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長谷川の野望

「別に麻美が悪いわけじゃねーよ。むしろ、お前に…それに他の2人にも…怪我無くて本当に良かったな。」

「いえ、でも伸が怪我してたら…」

「ありがとう……それと、皆に謝らないと…ごめんなさい。」

伸弘はリムジンに居る全員に謝った。

「それで…なんで麻美が相手を引っ叩いたんだ?」

普段は温厚な麻美が、相手を殴るなんてよほどの理由だ。

「それは…あのチャラ男が伸弘君に貰ったキーホルダーを踏み潰したからよ。」

葵はいらいらしているのか、

リムジンの中で伸弘と2人の正面で貧乏ゆすりをしている。




「そんな事で…―――!」

「そんな事じゃない!!」

佳織が、隣から伸弘を怒る。

機嫌が凄く悪い佳織は、とんでもなく怖いのだ。

「あのぬいぐるみやキーホルダーは…お前から貰った私たちの初めての贈り物なんだ。それをそんな事なんて…伸弘だけには絶対に言って欲しくない。」

佳織はギュッとワンピースの裾を握り締めている。

表情は暗くて分からない…。

伸弘は、ゆっくりと言葉の意味を確かめた。

「…そうか……俺は幸せだな……本当ありがとうな!」

はにかみ笑う伸弘の顔は、3人をキュンとさせるのには充分な威力だった。




耳につけている小型のマイクから、車の音が流れ込んでくる。

車は車庫にある少し大きめのリムジンを用意した。

(しかし…伸弘の奴。旧友の孫娘にまで手を出しよって。)

橋田潤一郎は暗闇の部屋に2人で居た。

「して、長谷川の」

そう呼ばれた長谷川は、顔を上げる。

「孫娘が欲しいか?」

「はい!」

長谷川は婚約の交渉に来ていた。

じっと見つめる潤一郎の目には、何もかも見透かすほどの眼力が宿っている。

「打算で結婚してもいい事なんざ一つも無いのだがな。」

「……この世界では、必要なものですから。」

それはそうだ。

この長谷川も、そういう世界に居る。

「断わるといったら?」

「邪魔なものをそぎ落とすだけです。」

余裕のある笑みで、長谷川は言った。

「…大島伸弘は一筋縄ではいかんと思うがな」

「ごもっとも。」

しばらくして、長谷川が部屋から出てきた。

木の柱をガンと蹴り飛ばす。

「リア充は死んでしまえ!!!!!……取り合えず、佳織と麻美はどんなことをしても手に入れる。」




明日からは宿泊祭。

そういうわけで、葵を送って帰宅した。

『じゃ、明日ね。』

『迷惑かけたな…』

『気にしてないわ、それよりも私もこれ佳織に負けないように、一生大事にするから』

ぬいぐるみを持って楽しそうに笑う葵は、手を振りながら帰宅していった。

車で待っている2人も心なしか少し機嫌が直っているように感じた。

「どうしたんだ?」

「「別に!」」



帰ると宿泊祭の用意が3人分されていたのだ。

メイドさんのおかげだろう。

2人を先に風呂に入れて、就寝の用意を終える。

合間に携帯を開くと、葵からメールが届いていた。

『伸弘君、2人のフォローきちんとするのよ!ちなみに、明日の宿泊祭楽しみにしてるから!』

そのメールをみて、何のフォローかよく分かった。

あんな怖い思いをしたのだ。

―――伸弘も風呂を終えて、大広間に行くと麻美と佳織がテレビを見ていた。

「そこまでー!」

伸弘がテレビを消すと、麻美と佳織は素直に就寝のために部屋に向かう。

2人はうつろうつろしていて、目は眠そうだ。

「今日は色々あったけど…楽しかったぞ。」

伸弘は、意識のあまり無い2人にそう言う。

すると麻美は、

「一緒に寝てください。」

手には今日貰ったぬいぐるみを左手に抱いて、伸弘の腕を右手で抱いた。

「ちょっ!!」

「それは良いアイデアだな。」

佳織も麻美と同じように片手にぬいぐるみ、もう一方では伸弘の腕を抱いて

伸弘の部屋に向かう。

「「今日だけ!」」

麻美と佳織があまりにも子供みたいで、伸弘も

「しゃーねー。今日だけだぞ?」

そう言って、3人は一緒にベットに向かって行く。

明日は宿泊祭、今日は色々あったけど明日が楽しみな夜だった。

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