28 魚バイキングだー!
3人で釣りをして、インベントリは川魚でいっぱい。
これはもう――料理するしかない。
「さて……今日は魚祭りです!」
宣言した瞬間、フローラがぴょんっと跳ねる。
「りぃ!!」
わーー、ノリがいいね。
「キース達も手伝って」
「俺達は料理スキルがない。やると品質が下がる」
「え?そうなの?」
「はい。味も効果も落ちてしまいます」
そっか、じゃあ1人で頑張るかーー。
私はまずインベントリから魚を数匹取り出す。
きらっと光る銀色の鱗が綺麗で、ちょっと嬉しくなる。
「よし、まずは下処理から……」
包丁を握ると、フローラがすぐ横に来て覗き込む。
「り……?」
「見てるだけね。飛び込んだら危ないんだから」
「りっ!」
絶対分かってない。
***
三枚おろしを終えて、私は今日のメニューを言う。
・白身魚の香草焼き
・魚フライ
・ハーブとレモンの蒸し焼き
・魚スープ
「.……あれ?もしかしなくても多い?」
「問題ない。余った分は売ればいい」
なるほど、その手があったか。
フローラはというと、すでに魚フライの材料の前でそわそわしている。
「りぃ……!」
ちょっと……よだれ出てない?
***
まずは香草焼き。
ハーブをまぶして、じゅわっと焼くと、良い匂いが広がった。
「りぃ〜〜……」
フローラが香りだけで溶け始めている。
魚スープを作り、蒸し焼きの準備をし――
残るは、フローラが本命として待ち続けている魚フライ。
「よーし、じゃあ揚げます!」
油を温めると、フローラの羽根がばふっと大きく開く。
「りぃ!?りぃ!!」
いや、落ち着いて?
熱いし危ないから近づかないで。
衣をつけて、油へ投入すると――
じゅわあああっ!!
黄金色の泡が上がり、食欲の塊みたいな香りが広がる。
「りぃぃぃぃぃ!!!!」
もうテンションが限界突破してる。
「フローラ、今近づいたら本当に危ないってば!」
「りっ……!」
しょんぼりしてるけどこれはマジで火傷とか危ないからちゃんと注意する。
***
魚料理がすべて完成した頃、テーブルは豪華な“魚バイキング”みたいになっていた。
「はい、じゃあまずは……魚フライね」
お皿を差し出すと、フローラは目をきらっきらに輝かせて近づく。
ちょん、と一口かじった瞬間――
「りぃああああぁぁぁ……!!」
羽がぱぁっと開き、体をくねらせて幸福爆発。
「……分かりやすいね?」
「ふふ、そうですね」
キースは淡々と分析する。
「魚は魔力との相性も良い。太る可能性は……」
「え?太る?」
フローラの手が次の揚げ物に伸びたところでピタッと止まった。
「揚げ物って確かに太るけど、今ここでその話する?」
「事実を述べただけだ」
「そもそもゲームだから太らないんじゃないの?」
「俺達はな」
少しの沈黙の後、私は黙ってフローラを見る。
フローラはいつの間にか持っていた揚げ物を皿にそっと戻していた。
「何事も程々にね???」
「り、りぃ……」
ジークが苦笑しながら続ける。
「食べてはダメではなく、食べる量を気を付ければいいだけですよ」
「……りぃっ!!」
再び揚げ物を手に取り食べ始めたフローラ。
今度、フローラ専用ヘルシーメニューでも作ろうかな?




