ファチッ!!
佳織と麻美と暮らして伸弘も1週間たつ。
お祖父さんが言うには、いくら可愛い孫が言おうと、
ワシが伸弘を、駄目だと判断すれば…今からでもこの話は無し。
そのためにまだ学園の編入手続きをしていなかったらしい。
お祖父さんは一度言い出すと聞かないので、
麻美と佳織の必死のお願いも虚しく、伸弘を信じるしかなくなった。
今、現在大きな箱に入ってスネーク中。
☆
「して、伸弘よ…正直に話せ。」
橋田家当主が口を開く。
異様な雰囲気の中、伸弘は箱が気になっていた。
「はい。」
「フェチとかあるのか?」
……このお祖父様は何を言っているのだろう。
潤一郎的には、この話は外せない。
伸弘のフェチによる、孫娘の反応が気になるのし、
なによりこんな緊張したままじゃ、話にならない。
案の定、箱が揺れる。…初心すぎる。
「フェチですか?」
「そうじゃ。]
OH!真剣な目つき!
…冗談では無いらしい。
「声とか足とか…ですが…。」
伸弘は、しどろもどろに答える。
―――ガタンッ!!!!
何故か箱が揺れた。
「…箱が…揺れた…?」
「ちなみに、わしは乳じゃな、乳!!!」
拳を握って、力説をする変態爺さん。
あんた何歳なんですか…さっきまでの雰囲気はどこかに取っ払われた。
「乳は本質じゃない!大事なのは……って!!箱!箱!」
箱を指差して、わたわたする。
「はて?箱じゃなくて【乳】なんじゃが…。」
おいッ、このおっさんどうにかしてくれよ!
ところどころおかしいよ!!
☆
「せまっ…麻美!!足、足踏んでるって!」
佳織と麻美は箱の中。
声は潜めている。
先程まで、祖父さんとお話をしていたのがだ、交渉決裂。
それに伸弘の到着が思った以上に早かったので、
たまたま部屋にあった箱に入っております。
…何故、こんな部屋に箱が?
真相は闇の中です。
「ごめんなさい……もう、入って来ますよ…。」
更に声を潜める。
『大島伸弘…参りました。』
そして、美少女のくんずほぐれつは置いておいて…。
『フェチとかあるのか?』
…………。
「「ファチだって?!」」
声を潜めているが、2人は最大限に声を出す。
ファチって、フェチですよ。
『声とか足とか…ですが…。』
「男って…男って…」
――ガタンッ
佳織がぶつぶつと言う。
「ふっ――男は、そんなものですよ。」
麻美はさも男を知ってるように言う。
知らないんですが!
☆
結局、伸弘はごまかされて先に進む。
「して、本題なのだが、今の生活はどうじゃ?」
なるほどッ!
今までの話は緊張を緩和するためのものだった…ということにしておきます。
「まだ、一週間ですが。だいぶ慣れてきました。」