20話side真子 二人のとあるきっかけとなる
真子sideですが基本的に健二と同じ部分ですね、
達也「健ちゃんじゃーねー!」
「うん!また今度ー!」
学校帰りの23日金曜日、私はたーつんと別れ、家に向かっていた
もうここにきて2週間以上もたつし私も大分『健二』の真似も板についてきているかも…
まぁ元が分からないから確認する事はできないけどね
今まで危なかったこともいくつかあったけどとりあえず今は不審に思われていない…と思う
そもそも私が9年後の2013年から突然タイムスリップし、転生してきた別人の長嶋真子だって言う奇妙な話、
こっちからしなければ不審に思われてもバレる事は絶対にあり得ないだろう
ただ健二としての生活に慣れすぎるといずれ元の世界に戻ったとき困りそうだな
その時私はどうなるんだろう…
ガチャッ
「ただいま!」
シーン……
家に着いた私は元気に挨拶をするが返事はなし…
車も無かったし今日は誰もいないか…あっそう言えば…
明美«明日お父さんの仕事で、私も夏子を迎えに行くついでに一緒に服買いに行くからちょっと遅くなるけど…
健二一人で待てる…?»
«うん、全然大丈夫だよ!»
明美«本当に!?じゃあ帰ったらちゃんと鍵閉めておいて、なるべく早く帰る様にするからね»
…って昨日言ってたっけ?いつもが3、4時だから、遅くなるって事は…6、7時位かな
夏子もその時間まで帰ってこない…それまで一人かぁ
今日は特に遊ぶ約束とかはしてない…
…もしかして…これは良い機会では…
ここの家族が全員帰るのが遅くなるって分かっているから警戒しなくて良いし
一人だから堂々と素で会話が出来る…そう、電話のチャンスだ
…でもどうしようかな…また出掛けている場合だってあるし…
…はっ!
万が一繋がってそこが正真正銘私の家だとしても…お母さんがその電話に出る可能性が高いじゃん!
小学一年生で習い事とかやっていない人が出来る友達は大体クラスメイト、
裏を返せばクラスメイト以外の友達は滅多に作れない
だから『高村健二』と言う生徒がクラス中を探してもいないって事に気付くと
その子とどうやって交流したのか疑問を持つ様になって色々厄介な事が起こりそう…
…だからお母さんに今の私の事知られたくないし…うわぁ…本当にどうしよう…
…でもこんなチャンスあまり無い…先伸ばしにする位なら…!
ピッパップッ……
迷いが無くなった私は長嶋家の…つまり私の家の電話番号を入力し、転生後三度目の電話をかけた
プルルルル…プルルルル…
この前ので電話番号は存在する事が分かっている…
…だから繋がれ…そしてお願い…出て…!
プルルルル…プルルルル…
呼び出し音が長い…ハァ…今日も駄目か……
ガシャッ 『も…もしもし?』
「っ……!!!」
やった…遂に来た……来た!!
受話器のスピーカーから聴こえてきたのはまだ幼い女の子の声……
こここの声…まさか出たのは『私』…!?もしそうだったらななんて都合の良い事だろう…!
…いやいやいや万が一間違い電話の可能性もある、おおお落ち着くんだ……私!!
「あ…あの…もしもし!た…高村け…け健二と申しましゅ!ななな長嶋さんのお宅ででしょうか!!?」
まずそこが自分ん家か確認をするが気持ちが高まりすぎて噛んでしまった…恥ずかしい……
でもちゃんと相手に伝わったよね!?向こうも気付いてくれたよね!?
『………』
返事…返事はまだ…!?
その後の沈黙は5秒程度だったが私にとっては1分以上に感じていた
『…あのーちょっと聞いても良いですか?』
「は…はい!なな何でしょうか!?」
…いきなり話されたからちょっと戸惑っていたかもしれない…
また上ずった声で応答してしまった…
『もしかして…いや間違ってたらすいません…』
「は…はははいぃっ!」
…自分では落ち着いているつもりだけど余計中々緊張と喜びと興奮が前面に出ているらしい…
これじゃ普通の会話が出来ない…相手はちゃんと冷静に対応してくれているし…私がまともにならないと…!
スゥー…ハァー……
とりあえず私は深く深呼吸をする…ふぅ、今度こそちょっと落ち着いた様な気がする
高鳴る心臓を抑えながら相手の次の言葉を待った
…私に聞きたいことって何だろう……
またしばらくして短い沈黙を破り、向こうはこう切り出してきた…
『あなたは…長嶋…真子さんでしょうか…?』
次回21話に続きますが次回は物語とはまた別に一話出します。




