Person to browse- Prologue=終
この話はどうなるのだろう
…ついていくと、軽く街の案内をされた。
この島は、普通に、というか、普通とは言い難いようにも思えるが、人が住んでいた。家があり、店があり、通貨がある。通貨は今までどおり使えるようである。
「まあ、こんな感じだな、連絡先を渡しておくので、困ったら連絡するといい」
連絡先も、やはり、見たことのあるドメイン(アドレス)<ドメインとは、メールで@~と続く、キャリアなどのメールサーバーの名前のようなもの>であった。
親には、寮暮らしをする、という名目で、この島に連れられた。
学校は、あるにはあった、が、一応、あの研究所の施設の一つらしい。まあ、そんなもんだろう。
で、僕は、案内をしてくれた人が隊長となる、分隊に配属された。
今後は、このチームで異世界に飛び、調査などの作業を行うようだ、が、やはり訓練が先らしい。
これから、どうなるのだろうか‥。
知らない世界だと、不安が拭い切れないのは、誰だって、同じだろう。少なくとも、僕はそう思う。
あの後、自由に街を散歩した。
街は、やはり、どこにでもあるような街だった。
此処は、どういう場所なのだろうか、と疑問に思う。帰ってから聞いてみよう。この街、と言うか島は、地図を見る限り鉄道も走っているようで、島はほぼ円形。形をちょっと乱しているのは、ところどころにある港。だが、左右対称になっている。中央でクロスするように島を四分割して通っている、鉄道と脇の道路。中央にはターミナル駅と、その周辺に学校、研究施設等があるようだ。そして、島の外周、堤防的なものがある。
…よく見たら、歯車の形状であることに気がついた。
散歩を終え、先程疑問に思った「とう言う場所、あるいは島なのか」を、所長に聞いてみた。
「あまり、詳しくは言えないけど、此処は日本であって、日本ではなく、また、地図には載らない、武装国家…、なんて言うんだろう、秘密基地、みたいな感じ、かな。わかりづらくてごめんよ~」
笑いながら、説明してくれた。いまいち分からないが、つまり、雑把に言えば治外法権的な感じだろうか。
「認識は概ねそれでいいと思うよ。まあ、此処にいれば、そのうち分かるよ。」
つくづく適当な人だ、と心のなかで思った。
「まあ、とりあえず、君の部屋に戻りなよ。あとでこの島の詳細の地図を置いとくよ」
そんなこんなで、新しい生活が始まるのだった…。
一旦しまいとなりやす