男は単純・・・で悪いですか!?
・・・シン君はお年頃
そしてちょっと設定説明
そのまま客室に案内するレイナ
「とりあえずここで待っててくれ
説明に必要な者を持ってくる」
「わかった」
部屋を出ていくレイナを見て、ふと・・・シンは思う
(なんつーか・・・本物の金髪って綺麗だな
しかも日本人のハーフだからメッチャ綺麗・・・つか、ドストライク・・・)
気兼ねなく話してくる彼女に今更ながら恥ずかしさが込み上げる
そんな恥ずかしさを振り払うようにシンはいろいろ魔法を試す
「ライト」
すると肩に背負っていたザリチェの穂先が明るく灯りった
(やっぱり詠唱破棄になってるな・・・そういやステータスって見れんのかな?)
問題なく魔法を扱えることができ、シンはふと疑問に感じた
「ステータス」
考えられる原初的な表示方法を試しにそう呟くと突然目の前に透明な緑の板が現れ、そこに黒い文字でステータスが書かれている
シン/Lv.100
メイン職業:魔術師
サブ職業:ーーー
筋力:10(+20)
体力:80(+35)
俊敏:10(+15)
精神:90(+45)
魔力:80(+35)
など・・・etc
(一応見れるんだな・・・ライアん時と見方は変わってないみたいだな・・・んっ?何だコレ)
称号の部分が赤く光っているのに気づく
しかし・・・
「すまん、遅くなった」
なにやら筒状に纏められた紙を抱えてやって来たレイナが入って来たのですぐに消えろと念じてステータスを隠す
「いや、そんなに待ってない
それ・・・地図かなんかか?」
筒状の紙を指差すとレイナは相づちを打ちながら頷く
そしてテーブルにそれを広げる
言うならば・・・大陸は三つ
正三角形のように並び、その大陸の周りと正三角形の真ん中辺りに小さな陸がポツポツと点在している
「この世界は『リムス』と言って、この北・・・三角形の頂点に位置する大陸が我が国がいるリスト大陸
様々な国が点在する比較的穏やかな大陸だ」
そして次に示したのは右下東南の大陸
「ここが一番危ない大陸のムスラ大陸
荒れくれた国、魔物、戦争、飢饉が絶えない国だ・・・正直近づかないほうが身のためだ」
次に南西の大陸
「ここは情報、商売の大陸だな
この大陸は温暖と冷寒の二つの季節があるため、大陸の北側は温暖で農作物が取れ、南側は多くの魚類が取れる
そんな食料を纏め、管理し、他の大陸、国家に売って、情報が多く集まるのがこの大陸スルトの中心にあるスラン共和国だ」
(なるほど・・・魔物はいるけど魔王はいない、いるとしてもムスラ大陸か)
そこでシンは残っている陸である地図の真ん中の島を示す
「コレは龍島と言われていてな
島の周囲は霧で覆われ、それでも進もうとすると様々な龍が襲ってくるらしい
そんな理由からそんな名前がついたのだ・・・正直、私にもよくわからん」
「そうか・・・(なんつか、絶対そこに行かないといけない予感がする)」
若干、顔を引きつけさせながら相づちを打つシン
「ところでシン
これ読めるか?この世界の字なんだが」
(・・・英語?漢字?)
英語と漢字を足して二で割ったような字だった
「すまん・・・この世界の会話はなぜかできるんだが、字はわからん」
「じゃあ、私が教えていくさ
ああ、学校だと基本的に実技が多いからな
そんなに字を使う機会はない、少しずつ教えるさ」
ニッコリと笑う彼女に少々見惚れながらも有りがたく思った
「そういえばレイナってどんくらい強いんだ?」
「そうだな、学年代表をやっているが・・・ならステータス見るか?」
「え゛っ・・・」
ピシリと固まるシン
レイナは「ステータス」と呟くと彼女の前に先ほどシンが出した緑の板がある
「ほれ、ここに書いてある・・・って、どうした?」
「イヤ、ナンデモナイヨ」
思わず片言になりながらもステータスを見るシン
レイナ・サーフィル/Lv.25
メイン職業:騎士見習い
サブ職業:ーーー
・・・・・
・・・・
攻撃力:205
防御力:87
回避力:95
魔攻力:180
魔防力:67
詠唱速度:54%
HP/MP
2500/2000
・・・・etc
(意外にもレベル低い割にチート染みてんな・・・てか詠唱速度早いな・・・)
「詠唱速度って、基本的にレイナくらいなのか?」
「ああ、それは魔法を幼い頃から学んでいたからだ
騎士の大半がだいたい私と同じくらいだ、父上や宮廷魔術師は更に早いみたいだがな
私くらいの同年代はもう少し遅いさ
・・・それよりもシン
シンの詠唱速度、早すぎないか?」
「あー・・・詠唱速度は早い
てか、さっきステータス確認したが見ないほうがいいぞ?」
見せたら大変マズイ気が・・・見ればレイナの目が輝いた
「そう言われると見たくなるな・・・見せてくれシン、多少変わってても驚かないさ」
「いや、ホントやめとけって」
「だから大丈夫と言ってるだろう」
「ダメだ」
「どうしてもか?」
「どうしてもだ」
一進一退、どちらも退かない言い合い
するとレイナは何か思いつくと・・・
「なら、私のスリーサイズ・・・」
「ステータス!!」
レイナがそう呟いた瞬間、シンはそう叫ぶ
若干呆れながらもレイナは彼のステータスを覗く
「なっ・・・はぁっ!?」
「・・・だから見ないほうがいいって言ったろ」
彼女は驚きのあまり固まっていた
シン/Lv.100
メイン職業:魔術師
サブ職業:ーーー
・・・・・
・・・・
攻撃力:50
防御力:134
回避力:32
魔攻力:1574
魔防力:987
詠唱速度:100%
HP/MP
12000/35000
スキル:海龍の加護、炎獅子の舞、大地の伊吹、風神の加護、妖精の守り手、光の輪
など・・・etc
「レベル100って・・・伝説の勇者と同じじゃないか・・・」
「伝説の勇者?」
「ああ、昔魔物がこの大陸を占領していた時、たった一人で魔物を退けた勇者でな・・・彼がレベル100なんだ」
「そうなんだ・・・だけど俺、そう対して強くないし・・・魔術師だけど基本的にヒーラーだぜ?
前いた世界じゃ俺みたいな奴普通にゴロゴロいたからな」
そうシンの本領は異様な詠唱速度による回復力だ
その回復力によって倒せないため敵からすればゾンビ魔術師
味方からすれば神のヒーラーだったのだ
「シンがいた世界じゃ普通だったのか
父上をああも簡単に倒したからよほどレベルが高いとは思っていたが・・・」
ガックリと落ち込むレイナ
その落ち込み様はまるで高校受験に全部落ちたくらいだ
気まずく思ったシンは慌てて慰める
「いや、悪いレイナ、えっと・・・ほら、俺もいろいろ訓練手伝うからさ
一緒に強くなろう、なっ?」
「本当か?」
「ああ、もちろんだとも」
「絶対にか?私は訓練好きだぞ?」
「なぁに、レベル100の体力は半端ないさ・・・大丈夫だよ」
「わかった、約束だぞ」
こうしてシンはレイナの訓練を手伝うことになったのだが・・・
後にシンはこう後悔した
(この時の俺をなぶり殺したい)
と・・・・
オマケ
「ところでレイナ、スリーサイズ教えろよ
ステータス教えたんだしよ」
「いや、教えないぞ?
私はあの時『ステータス』と言っただけで教えるとは一言も話してない」
2012/7/17 シンの防御力設定変更
紙装甲じゃなく神装甲でした