ほど積まれた本をそれぞれ元の場所に戻し、司書の人に軽く挨拶をして外に出た。

「おーいリリィエスト!こっちだこっち!!」

ルートスたちの場所をキョロキョロと探していると、リリィエストがよく行っていた焼き鳥屋の横でルートスが手を振りながら呼んでいた。

ルートスに近づくと、急に視界が真っ暗になり体が柔らかい何かに包まれた。

顔だけ少しのけぞらせてみるとラズリが抱き着いているのが分かった。

「ひっさしぶり~~~!!四日も会えなくて寂しかったよ~。」

「むゅうぅ・・・ラズリ、苦しいよ。」

リリィエストがのけぞらせた顔をラズリは胸に抱きよせ頭を撫でまわした。

奥ではルートスがため息をつき、隣の女性はニコニコ笑っていた。

ラズリが満足したらしく解放されたリリィエストは髪がくしゃくしゃに乱れていた。

「えっと、それでどうしたの?」

「どうしたもこうしたも、あれから四日だぞ?渡した金も尽きてるだろうにギルドにも家にも来ないから探しに来たんだよ。」

「それに、最近図書館にずっといる美少女がいる!っていう噂がたっててね。それでついたあだ名が”図書館の美主”だって。」

どうやら窓際の席に座って本を読んでいた姿を見た複数のプレイヤーの間でリリィエストが噂の対象になっていたようだ。

基本図書館に来るような人は少なく、それこそ何日もずっといる人などリリィエストを除いて他にいなかった。

だが、それが自分であるとリリィエストは気づいておらず、

「へえーそんな人がいたなんて気づかなかったなぁ。」

というリリィエストの言葉にラズリは少し驚きながら「あらら、わかってないのね」とリリィエストに聞こえないくらいの声で言った。

「あ、そうだ。お金ありがとう。助かったよ。」

リリィエストはそう言って家でもらったお金の入った袋を渡す。

受け取ったルートスはその中身に驚いた。

「お、おいリリィエスト・・・これ全部俺らが渡した金で合ってるか?」

「?そうだけど。」

ルートスが驚くのも無理はない。

なぜならルートスが渡したお金の半分しか使われていなかったのだ。

横から袋の中身をみたラズリも驚き、そしてリリィエストに手渡された物でさらに驚く。

「あ、ラズリも・・・これ、使わなかったけどありがとうね。」

「・・・ね、ねえリリィ。全然食べてないように思えるんだけどちゃんと食べてた?」

「お腹空いたらここの焼き鳥食べてたけど、本が気になってあまり食べてなかったかも。」

キュルルルルとリリィエストから腹の虫が鳴くのが聞こえる。

ルートスもラズリもあきれてうなだれた。

「はあ・・・まあ、話したいこともあるしとりあえず飯屋に行くか・・シャナもそれでいいか?」

シャナと呼ばれた、先ほど図書館の窓から見えた女性が答える。

「ええ、かまいませんよ。」

服装やその見た目に加えその受け答えからお嬢様を醸し出すその女性はニコリと笑った。

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