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星霊とまったり旅するアストレリア  作者: はちみつレモン


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48/63

47 結構高く売れた


カフレアの冒険者ギルドは、港町エノラより少し静かで、整理された建物が印象的だった。


「素材、どれぐらい売れるかな?」


そう言うと、フローラが私の肩に降りて、小さく羽を震わせる。


「りぃ?」

「お金ないからね。せめて1000Gは取り戻したい」


フローラは真剣な顔で頷いた。

ほんとにわかってる?


ギルドの中は昼時のせいか少しだけ混んでいる。

私はいつも通り落ち着いて歩いて、素材査定のカウンターへ向かった。


***


カウンターで静かに声をかける。


「素材の査定、お願いします」


受付のNPCは丁寧に頷いたが、私の背後に立つ二人に気づいた瞬間――

一瞬だけ目が開いた。


けれどNPCなだけあって、驚いても仕事を投げ出したりはしない。


「確認いたします。素材をお預かりします」


私はインベントリから素材を並べていく。


・草影のケルプホーンの角 ×1

・草影の柔毛 ×3

・ブルースライムキングの核 ×1

・ブルースライム粘体 ×5

・薬草 ×8

・ついでに草原で拾っていた素材いくつか


「以上です」


受付NPCは淡々と頷き――次の瞬間、

素材を抱えて奥へ向かって走り出した。


「走らなくても良いのに……」


暇そうに小川を見つめていた時より、さらに気の抜けた声が出た。


フローラは肩の上で足をぷらぷらさせながら、


「りぃ〜……」


と、ひたすら暇そう。


キースは無表情。

ジークは小さく笑っている。


***


しばらくして――

受付NPCが息を切らしながら戻ってきた。


「お待たせいたしました……!こちらが査定結果になります……!」


差し出されたウィンドウを見ると、数字がずらっと並ぶ。


──────────

《素材総査定額》

ケルプホーンの角 → 高級素材扱いで高額

ブルースライムキングの核 → 希少素材のため特別価格

粘体と薬草 → すべて品質良好


合計:2,480G

──────────


「……え、こんなに?」


正直ちょっとだけ驚いた。


フローラは満足そうに胸を張る。


「りっ!」


え、あなた何もしてないでしょ……。


ジークが柔らかく言う。


「キング系モンスターの核は高額なんです。いい収入ですよ」


キースも静かに頷いた。


「妥当な額だ」


私はウィンドウを閉じて、小さく息をついた。


「これで……しばらく生活できるね」


「りぃ♪」


フローラの声が嬉しそうで、ちょっとだけ笑った。


 


***


ギルドを出た瞬間だった。


「出てきたっすねぇぇ!!」


勢いよく誰かが飛び出してきて、フローラがびくっとする。


「あ、カゲマルじゃん」


黒装束のシーフ、カゲマルが柱の影からすべり出てきて、胸を張って言う。


「自分、冒険者ギルド入る直前からずっとついて来てたっす!」

「そうなんだ。全然気づかなかった」

「兄さん、動きは見えてましたよね」


ジークが苦笑する。


キースは軽く目を細めて言う。


「悪くはないが……影の使い方が甘い。木陰と建物の死角の境界で気配が露出していた」

「本気で隠れてたのに……!」


カゲマルは普通にショックを受けていた。


私は落ち着いた声で聞く。


「で、何か用?」


カゲマルはぱっと顔を輝かせ、親指を立てた。


「自分、次の街まで同行しつつ撮影したいっす!」

「あぁ……うん。そう来るよね」


キースとジークに視線を向けると――


「好きにしろ」

「僕も構いません」


どうやら許可されたようだ。


カゲマルは勢いよく頭を下げる。


「ありがとうございます!!全力で撮影するっす!!」


私は素材売却のウィンドウを閉じながら、


「……ほどほどにねー」


と小さく呟いた。


フローラが嬉しそうに羽を揺らし、


「りぃっ♪」


カフレアの風が心地よく吹いていく。


次は……何をしようかな。

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