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目が覚めると異世界でした。  作者: むしのこ
オナワツナガリ
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選択1-2

一菜は、馬車の用意を計画していたが、文字が読めず馬車を捕まえるのに手間取っていた


「俺が迎えに行った方がスムーズだったかな...」


そんなことを思い、今からでも交代しようとスクリズに言いに行こうとした瞬間、視界の端にフロウがいつもの広場でうずくまりながら泣いている光景を目にする。


「フロ...いや...」


ここからこの街で2番目に大きい屋敷は体感で、現在地から約2kmは離れてる...フロウには後で色々と話を聞かないといけないと思っているが...時間があまり残されていない状況だし、親御さんもいるだろうから、セリヌの元へと向かっているスクリズの元へと行こう。


そのまま、一菜は走っていく


「はぁ、はぁ、、、」


俺の体力の問題か...数百メートル走っただけでこんなに息切れするのかよ...


そう思い、ゆっくと歩きながら目的地へ進んでいると、コツコツという足音を立てて、正面から人が歩いてくる


「この先で、現在戦闘が行われているので...行かないのが賢明ですよ。街ゆく人よ。」


と、低い声の、いかにも怪しげな黒いフードで身を隠した男が忠告を一菜にした。


「?...は、はい...」


一菜はそう言った後、軽くお辞儀をして先に進もうとした。しかし、黒ローブ男の隣を通り過ぎようとした時、手を前に出されて妨げられる


「この先は、危ないぞ...ふっ、ふふふふ。あははははははははははははは。」


と、顔に手を置きながら十数秒笑った後に数秒ほど静かになる


「いや、失礼。私としたことが、なぜだか笑ってしまったよ。いや、全然全然。君は何も悪くないさ。僕が全て悪い。不安にさせたのならすまないね。それでは、私は少し遊んでから行くとしよう...」


そう言って、腕力のみを使い一菜を10メートル以上一菜のが歩いてきた方面に吹き飛ばす


「すまないすまない。昂りすぎて、少し力加減を間違えたようだ。これでも弱めに飛ばしたつもりなんだが...」


そう言いながら少しづつ近付いてくる。一菜は吹き飛ばされた衝撃で至る所を痛めていて、動くことが出来なかった。


化け物かよ...こいつ人間か?!ってか、なんでこんなことに...いってぇ...俺死ぬのかな?意外と死ぬのが早い人生だったなぁ...


そう目を瞑ろうと地面を見ると、石があった。小石だ。どこにでもある小石。しかし、それを見た瞬間に1つの感情が芽生えた


「抵抗せずに死ねるかぁぁぁぁ!」


利き手では無い左手で小石を掴み、その小石を投げる。利き手の右手で受け身をとっていたため、全力投球とまでは行かなかったが、ローブに、少しの傷をつけることに成功した。ローブ男は立ち止まり、ローブの傷付いた箇所をそっと撫でる。すると、傷付けた箇所が、いつの間にか再生していた。


「嘘...だろ...」


そう呟いた後、絶望の表情を浮かべて、1歩1歩近付いてくる、人間とは思えない化け物に恐怖しながら目を瞑る。


ローブの再生...それを応用すれば...骨折を直せるか...?


そんなことをふと考えた瞬間、再生の力が宿ったような感覚を感じる。折れた右腕を見ながら、集中する。黒いローブの男は立ち止まる


「何をしている...?」


不思議そうに黒いローブの男は聞く


「...再生の権能か...?」


一菜がそう聞くと、黒いローブの男は立ち止まり、ローブの上から右手で頭を掻き始める


「なんでそこまで分かる...?能才程度でもできる芸当だ。一目見ただけでわかるはずが...」


そう、面倒くさそうに、気怠げそうに。その中に少しの高揚感を感じさせる声で言った


「い、いや、なんと言うか...勘?です。なんか強そうだな〜みたいな...?」


そう言うと、右手を顔の前へと持っていき、親指と人差し指で輪っかを作り、輪っかを覗いて一菜を見る


「真実の加護...初級火炎魔法に初級風魔法。再生の権能...天性の見聞と天性の色感しょくかん...?に...む?天性の鑑定が新たに追加...なるほど...フハハハハハハハハハハハハ。面白い。面白いぞ。面白い!お前にみせた技は全てお前のものにできるって訳だ!...今日はここで帰らせてもらう。あと、再生の権能についてだが...回復にも使う事はできる。それで傷を再生して、寝てればすぐさま痛みは引くさ。それではまたいつか。」


それだけを言い残して、コツコツと足音を立てて、どこかへと行ってしまった


「再生の権能...」


そう呟くと、自身の体や、その周囲の落ちている瓦礫など、様々な物が元の位置へと戻っていったり、元の形へと再生していく


「うわ、ちょちょちょ、やめやめ」


...次からは、部分指定とかしない...とか...?


そう思っていると、意識が遠のき、気が付くと...


「馬車...?」


カタカタと揺れている感覚で目を覚ます。目を見開くと、そこにはスクリズとセリヌと寝ているテットがいた。スクリズが本を閉じて言う


「一菜、やっと起きたか。」


馬車を操縦したセリヌが一菜を向き言う


「一菜、大丈夫?なんか少し見ない内にものすごい勇ましくなっててビビったわ...主に傷で...」


一菜が少し溜息をついた後に少し微笑み呟く


「なんだ...みんな無事か。よかった...」


少しの苛立ちを感じながら

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