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星霊とまったり旅するアストレリア  作者: はちみつレモン


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1 誕生日プレゼント?3ヶ月早いわ


都内駅前の喫茶店で私は幼馴染の兄弟2人とお茶をしていた。涼しい店内は外とは違って静かで、時間がゆっくり溶けていく。


「あぁーー……」


進めていた課題を辞め机に突っ伏し声を出す。


朝から気持ちが落ち着かずソワソワして課題に集中できない。


「大丈夫ですか真里さん?」


課題の手を止めて私の顔を覗いてきたのは幼馴染の響だ。


「響ー分からないかもしれないけど、君たち兄弟は美形でイケメンだからそうやって女の子の顔を覗くと普通ならびっくりするからやめなさいよー」

「いきなりなんですか」

「あどばいすー」

「真里、夏休みが始まるまでに課題を終わらせたいのだろう?休憩するのは構わないがそんなペースでは日が暮れてしまう」

「はいはい」


もう1人の幼馴染の海斗は響の兄で2人とも学年主席、美形だから学年関係なく女子からモテる。

海斗はカッコよくて人気が高い上に冷静で観察力が鋭くて相手の心を余裕で見抜くので一度冗談で海斗のお悩み相談を開いたらあまりにも好評になった。


噂では校長先生からもお悩み相談されたらしいが本人に聞いてもはぐらかされるので真実かどうかは分からない。


一方響はかっこよくて紳士的で優しいから親しみやすくよく呼び出し(告白)されるのを見かける。


女子からも男子からも人気が高くよく遊びに誘われていたが私や海斗と約束があるのでと断っていたので私が一度「同い年の子と遊ぶのも大事だよ」と言うとしょんぼりした顔で「2人と一緒がいいです……」って初めてわがままを言われた時はあまりの衝撃に固まってしまい何も言えなくなったことがある。


そんな人気な2人は今も他の女性客にジロジロ見られているが、海斗は視線を完全スルー。

一方の響は、軽く会釈しちゃうからまた視線が集まる。紳士が過ぎるわよ。


そんな中平凡な私はクラスの女子に妬まれるのかと思いきや唯一海斗と普通に話せる女子として尊敬されていたりする。


あっ何この問題よく分からない。


「海斗ここ分からない」


問題を指さして言うとさりげなくヒントを書いてくれた。

こういう優しさもモテるポイントなんだろうなー。


ぼーっと海斗を見ると不意に目が合う。

どっちが先に目を逸らすかな?海斗を見ているとふっと笑みをつくられて思わずジト目になってしまう。こいつ女子の射止め方熟知してるだろ。


「課題は飽きたか?」

「まぁねー」


ジュースを飲んで一息ついていると突然携帯が振動した。マナーモードとはいえビビるなぁ……メールを見ると落選メールだった。

知ってた。なんとなくそうだろうと思ってたよ。


「ああぁーーーー」

「落選か?」

「……うん」

「ふぅん?」


私が応募した抽選は今世界から注目を浴びているレイヴン社の新作VRMMORPGゲーム《Astrellia Online》通称アストレ。


作り込まれた世界観に広大な地図、現実と変わらないグラフィックが流れたPVに私は即座に応募した。落選したけど……。


でも当選しないよね、だって当選倍率400倍だもん当然なんて夢のまた夢だよ。


「やりたいよー」

「「……」」


大きな独り言を溢すと向かいに座っていた響が椅子を引いて、いつの間にか隣に座っていた。


「なに?」

「僕達からの誕生日プレゼントです」

「まだ3ヶ月早いけど?」

「どうぞ」

「聞いてた?」


押し付ける様に響が渡してくるので受け取る。

黒い袋に入った長方形の硬い何か。

本かな?厚みはそれほどないけど。


袋を丁寧に破って中身を取り出すと《Astrellia Online》と書かれた星のマークが入ったパッケージが出てきて思わず目を丸めて絶句する。


「どうやって?」

「親のツテ」


海斗達の家の家庭って謎なことが多い。

他所の家庭なんて詮索するものじゃないから聞かないけど。


「ありがとう」

「「どういたしまして」」


調子を取り戻した私はアストレのパッケージを大事に鞄にしまうと課題を進める。


やる気出てきた。

急いで夏休みの課題を終わらせて夏休み期間ACOをやり尽くすぞー!!


急にやる気を出した私を見て2人は顔を見合わせて笑っていたのを私は気付かなかった。

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