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選択1-3

そそれから2日ほど放浪して、スクリズ・セリヌ・俺の3人は、とある村へと来ていた。そこで、孤児院にテットを預けて、買い出しへと来ていた。


「えーっと、りんご一個と...緑果りょくか?って言ってたかな...てか俺に金渡しすぎだろ...こんなにどこで使えって...」


そんな事を思いながら商店へ到着すると、ふと目に入った1玉のメロンを見つける。何となく、他の商品に比べて、なんか文字多いし...


「...緑果って...あれ?...」


商店から宿へと戻る最中


「こんなに高いのか...ちょうどピッタリだったぞ...?」


やっぱりメロンって、高いんだな...ここまで高いとは思わなかったけど...


そんなことを思いながら、宿泊していた宿へと向かい歩いていた


「いてっ」


一菜は誰かとぶつかる


「す、すみません。」


とぶつかった相手に一菜は謝罪をした


「いや、全然。僕の方こそごめんなさい。...今はどちらに行かれてるんですか?」


そう一菜は聞かれて、宿の方向を指さす


「あっち側の宿です。」


そう言うと、ぶつかった相手は驚いたような顔をして呟く


「あっち方面って、高い宿ばっかだぞ...」


その後、一菜にぶつかった身長がセリヌよりも低い白髪の少年?が気を取り直して言う


「そ、そうなんですね〜...それはそれは、本当にごめんなさい...というか、これって緑果?!こんな高級果実...ごめんなさい。私のせいで危うく落とす所でしたね...」


少年だからか、声変わりの影響の感じられない女子のような声でそう言った。そこで、この世界でひとつ疑問に思っていたことを聞いてみる


「なんで、りんごはりんごなのに、メロンは緑果なんですか?」


そう言うと、不思議そうな顔をして言う


「?あー、えっと、めろん?はちょっとよく分からないですけど、緑果はある国の王様が好きらしいですよ?」


ま、流石に分かるわけないか。この世界ではメロンは緑果なんだな。


「あー、いや、なんでもないです。最近あんまり寝れていなくて...少しぼんやりしていたというか...貴方の名前は?」


そう言われると、胸に左手を当ててお辞儀をする


「えっと、申し遅れました。私は、世界最強のゼオディス・オルアク。別名「不滅のオルアク」様の専用回復術師のヴァル・ヒルアと申します。」


「その、オルアクさんって誰なんですか?それで、ヒルアさんは世界最強のオルアクさんって人の専用回復術師?って事ですか?」


そう聞いてみると、宿の方向へと手で促しながらヒルアは言う


「立ち話もなんですし、貴方の泊まっている宿まで歩きながら話しましよっか。」


そう言われ、2人で歩く。ヒルアがオルアクについて語り始める


「世界最強、オルアク様。彼は勇敢で、心優しく、強く、皆に信頼されており、複数の女性を娶って、その方々を心底愛す。そんな素敵な方です。実力の方は、不滅と言われるように不老で不死。確認されているだけでも、天性を60ほど所持し、権能は数百以上。能力や脳才はそれ以上...そんな、まさしくこの世界で最強のお方です。」


「す、凄いですね...それは...あれ、今その方は?」


そう聞くと、少し溜息をついてヒルアは言った


「それが、今その方は別の国へと出張中でして。彼の家からここまで馬車で1ヶ月。オルアク様は走ってここから別の国へと向かい、私は馬車で帰るので、ついでに買い出しや帰るまでの食料購入を。」


「そうなんですね。てことは、そこに仕えているあなたも凄いんじゃ...」


一菜がそんな事を言うと、照れを隠すように少し笑い


「いえ、そんな事。ちょっとしかありませんよ?」


と微笑んだ。


「っっ...」


おい、収まれ、俺の胸の鼓動。確かに可愛いし、少しかっこいいところもいいけど...平常心。平常心。


その姿に、一菜は少し、胸の鼓動が高まったが、平静を装い、続ける


「あーっと...宿、こっちなんで。それじゃ...」


そう言って左側に見える細い路地裏へと進もうとすると、ヒルアが隣を歩いて着いてくる


「ヒ、ヒルアさん...えっと...なんで着いてきて...?」


そう聞くと、不思議そうな顔をして答える


「え、だって、こっち側に、私の借りている馬車を管理してくださっている方がいるので...」


「そ、そう...」


それから、しばらく沈黙が続き、大きな整備されている街道が見えてきた


「あなたのいる宿って、恐らくここから右の宿ですよね?」


一菜はすこし首を傾げて言う


「え?は、はい。でも、それがなんですか?」


「えっと、私も今日はそこの宿で泊まろうと思っていたので...もしそうだったら少し嬉しいな...みたいな?...あ、そうだ!」


何かを思いついたかのような、そんな声でヒルアは言った


「今夜、私の部屋に泊まりませんか?」


「...は?」


一菜は硬直した。


「え、えっと...」


そう呟き、心の中で1人で考える


いや、別にいいよ?けど、なんか俺に対する警戒心とかないわけ?俺が隙見て殺したりするとか考えたりしないのか...?...いや、


俺が弱いから...か。


「ええ、是非とも。俺の宿代も浮くし、助かるかもです。」


と言うと、ヒルアは笑顔になって言う


「よぉーし!それなら決まりですね!部屋が決まり次第お伝えするので、待ってますよ!」

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