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「困る!」

佳織は戸惑っていた。

ナンパなんてものは、空想の産物だ。

そう思っていたのに、自分は今それに出くわしている。

「いいじゃん、ちょっと抜け出して遊ぶだけだって!」

2人の男が私を挟んでいる。

俗に言うチャラ男?というやつだ。

好意をぶつけられて、嬉しくないわけでは無いが、しつこいのは嫌だ。

トイレから出てから、ずっと同じような言葉の繰り返し。

きっとこいつらがどれだけかっこよくても、私はついて行かないだろう。

「ほらー、行こうよ!!後で、連絡すれば大丈夫だって!!」

1人が強引に手を引っ張ろうとする。

誰も助けてくれない――…。

見てみぬふりのオンパレード…。

その時、伸弘が怒っている形相で近寄ってきた。

「伸弘!!!」

私と麻美を命の危機から助けてくれた、一生の恩人が…。




ナンパ野郎に近寄っていく。

ああいう奴を見ると…なんと言うか…。

男なら、どうどうと誠意をみせ、潔い良いのが当然。

断わられたらすぐ引くべき。

まして、女の子相手に実力行使に出ようとしていて2人掛りなんて、

全くもってナンセンスだ!

「…それ俺の友達なんだけど?」

苛立ちを隠せず、そのまま勢い任せに言葉を発す。




そんな俺を気にくわない様子の2人。

香水のにおいが鼻についた、

適量であれば柑橘系の匂いが漂うはずなのにもったいないな。

「あんた、友達なのにしゃしゃってんじゃねーよ!」

思いっきり睨まれる。

が、それをさらっと無視して佳織を呼ぶ。

こんな奴らにせっかくのご飯を邪魔されたくない。

「ほらっ、早く飯食おうぜ!」

伸弘は怯えもせずに、佳織を笑顔で呼び、2人の手を離そうとする。

「は・な・せ・よ!!この子は卑怯者には釣り合わねー!!」

二人組みはそう言われて恥かしくなったのか、

「しつけーな、もういいわ。行こうぜ!」

「だな!」

捨て台詞を、店を出て行った。

「佳織!!…何もされてねーか?」



この人は、他の人とは違う。

見てみぬふりだけじゃない…。

「大丈夫…ありがとうっ…。」

少し照れながら、伸弘の後ろを歩きながら礼を言う。

昔から、人とあまり深いつながりを持たず、私と麻美は生きてきた。

それこそ、親よりも長い時間を過ごしている。

本当に私を心配してくれる人は、数少ない。

もしかしたら…この人は…




「悪い!遅れた!」

伸弘と佳織が、席に着く。

「どうしたの、佳織顔が少し赤いけど?」

さすがに麻美は見抜いてくる。

「いや―――なんでもない。皆はメニューは決めたか?」

そう聞きつつ、佳織もメニューを取ろうと――…。

手が伸弘と、少し触れ合う。

「すまん!」

さっきあんなことがあったばかりで、少し過剰に反応してしまう。

そんな佳織の様子も伸弘は全く気付いていない。

みんなのオーダーが終了して、話は本題に入そうだった。

麻美の出番増やしたい!

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