13 称号?興味ないわ
昨日、草原をのんびり散歩した翌日。
「おはよう、フローラ」
「りぃ!」
飛び回って元気いっぱい。今日も平和に行きたいなぁと思った、その時。
エノラの空に、透き通ったアナウンスが響き渡った。
『アストレリア・オンラインをご利用いただき、ありがとうございます。サービス開始から1日が経過しました』
おお、こういうのあるんだ。
『本日は、特に活躍・注目されたプレイヤーの皆様へ、
称号およびボーナスを授与いたします』
ざわっ、と街中が揺れた。
「称号?」
「りぃ?」
私がぽかんとしていると、近くのプレイヤー達がワタワタと騒ぎ始める。
「誰が貰うんだ!?」
「初日で称号とかあるの?」
「最初にそれ言えよ運営!」
私は何もしてないし関係ないな。
昨日ほぼ散歩しかしてないし、称号とか正直どうでもいい。
そして名前と称号が次々に言われていく中ーー。
『プレイヤー、キース。称号《王族の風格》を授与します』
は?
街中に一瞬の静寂が落ち、すぐに大爆発した。
「キース様は殿下だった!?!?」
「王族の風格ってなに!?」
「似合いすぎてて草!!」
周りめっちゃ盛り上がってる。
いつのまにか私の後ろに立っていたキースは眉ひとつ動かさず、ワールドアナウンスを聞いていた。
「……おはよう。マリ」
「王族の風格ですって……殿下」
「俺はなにもしてない」
雰囲気が“それ”だったから運営が悪ノリした系だよこれ。
そこへ追撃。
『プレイヤー、ジーク。称号《白銀の騎士》を授与します』
「やっぱりなぁぁぁぁぁ!!!」
「見た目騎士だもん絶対そうなると思った!!」
「白銀の騎士って完全に肩書き固定されたじゃん!!」
キースの隣にいたジークは苦笑い。
「称号を貰うほどのことはしていないのですが」
してるしてる。
続けてシステムが告げる。
『称号授与者には、ステータスポイント+3、所持金+500Gが贈られます』
2人がステータスを開くと称号がついていた。
「ふっ……殿下と騎士様」
2人が見てくるが知らない知らないー。
周囲ではプレイヤー達がざわつき続けている。
「あの二人……本物の貴族パーティーじゃん」
「一緒にいる女の子誰!?」
「殿下と騎士を連れてるってやばくない?」
……はい、巻き添え発生。
フローラは私の肩付近で「りぃ〜……」と気まずそうに羽を縮めた。
「大丈夫よ、いつものことだから」
「り?」
いや、いつものことになってほしくないんだけどね。慣れちゃったものは仕方ないよ。
「マリは称号欲しくないのか?」
「興味ない」
「……お前らしい」
キースが少しだけ笑って、ジークも穏やかに頷いた。
「マリさんらしくて良いと思いますよ」
フローラがその言葉に合わせて、空中でくるっと1回転する。
「りぃ!」
うん。
今日ものんびり行こう。
兄弟が勝手に称号つけられて大騒ぎになっても、私は私のペースで遊ぶだけだ。




