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星霊とまったり旅するアストレリア  作者: はちみつレモン


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44/63

43 カフレアでもこれなの?


石畳の道を抜け、私たちはカフレアの巨大な城門へと歩いていった。


カフレアは商業の街らしく、エノラとは違う、どこかピリッとした緊張感がある。

その門の前に立つ二人の門番は、なぜか妙にそわそわしていた。


フローラが肩の上で首を傾げる。


「りぃ?」

「……気にしないでいいよ。たぶん、いつものやつ」


私が小声で言うと、フローラは納得したように羽を揺らした。


キースとジークは普段通り、無表情で門へ向かう。


その瞬間――門番たちの目が、ばちばちに見開かれた。


***


「し、失礼いたします!!」


門番1が急に直立し、ジークへ向けて声を張り上げた。


「こ、これは……ジーク様ではありませんか!!」


呼ばれ慣れているジークは、苦笑しつつ軽く敬礼を返す。


「こんにちは。通らせてもらいます」

「はっ!もちろんです!! 本物……本物だ……!」


門番2の目までキラキラし始める。


「ネリスの村での御稽古……我々の間でも噂になっておりまして……!」


ああ、やっぱり噂もう回ってたんだ。

動画のことはNPCには分からないはずだから、たぶん村のNPCから伝わってる口伝だ。


私は「あーはいはい」みたいな気持ちで聞き流す。


すると今度は、門番たちの視線がキースに向いた。


一瞬で空気が変わる。


門番2の背筋が音を立てて伸びた。


「……殿下……!」


門番1まで慌てて姿勢を正した。


「街の治安は我々が守ります!

殿下がご入城されるのであれば、護衛を――!」


キースは淡々と首を振る。


「街中で戦闘は起きない。不要だ」


即答。


なのに門番たちは、逆に尊敬の目を向けてきた。


「なんと……殿下は、どこまでも堂々と……!」

「護衛すら必要としない実力……さすがです……!」


フローラが私の耳元で小さく声を漏らす。


「りぃ……」

「うん、いつもの、だね」


私は慣れた調子で答える。


もう驚かない。驚いてたらキリがない。


***


そして次は――私たちの番らしい。


門番1が私を見て、一歩前へ。


「アストラリスト殿。そして……星霊様。殿下と騎士殿と共に旅をされているとは……」


フローラは得意げに胸を張った。


「りぃ!!」

「ども……」


別に私自身がすごいわけじゃないんだけどなぁ。


門番2が深く頭を下げる。


「皆さまのご武運を。カフレアはあなた方を歓迎いたします!」


三人で門をくぐると、背後から小声が聞こえた。


「本物の殿下と騎士殿が……! ついにカフレアに……!」

「明日から自慢し放題だな……!」


私は小さくため息を吐いた。


「ねぇキース……ああいうの、まだ続くのかな?」

「放っておけ」


ジークも苦笑しながら頷く。


「慣れましょう。僕ももう慣れましたから」


フローラは元気よく羽を震わせた。


「りぃっ!」


……まあ、平和ならいいか。


こうして、私たちはカフレアの街へ足を踏み入れた。

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