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素晴らしき学園生活へ!

魔池流は再び車へ帰っていった。




何とまぁ…自己嫌悪で自分を吐き捨てたくなる。

今まで散々恩返しは、要らない要らないと繰り返していたのに、

自分の手に入れたかったものを差し出されると、思わず飛びつきそうになる。

本当に浅はかで、最悪だ。

「………いや、気持ちは嬉しいんだが…」

つくづく自分勝手だな、と思う。

決めきれない、迷ってる。




――――本当は、行って見たい。

全く違う環境で、新しいことに出会いたかった。




「そんなに私たちと学園生活を過ごすのは…嫌ですか?」

麻美は、きゅっと手を胸の辺りで握りこぶしにする。

何故だかは、麻美も分からない。

どうしても、どうしても…他の人とは違う感じがする。

漠然とした感情だが、それしかない。

この人と学園生活を送ってみたい。

初めて会ったとは思えない。

もっと、この人を知りたいと思った。





「嫌とかじゃないよ、むしろ嬉しいんだ。

…ただ、なんと言うか自分自身が嫌で仕方ない…みたいな?」

少し笑ってごまかす。

訳分からないことを言ってるのは、よく分かっている。

それを聞いた佳織は、

「ふむふむ…。なら、一つ条件を付けさせてくれ。これなら、等価交換だろう?」

ドキンと心臓が高鳴る。

等価交換…なるほど。

俺は、少しだけ、少しだけ…卑怯な自分でもいいと思った。

「条件って?」




「私たちと…一緒に…一緒に…」

佳織は言葉に詰まる、一言が口から中々出てこない。

でも、これはきっと麻美も同じ。

「一緒に暮らしましょう!!」

麻美は、佳織の言葉を引き継いだ。

力強く、凛とした声だった。

ここで独断で決めるのは……

でも、このチャンスを逃せば、俺は一生後悔するだろうと思った。

何かを変える…いい機会だ。




「では、お嬢様方に精一杯のご奉仕を!」

格好をつけてみた。

そうでもしなきゃ、嬉しさが溢れ出てしまう。

…誰にも流される事無く、俺は決断をしたのだ。




――――何かが起こる、そんな予感がする。

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