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謎の美人登場

「転入生には高等科の生徒全員に体育館で、挨拶してもらうことになっているんだ。」

歳は20前半で、伸弘とほとんど変わらない身長。

髪の毛は短く切られていて、

顔には黒ぶちのメガネをかけている男性は、笑いながらそう言った。

ちなみにお嬢様方は、クラス分けの張り出しを見に体育館へ行っている。

長橋学園には体育館や運動場などが、4つある。

幼等部、小等部……に各一つ。

場所は少し離れているので、中等部も高等部も違う学校のようだ。

「な…なんだって~!」

そんな説明はさておき、

職員室の中にある、各務室と呼ばれる場所で、

挨拶を任された伸弘の叫びはこだました。

「頑張ってね!」

そういうと、若い先生はアドバイスも無しに、どこかに行ってしまった。

挨拶って…どうしたらいいんだよ!と、思うがどうにもならない。

その先生の指示は部屋で待っておくようにだったが、全く落ち着かない。

再び緊張が体のあちらこちらを襲う。

「入るわよ?」

すると、扉の前で声が聞こえてきた。

先程の爽やかな男性の声とは違い、高くて綺麗な女の人の声だった。

「……どうぞ。」

どう対応して良いか分からずに、取り合えず適当にOKサインを出す。

「失礼します!」

入ってきた女の子は、とても綺麗で……。




伸弘と別れて麻美と佳織は、体育館へ向かう。

この2人と伸弘はクラスを離れるという事はまず有り得ない。

…権力とは素晴らしく、そして恐ろしいものだ。

「伸は大丈夫なのか…心配だなぁ。」

佳織と麻美は特に行く必要も無い、体育館へ足を運ぶ。

「…本番に強い方ですから。」

2人のプリンセスは、オーラのようなものを出しながら体育館へ入った。

二人が入ると、キャーキャーと反響していた声が更にパワーアップした。

「しかし、高等部の全校生徒に挨拶とは…私だったらごめんだけどな。」

「私も嫌ですね。」

そんなことを言いつつ、クラスを確認しようと張り紙を見に行く。

すると、それまで張り紙の前でたまっていた、少年少女はすっと道をあけた。

「3-3だな。」

「ええ。」

二言だけ交わす、それは至極当たり前で何のドキドキも無いのだ。

「2人は誰か一緒になりたい子とか居るんですか?」

唐突に質問される、声の場所はだいたいしか分からない。

「「大島 伸弘」」

それだけ、答えるとすっと二人は隅の方に移動する。

―――――――爆弾を残して




「転入生の子ね?」

高くて綺麗な声の持ち主は、そう伸弘に尋ねた。

見た目は、黒い髪のロングヘアー。

黒というか…漆黒と言った方がいいのだろうか。

目はスッと切れていて、それでいてはっきりしている。

身長は麻美とほとんど同じくらいだが、なぜだか麻美よりも高く見える。

「そうですが…。」

目での分析を終えて、質問に応答する。

「体育館へ行くから着いて来てね?……大島 伸弘君。」

クスッと笑いながら、手を引っ張る。

「何で俺の名前を?」

「…高等部生徒会長だからかな?」

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