表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/34

仕掛けられた爆弾

「それって、関係あるんですか?」

「う~ん?」

手を引っ張って歩いていく生徒会長は、

あいている片手であごを触る。

そのポーズはより知的さを際立たせているように見える。

「多分関係は無いわね!」

クスッと少女は、大人びているにもかかわらず子供っぽく笑う。

(これがモテる秘訣か?)

なんて、伸弘は考えつつも次の質問を口にする。




「名前を教えていただけませんか?」

新田にった あおいよ、宜しくね伸弘君!」

そう言って、伸弘の顔を覗きこむ。

「え、あ、新田さんですね。宜しく―――。」

「葵!!新田さんじゃなくて葵って呼んでよ。」

戸惑う伸弘をよそに会話を続ける。

「いい?新田さんは余所余所よそよそしいから駄目!」

葵はじっと、伸弘の目を見る。

「あ、葵さんで宜しいですか?」

「まだ、何か固いけど…もうっ!」

悪戯っ子のように笑り…握ってる手に力を込めてきた。

異性が気になるお年頃の子なら、

ここでズキューン!なはずだが、伸弘には通用しない。

(ふ~む…うちのお嬢様たちにはこれくらいになってもらいたいものだ。)

そう、今の第一優先事項は学業でもまして色恋でもない。

お嬢様の消極的な性格を少しでも積極的にすることだ。

家にいるときは、2人とも弁慶のようになる。

いわゆる―――――内弁慶……というやつで…。

春に1回何かのパーティーに行った時も酷かった………。

俺とホント限られた人としか喋らなかったのだ。

挙句の果てに、『眠たいから帰る。』と俺と魔池流を含んだ4人は帰ったのだ。




「困ったな…。」

考えている事が少し、口から出てしまった。

「ええ、頑張りなさいよ、挨拶!」

葵がポンポンと背中を叩いてくる。

「忘れてた!!!!!!!!!!」




ざわざわと体育館には新3年生、新2年生、

入学式を先日終えた新1年生がずらりと並んでいる。

そろそろだろうか、転入生の紹介は。

「何か私まで緊張して来ました。」

胃の辺りを、手でさすり佳織に話しかける。

「私たちの専属係だからな、問題ない!」

本当なら、ざわざわとうるさいはずの体育館は静かだった。

嵐の前の静けさだろうか。

各々が、プリンセスの言動に耳を傾けている。

呪文が聞こえてくるのは気のせいだろう。

「大島伸弘……ぜろ。」

「プリンセス……プリンセス。」

もう、何か犯罪者みたいな奴もいる。




「お久しぶり!」

そこに現れたのは、漆黒の黒髪、はっきりした目…そう高等部生徒会長。

容姿はプリンセス…もとい佳織と麻美と比べても遜色の無い美人。

そして、性格は完璧超人と謳われている。

「「「「うぉ~~~!!」」」」

やはり、ファンというものが存在しています。

「静かにしなさい、今日は転校生を紹介するわね、クラスは3-3!」

不意に、静まる体育館…妙な雰囲気だ。

「趣味は、散歩!」

焦らす…。

「更に、趣があることを探したり…」

まだ…焦らす!

「橋田 佳織さんと長瀬 麻美さんの…専属係キャンメン、大島 伸弘君よ。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ