一日の終わり、壊滅国
放課後、俺達は部室に移動した。消去部は休みが完全不定期であり、依頼が全くない日や逆に沢山ある日もある。
「ゴウ、依頼あったの?」
「んー...、おっ!あったあった」
「現在逃走中の強盗殺人犯の確保か」
「一人で十分だね、んで誰が行く?」
「俺とレジェンドで行くわ」
「そうだね、ゴウのサポートなら簡単に行けるし」
「行こうぜ、レジェンド」
「あいよー」
「...ぁっ、はぁっ!...クソッ、あのガキ共、しつこいなぁ...俺の邪魔をするんじゃねぇ!!」
「煩せぇ、強盗殺人犯野郎!さっさと諦めて降参しろ!」
「...“火炎霧”」
ゴウが小さく呟くと、霧状の炎が現れ犯人の体に付いた。
「アッチィ―――――!!アチッ、アチャチャチャチャッ、アッッッッチャアァァァァァァァアァァァァア!!!」
「よっしゃ、効果抜群だ!レジェンド、今の内にだ!」
「ありがとな、ゴウ。“残波・雪死業”!」
「なっ、しまった!逃げ場を失っちまった!」
「観念しな、悪党さん」
レジェンドが追い詰めた時、彼方からパトカーのサイレンの音が聞こえてきた。
「あっ、父ちゃんが来たみたいだな」
(......、またあの厄介な人が来るのか)
ゴウの父親のラクトワは、警察官で地元では有名な人であった。
しかし、消去部の超新星であるレジェンドはラクトワとは少し合わないと感じている。
「おぉ、ゴウじゃないか。元気にしているのか?学校生活は如何なんだ?」
「父ちゃん、質問が多すぎるよ」
「ご無沙汰しています、ラクトワ警部」
「おぉ、レジェンドさん。何時も息子がお世話になっているね。これからも息子の事を頼むよ」
「任せて下さい」
「じゃあ、ゴウにレジェンドさん。僕はこれにて署に戻るよ」
「.........、あぁーあ。父ちゃん行っちゃった。少し寂しいな」
「...やっぱりアタシ、あの人の事苦手だわ」
所変わって、此処はフューチャークレントタウンの近隣にある国“ヴァレット・シグナル”。何者かの手によって、国は壊滅状態にまで陥っていた。
「逃げろ、アイツから逃げろぉっ!!」
逃げ惑う人々の背後に立っていたのは、聖クレント学園の木の枝に立っていた幽かな朱色の瞳の青年であった。
「...このままの勢いで、次の“目標”はフューチャークレントタウンだ」
「「「全ては、我らの自由の為に。全ては、我らの復讐の為に」」」