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寝相

あの馬鹿伸は私が寝たと思っている。

(寝れるわけ無いだろうが…。)

ただっ広いベットの上で、私は麻美と今2人で居る。

麻美は何も言わずに寝たふりをしているようだ。

体の動きが全く無い。

「麻美、起きてるんだろう?」

尋ねてみるが、返って来るのは沈黙のみ。

それにしても、伸弘はデリカシーの欠片も無い。

頭を…その…撫でたり…することだ。

後は、花の乙女の鼻を突いたり…

私だって一応女の子だ。

少女漫画だって小説だって読むが…

伸の腕を掴んだりしていた………なんと私の破廉恥はれんちな。

ああいう漫画や本の中にある、頭を撫でたりなんていうのは実際にされると

とんでもなく照れくさいし、自分がそんな大胆な―――。

(にゃぁああああっ!!寝る、寝てしまうぞ!)




佳織も寝れていないのだろう。

先ほどから寝返りの回数がとても多い。

私は元々、寝ているときは動かない方だ。

だが、伸弘が横に居て私が、腕を掴んでいた

というさっきまでの現実リアルが私の体を動かなくさせる。

自分でもあれはやり過ぎたとは思うが…

(伸に助けられて、本当に嬉しかったし…その…あの…うん、ねぎらっていたのです。)

心の中で言い訳をする。

でも、腕を抜かれた時は少しさみ…って…。

一体全体、自分が何を考えているのか分からなくなってくる。

『麻美、起きてるんだろう?』

焦って声が出なかった。

(……沈黙は雄弁にも勝ります。ここは寝たフリをするのが上策!)




「紅葉旅館」

きわめて整った顔、身長は少し低めだが

とても、いい声をしている。

これこそ長谷川だ。

「はい、確実にそこには宿泊すると。」

「良くやった。」

「有難き幸せ!」

そう言って電話は切れる。

班員は全て長谷川グループのやつらだ。

どこに行こうと問題は無い。

時刻は遅いが、興奮して眠れない。

「麻美と佳織…2人とも頂いてやるよ!大島伸弘!!」

片手に持っている空の缶を握りつぶす。

睡眠前には、絶対にコーラを飲むのだ。

それをゴミ箱に投げ捨てて、歯を磨きに行く。

自分でも、変だと思うが、習慣だし仕方ないと思う。

別に、麻美と佳織が好きなわけでもない。

これは長谷川グループに必要不可欠なことというだけだ。

後は、大島伸弘のリア充ぶりに少し腹が立つだけだ。




祖父様との電話を終えて、水を飲む。

冷たい水が喉を通り気持ちいい。

ゆっくりしたと思って、少しソファーに座ることにする。

「長谷川か…」

どんな奴かは知らないが、出来ることをやるだけだ。

時刻は1時過ぎ…。

取り合えず不安はあるが、そろそろ寝ないと明日が大変だ。

そう思って、部屋に入ると2人とも布団を蹴り飛ばしていた。

「しゃーねーな」

丁寧に布団をかける。

「俺が…可能な限りは護るからな。」

そう言って頭を少し撫でる。

聞かれない事前提に、話す。

よく考えると、

この部屋では寝れないので予備の布団を持ってリビングで寝ることに決定した。

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