6話side真子 登校初日
6話真子sideです。
タイトル通り健二と同じ初登校編です。
ピーッピーッピーッ
私は目覚ましの音で起きる。もしかして…
…やっぱり「朝起きたら元に戻ってました♪」
なんてベタベタなオチの訳無いか…
ベッドから降りて着替える。
そっかぁ、私服登校なんだ…懐かしいな
ズボンなんて穿くの何年振りだろう
隣の部屋から足音が聞こえた。
隣の部屋というのは夏子の部屋だ
夏子の部屋も2段ベッドだった事には驚いた。
やっぱりこの家って裕福だよね、私基準で
部屋のドアが開けられる。
夏子「お兄ちゃんおはよ!」
いつも通り元気、昨日の事は全く気にしていない様だ
私は真子と一緒に用意されている朝食を食べに行く
昨日の件から怪しまれない為には出来るだけ多く喋らないといけない
しかしまずこの子の性格も分からないし
家族にどう振舞っていたのかも当然知らない
下手な事言って怪しまれたりしたらどうしよう…
「いっただきまーす!!」
とりあえず必要最低限の挨拶を元気に言えばOKかな…?
多分この子もそうだったと思う
母「食べ終わったらランドセル持ってきてね」
「うん!」もちろん返事も元気に
朝食を食べ終えた私は言われた通り部屋からランドセルを持ってくる。
すごい新品、めっちゃ黒光りしている
私は黒いランドセルを背負う
洗面所へ行き、自分の姿を確認しに行く
昨日見た時はガラスだったため、よくは確認できなかった。
風呂もなるべく裸をみない様にしていたため、鏡を見なかった。
つまり今の自分の姿をはっきりと見るのは今が初めてだ
「わぁ…」
幼くてワンパクそうな顔つき、どこか夏子に似てる雰囲気
予想通りの短髪でいかにも小1です!って感じだ
男の人もこれ位の年齢になると…可愛い
ランドセル姿がよく似合っている。
母「そろそろ行くわよ健二ー?」
母の声だ、早く行かないと…
「今行くよ!」
私は階段を降り、母を待つ。
しばらくすると階段を降りる音が聞こえた
…父親かな?
「おはよう!」
私はすかさず父に挨拶、先手必勝だ
父「おはよう健二、おぉ!ランドセル似合ってるな!
友達たくさん作ってこい!」
相変わらず熱い父親だなぁ、私の父親は……
私は父と一緒に外へ出かけた記憶が一切ない。
ましてや登校を見送ってもらった事もない
やっぱこの家庭が普通なんだ…
私はこんな父親が欲しかったのかもしれない
健二さんが羨ましい
母も準備ができた様だ。
母「健二ー夏子ー、先車行っててー」
「「はーい!!」」 二人声が重なった。
「行ってきます!」
父「行ってらっしゃい、頑張れよ!」
私達は先に車に乗り込んだ。
間もなくして母も来た。車発進
いつかこの学校への道も一人で歩く事になるだろう
車で5分位って事は歩きで10分ちょいかぁ…
私は車の窓の外を見て道を覚える。
恐らく今日は授業を行わないと思う
教科書もまだ配られてないし…
そう言えば授業って地獄じゃない!?
足し算?私つい先週中学を卒業したんですが…
そんな事を考えていると「山立小学校」が見えてきた
…は早いっ!!
もうちょっと色々考える時間が欲しかった
ただでさえ冷静に考えられる時間が少ないのに…
着いてしまった。
道覚えるのは思った以上に簡単だった。
「行ってきまーす!!」
母「行ってらっしゃい」
夏子「お兄ちゃんふぁいと!」
私は母の車から降り、校舎へと向かった。
次回7話は学校内の様子を描きます。
2日目も長くなりそうです…




