Person to browse- Prologue=参
まだ続きます。ええそうです。今回も短いですよ。
謎の武装した二人に連れられるままに移動した僕。
僕は二人に連れられ、小さな建物に着いた。そこには、この都会の(ただし、人のいない)風景には不釣り合いな、プレハブの、防災倉庫並みの大きさの建物があった。
「入れ」と僕とやり取りしていた兵士に言われるがままに中に入る。
中は照明があり、薄く書かれた手紙を十分読めるほどには明るかった。まあ、手元にはないが。部屋の壁には巨大なモニターやら計器やら、詰まるところの装置がある。そこで、二人にこの世界についての説明を受けた。
要約すれば、この世界では、日本は世界で起きた戦争の飛び火、核兵器を東京の北部に受け、僕が今いるらしい、元新宿も非難の対象で、ここにいるのは警備隊か、彼ら[時空調査隊(Time Travelers)]なのだそうだ。彼らの背中には確かに時空調査隊と書いてある。この[時空調査隊]とは、もともと別の世界で活動している組織内のグループの一つで、このプレハブ小屋がタイムマシンなのだが、これを使い、各世界を調査して回っているのだそうだ。なお、このプレハブは彼らの各世界においての活動拠点のようだ。
なぜ日本を知っていることに驚いたかについては、彼ら曰く(いわく)この日本は核兵器を撃って来た某国が、自国の領土と主張したため、日本を名乗ることが禁止、日本を国内で使うと銃殺なので、この兵士たちは驚いたようだ。
彼らは唐突に、僕に言った。
「君も[時空調査隊(Time Travelers)]に入ってみないか」と。
本当に唐突だったが、少し迷った末、さっきから気になっていた、元の世界への帰り方を聞いてみた。彼らはすぐに答えをくれた。
「端末によれば、君と僕たちは同じ世界から来てるようだし、まず帰るか」
予想外だったが、もちろん帰れることには変わりないので、帰ることにした。このままこの世界にいるのも危険な気がするし。僕が答えるのを確認すると、いつの間にか、壁にあった装置をいじっていた、もう一人の兵士がこちらを向き、親指を立てた。グッジョブ!その後座ったほうがいいぞ、と言われたので、すぐ傍にあった椅子に座った。今気づいたよ。
=====そして元の世界へ=====
エレベーターで昇り降りを繰り返したような感覚のあと、さっきからずっと装置をいじってた兵士が突然、大きな声を出した。
「よしっ、今回も無事につきました!」
安全な乗り物じゃないのか?という疑問が心の井戸から溢れそうになるのを押さえつけた。
二人がドアを開き、外に出るのに続き、僕も外に出てあたりを確認した。
たくさんの白衣を着た人がいる。分かる人にはわかる典型的な研究室だ。
と、出てきた僕に一人の研究者っぽい若い男が話しかけてきた。
「君が例の少年か…。これについては箱からテキストが送られてきたよ。」
箱…? ああ、あのプレハブのことか。そうか、ここでは、箱と読んでいるのか。見た目も考慮すると妙に納得してしまった。テキストは…、今の流れからするとメールのようなものか。
と、ここでその研究者っぽい(以下、研究員としよう)が言った。
「ああ、ごめん、箱とかテキストとかはここでの用語だよ、って言わなくても察してたかな。簡単だもんね」
…簡単だ…。さてさて、ここが元の世界ならば、また、いつもの生活に帰らなければならない。学校の退学手続きが必要になるな…。
ふと、二人の兵士がどこに言ったのか気になったため、あたりを探してみたら、近くにあるテーブルで別の研究員と、上司(?)のようなひとと何か話している。
「ごめん、聞くのを忘れてたんだけど、君の学校と名前、あと住所を聞かなきゃ。保護者にはうまいこと説明をしとくよ」
…なんか不安だな、この研究員。っていうか、うまいことってどうするんだよ。と思いつつ、向こうが紙を取ってきて、書いてある通り、必要な項目を記入した。いや、聞くんじゃないんだ…。
「ありがとう、今日は帰っていいよ、じゃないや、ここがどこだかわからないよね、車で買いてもらった住所に送ってもらうように手配するよ。次来るときは家の近くの公園に車を午前9時に待機させるからね。あと、詳しくは書いてもらったメールに送るから。今日はお疲れ。バイバイ!」…フレンドリーな研究員だった。僕は大丈夫だろうか…。
3話完成!
次、入社してから最初の話。