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“キーホルダー・アイテム”

今日、俺達が見る予定の実験は先程ふみかが恐る恐る言っていた学校内での実験は国で禁止されている禁断実験“(リボ)(ーン)”。地上のあらゆる生き物を死の世界から再び蘇えらせるという実験。失敗したら、何が起こるのかは誰も知らない。


「ょし、じゃあ今日生き返らせるのは俺の娘が可愛がっていたハムスターを生き返らせるぞ。お前ら、“キーホルダー・アイテム”の準備は整っているか?前列のレジェンドにゴウ、それにシャドーと零夢」

「準備は何時でも良いです」

「...何かドキドキしてきたぜ...」

「全く少し硬ぇな、お前は」

「......、黙れ」

あ、最後の零夢の台詞は気にしないでくれ。何時ものことだからさ。

「おし、じゃあハムスターに蘇生の秘薬を注ぐぞ」

そう良いながらもグラス先生は、ハムスターの死体に秘薬を注ぎ込んだ。

俺達生徒全員は、息を殺しながら唯々実験が成功するのを願っていた。

何時何が起こるか分からないから構えとけ、とレジェンドが小声で話した。

俺達他の三人は、静かに“キーホルダー・アイテム”を取り出し、防御態勢になった。

それから数分後、

「......キーッ、キッキッキーッ!」

死んでいたハムスターが可愛らしい瞳をパチクリとさせ、元気良く鳴いていた。つまり、この禁断実験“(リボ)(ーン)”は成功したのだ。

「よ...、良かった~...。実験が成功して」

一番早く安堵の表情を見せたのは勿論ふみかであった。次から次へと皆も安堵の表情を見せていた。

「よしじゃあ、今日の授業は此処まで。レジェンド、終わりの号令頼む」

「起立、礼、有り難う御座いました」

皆が有り難う御座いました、と言い終わると先生もお疲れと労ってくれた。



「待ってました、昼飯タイム!腹減ったわ」

「相変わらずの大食いだな」

「そうだね」

時間が一時間近くもある昼休み。国立聖クレント学園は、午前は普通授業、午後は部活や進学を考えている人は引き続き居残り授業となっている少し珍しいシステム。帰宅部や大学進学は考えていない人はすぐに下校となる。

まぁ、全校生徒の約半分は部活に専念し、残りの半分は居残り授業とほぼ全員学校に残っている。下校する生徒は少人数である。

俺達、消去部部員は昼休み後、三階にある消去部専用部室に移動しノルマ分の依頼を熟す。

「ゴウ、先に部室行ってるからな」

「おぅ、分かった。俺も後から行くわ」

軽い会話をし、レジェンド達は自分の荷物を持ちながら部室に向かった。

 その光景を、外に植えられている木の中から静かに見つめていた者が居た。見た目はゴウ達とあまり変わらない青年で、瞳の色は幽かな朱色であった。

「......。俺の大事な計画を邪魔する奴は、例えガキだろうが容赦しない」

そう呟き、青年は姿を消した。

「......、今なんか聞こえた様な...?」

部室に向かっていたゴウは立ち止まり、外にある気を見つめ、疑問を抱きながら部室に向かった。

しかし、先程の幽かな朱色の瞳を持った青年がこの先とんでもない人物だと判明する事となる。


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