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CALL ME

眠れない。

隣で眠っているお嬢様方は伸弘の腕を掴んだままだった。

「寝息かきやがって」

腕をすっぽ抜いて2人の鼻をちょんと突く。

2人とも微妙に体動かす。

少しだけ頭を撫でる。

「うぅッ…馬鹿伸!」

それと同時に、佳織がごろんと寝返りを打ちながら寝言を言った。

(それにしても酷い寝言だ…)

夢の中で罵られている俺は何をしているのだろうか。

麻美の様子を見るが、あまり動かない。

もう1回鼻を突付いてみる。

今度はほんの少しだけむずっと動いた。

それを確認する。

ちょっと、水が飲みたくなって食堂へ向かう。



―――ピリリ、ピリリ

歩いていると、魔池流さんとは違った着信が流れる。

これは…お祖父様だな。

「はい、もしもし」

「伸弘か、久しぶりじゃな。」

……そうでもない気がする。

「どうかしたんですか?」

「遅くにすまんが、お主に気を付けておいて欲しい事がある。」

この言葉におふざけはないと確認する。

「……」

「同じ学園の長谷川という奴に気を付けろ。」

その声は確信に満ちている。

「お嬢様方関連でしょうか?」

「そうじゃな……強いて言うとするなら婚約を迫ろうしている奴じゃな」

これは専属係が口を挟む問題じゃない。

「しかし…それは俺が口を―――…」

「本人が嫌がったとしてもか?」

橋田潤一郎様はカッカッカと笑う。

見透かされている気がしてならない。

「…まぁ何にせよ、目をつけらて居るのは恐らく伸弘…お主じゃ」

「何故俺が…」

携帯を握りつぶしそうになる。

「ホモじゃからな!」

「…………ここはスルーしますね。」

ついていけないテンションだ。

取り合えずツッコミは自粛することにしよう。

「酷いぞ、酷いぞ伸弘!!……まぁ、宿泊祭には行動してくるじゃろうな。」

彼なりの愛嬌のようだ。

「それで…?俺は何を?」

「孫娘を信じろ。それと何かあった時は護衛許可を出す。」

護衛許可…何かにあったとき、

自己とお嬢様方の防衛のために、こちらから手を出すことだ。

今日の水族館は許可が出ていなかったので、自己防衛も出来なかったのだが。

「いいんですか?」

ここに来てからほぼ毎日欠かすことなく、魔池流さんとの訓練。

自分自身かなり強くなっている。

魔池流さんの教え方が本当に上手いっていうのが殆どだが。




「孫娘は100%長谷川の事が気に入らんじゃろうからな。」

「それは祖父様が決めることではないでしょう?」

「いんや……ワシは娘がキチンと決めた相手と結婚して欲しい。」

……祖父様の本音だ。

何かあったのだろうか?

しかし、ここでそんなこと聞くわけには行かない。

「家柄や何もかも無しで、娘達が幸せになれるのならそれもよいわ。」

またしてもカッカッカと笑う。

(本当に……大事なんだな。)

自然と伸弘にも力が入る。

「分かりました、お任せください。」

「ワシも出来る限りはする。………孫娘を頼む」

そう言って電話は終えた。

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