13話side健二 一人の時間と父親
13話です。
長らくお待たせしてしまったので
これからはもっと頻繁に更新していきたいです。
「ふぁ~……と」
本日二度目の起床、時間は…4時半、外は結構薄暗い
二度寝の割には随分ぐっすり眠れたもの、流石子供って訳か
さぁて美智子さんにまた挨拶を…
「おはよーママ…ってあれ?」
いない、買い物か?
この時間帯だったらそう考えるのが妥当だろう
帰ってくるまで何してよう……ん?
リビングのテーブルの上に何かある…
置き手紙?何が…
まこちゃんへ
パパをむかえにいってきます☆
だからちょっとおるすばんがんばって!
ごはんはたなのやつをチンしてたべてね(●´∀`●)
最後に書いてある可愛いらしい熊の絵まで見終わって俺は驚愕した…
…この子には父親がいたのか……
……いいや、そんな事よりもあの美智子さんが「チンしてたべて」と…
子供よりも父親の迎えを優先した!?
美智子さんがそこまでする父親がどんな人物かちょっと楽しみになってきた…
でも先に食べてろって事は帰り結構遅くなるのか
父親は何処で働いてるんだろう?
あんまり家にこれないって事は…泊まりがけで行う仕事か…何だ?
…まぁ帰ってくるまでのお楽しみか
とりあえず俺はレンジに今日の夕食を入れた、
チン♪という軽快な音を合図とし取り出す
「いただきま~す…って誰もいないか…」
一人のため今まで抑えていた素を少し出す、
それでも出るのが可愛らしい女の子の声のため調子狂う
辺りは隣の部屋からギターが聞こえる程静かだ
その沈黙の中で黙々と夕食を頬張っていく
俺にとっては結構新鮮だった
「ご馳走さま」
皿は…洗わなくて良いんだよな?なんか悪い気がするけど
風呂にも入り、歯磨きも行った。
美智子さんがいないだけでこんなにもスムーズにできるとは…
いや決して美智子さんが邪魔って言ってる訳ではない!悪気もないし…
…でも少し寂しいな……
…する事ないからTVでも見るか
俺はTVを点け、人目がないためニュースにチャンネルを変える
『アテネオリンピック開催まであと4か月!』
『小泉内閣、今回の議会で承認……』
随分古いなぁ、これはこれで面白いけど
『ー台風2号が太平洋で発生、
早ければ明日にでも関東地方に着陸するでしょう。』
この台風ってもしかして…
小一の時、達也達との秘密基地を跡形もなく破壊した台風…
あの時のショックは今もはっきり記憶している
ガチャ、ガチャ、
~~~ッ!?
「ただいま~♪」
……心臓が一瞬飛び跳ねた……
俺はすぐさまTVを消し、帰ってきた美智子さんを迎える
「おかえりーママ……」
美智子さんの後ろで2つの旅行バッグを持った男の人、
顔の雰囲気は…どことなく真子に似ている
この人が父親か!
「おかえりパパ!」
俺はこれまでにない位無邪気に挨拶をした。
父「…あぁ、ただいま」
父親はそう言ったあと少し疲れた様子で靴を脱ぎ、
そのまま部屋で荷物の整頓を始めた
…あれ?反応薄いな…
美智子「真子ちゃんごめん!遅くなっちゃって…ご飯どうだった?」
「うん、美味しかったよ」
謝ってる、多分俺が寝ていたから起こすことを配慮してくれたんだ
美智子「そう!?良かった~」
美智子さんは俺の言葉で安心した様子だった
「じゃあ私寝るね」
父親を見ると言う目的は達成されたからね
美智子「え?パパは良いの?」
「パパはちょっと疲れてそうだったから……」
美智子「そう…じゃあおやすみ♪」
「おやすみなさい」
俺は部屋に戻って本日二度目の睡眠に入った
転生3日目終わりです。
ここら辺から二人は転生後の生活に慣れてくるので
展開も早くなっていく予定です。
父の名前は考えておりません




