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くさい台詞!

「そうか…。」

ふむ、と下向く祖父さん。

「では、ジジイの戯言たわごとを聞いて欲しい。」

苦笑いをしつつ、伸弘に言う。




「孫は残念ながら、あまり人を信用しなくてな…」

ため息をつく。

―――――ガタンッ

またしても箱が揺れた、そこで伸弘は確信を持った。

祖父さんは、指を立てて口につけて作り話を続ける。

何と言うか様になる。

「よくある話かもしれないが、過去に誘拐されたこともある。」

全然…よくある話じゃないです。

しかし、黙って祖父さんの話を聞く。

「魔池流の前の執事は、その場面に立ち会って逃げよったわ。」

少し悲しそうな目をする。

「じゃが、別に悪い判断というわけじゃない、人間は何よりわが身が一番大事じゃからな。」

確かにそうだ。

自分が危険な場合になるのは誰もが嫌で、誰もが避けたい。

ただ、伸弘の場合は別だ。

自分の前で人が傷付くのなら、自分は傷付いた方がましだ

という純粋で、それでいておかしい動機。

それは周りからすれば異常だろう。

命を懸けて、未だ命を落として居ないのは体質のお陰でもある。




「…お主みたいな人種は珍しい。」

きっと、この人は俺自身の人助けの理由が分かってるのだろう。

伸弘は、そう思った。

「だからこそ…孫娘が伸弘をそこまで気に入ったんじゃな。」

―――――ガタンッ

最早、伸弘と潤一郎は気にして居ない。

「ただのう、お主…いつ命を落としても文句は言えんぞ。」

…分かってる。

それは、本人が一番分かっている。

ただ最強的に【運がいいだけ】。

「目を見ると、分かってるようじゃな。なら…良いわ。」

うむ、うむと頷く。

やっぱりこの人は―――知っている。

「頼みごとをしていいか?断わる事も無論構わん、命の危機もあるかもしれん。」

コクリとだけ頷く。

「孫を守ってやって欲しい。お主に警告した身で恥ずかしいが…頼む。」

頭を下げる。

いわゆる土下座という奴だ。

「辞めて下さい!」

そう言うと、潤一郎は頭を上げる。

「…俺は、2人の専属係キャンメンですから。」

そう言うと立ち上がり、箱に向かう。

パカっと開けて、2人を見る。

「さぁ、帰ろうぜ…!」

ぽりぽりと頬を掻きながら、2人の手を取る。

「お前は、本当に馬鹿だ…でも、ありがとうッ!!」

と言って、笑いながら佳織は抱きつき、

「ええ、全く。飛とんだお人好しです!!」

と、にやつきながら麻美も抱きつく。

「全部任せろ…とは言えない、でも、俺が出来る範囲で全力で守るから。」

くさい台詞で締めました。




お祖父さんは、一礼して部屋を出た。

『…頼む、伸弘。』

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