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デリカシーは大事だね。

「じゃあ、用意できたら大広間に向かいます。」

それだけ行って伸弘は、部屋に戻る。

実家から、荷物は全て送ってもらった。

―――ピピピピピー。

携帯が鳴り響く、魔池流さんからだ。

俺が長橋にちゃんと通うことに決まったあの日から、

魔池流さんには様々な護衛術やお茶の入れ方、庭のいじり方などを学んでいる。

ただ…あの人は戦闘になると、怖い。

「もしもし。」

「魔池流ですが、伸弘さんですか。」

「ええ、そうです。」

それにしたって、この会話は何かおかしいだろう。

「町に行くそうですね?」

少し声色こわいろが変わった気がする。

「どうかしましたか?」

「お嬢様方は、世間に疎い方です。なので宜しく頼みますね。」

本当に律儀な人だ。

心の底から、こんな人になりたいと思う。

「了解です。」

「私は後ろから、着いていくので安心してください。」

3人を1人で護衛するとなると、中々難しいものがあるので安心する。

「では。」

そう言って、魔池流さんは電話を切った。



服を選ぶが、防刃ベストはちゃんと着込む。

何が起きるのか分からないのが、怖いところだ。

出来れば、一生使いたくない。

「よっし!行くか!」

そう言って、伸弘は大広間に向かった。




伸弘は用意に向かっている。

あれから、少し時間が経った。

「それにしても伸弘君って、何でも出来るのね~。」

葵が感心したように頷く。

「ある程度は、魔池流が仕込んだからな。」

どうだ、といわんばかりに佳織は葵を見る。

「今では、完璧…とは言えないですが…最高の専属係です。」

完璧でないのは……デリカシーのかける言動と行動が多いのだ。


例えば、佳織が

『洗濯物乾いてるか?』

と聞けば、

『下着も乾いてるぞ!ついでにパンツのゴム緩んでたから直しておいた。』

とか…変に気が利くから逆に怒りにくい。



また、あるとき麻美が、

『なんだか、少し熱っぽい気がするんです…。』

と言えば、

『どれ?でこ貸してみ…。』

と言って、いきなりデコををひっつけたり…。

伸弘曰く、お姉さんが居るのでそうなってしまうらしいのだが、これはずるい。

麻美と佳織、それぞれ思い出して、顔を赤める。

「「デリカシーが…………。」」

「ねー伸弘君、私に頂戴よ!」

「「だめッ!!」」




「用意できたぞー。それにしても何がだめなんだよ?!」

いきなり、部屋に入ってくる伸弘。

この人にガールズトークなんて、関係ないんです。

ちなみに、デリカシーが…………のところから聞こえてました。

「「「なんでもない!!」」」

それぞれが、否定する。

薮蛇だ…何も言わないでおこうと伸弘は決意する。

「じゃ…そろそろ行こうか。」

壱花市は県下最大の面積を誇る。

同じ、市内でも遠いところは遠いのだ。

ちなみに3人が車を使いたくないと言うことで、

午後2時、自宅から最寄の駅へ向かう。

無論、葵の家には魔池流さんから、連絡してもらっている。

その途中。

「伸弘君?」

「どうかしたか?」

まだ、少し伸弘は、葵に対して敬語になりそうになった。

「私服…凄い似合ってるわよ。」

満面の笑顔に対して、伸弘は照れた、凄い照れた。

「お…さ、サンキュー。」

葵が、みんなに慕われる生徒会長ということがよく分かった気がした。




「出遅れた…。」

「出遅れました…。」

2人ともどうしても照れて言えず、結局葵に言われたのだ。

しかし始まったばかり

…まだまだチャンスはあると佳織と麻美は、少し後ろで鼓舞し合った!

「聞こえてるけどな。」

耳がいい、伸弘にはまる聞こえだったが、聞いてないことにした。

「どうしたの?」

「いいや、別に。」

葵が不思議そうな顔をしてい伸弘を見ている。

2人の話が聞こえて……伸弘自身の顔もほころんでいた。

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