3 アストラリストってなに
点滅している《アストラリスト》をじっと見つめる。
今まで色んなゲームしてきたけど、アストラリストなんて聞いたことがない。
このゲーム独自の職業かな?
気になるし、押してみよ。
軽い気持ちでタップした瞬間、白い空間がふっと揺れた気がした。
なんだろう?……気のせいかな。
一瞬だけ画面が暗転して、すぐにシステムウィンドウが強制的に開いた。
『海斗様からメッセージが届いております。再生しますか?』
「……ぇ?」
なんで今?それにフレンドからじゃなくてシステムからメッセージ来たんだけど???
訳がわからないまま再生ボタンを押す。
『真里が興味を持ちそうな職業があったから、選べる様にしておいた。……選ぶかどうかは、任せる』
?????
今の私は恐らく宇宙猫みたいな顔をしているだろう。
どうしてアストラリストを押したらシステムから海斗のメッセージが今届いたのか。
アストラリストを選べる様にしたってどういうこと?
考えに考えた結果。
あーーーもう、どおぉーーでもいいわ。
システムを見ると再びウィンドウが開いた。
『海斗様からのご要望と、ユーザー"マリ"の適正値により特別職、《アストラリスト》が開放されました』
とりあえずありがとうと手を合わせてからアストラリストを押した。
『アストラリストは星霊と契約し、その力を引き出す特殊職です。星霊は成長し、進化し、あなたと共に冒険します。』
「星霊……?どんなんだろう、可愛いのがいいな。それに進化するのかーポケ○ンみたい」
興味がだんだんと湧き上がってくる。
星霊ってどんなんだろう?人型かな?動物型かな?それとも光る丸い球かな?
説明が消えた後、空中に光が集まり出した。
指先ほどの光の粒がいくつも集まって、だんだん形を作っていく。
その中心に、ひときわ強い光がきらっと瞬いた。
銀色の細い指輪だった。
宝石はついていないけど、
なぜかすごく綺麗で、繊細で、なんだかちょっとだけドキッっとする。
も、貰っていいのかな?
さ、触るよ?触るからね?触りまーーす。
手を伸ばすと、指輪はするりと私の指に収まった。
ひんやりしてるのに、脈打つみたいに一瞬だけ光った。
動いた?…………指輪が動く訳ないか。
指輪を見ていたら私の前に新しいウィンドウが出る。
『これより、契約可能な星霊を一体召喚します。準備がよろしければ“はい”を選択してください。』
召喚??アストラリストはテイマーみたいに初回は1匹確定で契約出来る感じなのかな?
とりあえず【はい】を押す。
足元がふっと光る。
指輪が強く光り始め、
視界がゆっくり真っ白に染まっていく。
『星霊召喚を開始します——』
浮いているような、落ちているような、不思議な感覚。
星霊ってどんな子かな?どんな子でも仲良くしようね。
私の意識は柔らかな光の中に沈んでいった。




