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目が覚めると異世界でした。  作者: むしのこ
オナワツナガリ
4/12

そんなことを考えていた。ふと、広場を見てみる。広場、子供達がいつものように遊んでいる。


「うわーん」


と、か弱そうな少年の泣く声が聞こえてきた。一菜は近付き


「どうした?」


と聞いてみる


「テッカが僕の買って貰った人形取ったー」


多分テッカと思われる、少し小太りな男の子は近付き


「は?俺はやってねえよ!嘘をつくのもいい加減にしろ!」


と言って、少年に殴り掛かるが、それを一菜は受け止める


「痛っ...?」


テッカは、怒りながら走って、屋敷とは別方向のどこかへと行ってしまう


「ちょ、まっ...はぁ...」


そう言って追いかけようとするが、追いかけず、少年に話を聞くことにした。一菜は片膝をつき、話し掛ける


「君の名前は?」


「えっと...フロウって言います...それよりもお兄さん!僕のお人形は...」


「あ、あぁ...俺が取り返してきてやる...少し、ここで待っててくれるか?」


そう言って一菜は立ち上がる


「うん!あれは僕の大切なお人形なの!だから...」


「おう。」


そして、そのテッカと呼ばれる男の子を追いかけていく。


それからしばらくして夕方頃、広場に着いたセリヌとスクリズは、周囲を見渡し始める


「あれ?ここに確か一菜っていたよね...?」


と、セリヌはスクリズに確認をする


「あぁ、どこへ行ったのか...もしかしたら屋敷へと先に戻ったのか?」


そう言って、屋敷へ行こうとする途中、フロウが話し掛ける


「その人ってもしかして、痩せ気味の黒髪の人?黒髪の人なんて珍しいから、どこに行ったか覚えてるよ!」


スクリズはその男の子に聞き返す


「あ、ああ、そうだ。その人はどこに行った?」


その時、フロウは屋敷の方面に指を指し答える


「あっち」


その時、スクリズはため息をつき言う


「あのな、本当に今探しているんだ。だから...って待て、、、」


と、言おうとしていた時に、セリヌは屋敷の方面に走ってしまう。スクリズは、フロウの両肩に手を置く


「おい、なんで嘘の情報なんて...」


と言った時、フロウは不気味に笑い出す


「な、何が...」


スクリズは肩から手を外し、少し離れるそうしてしばらくして笑いが収まる


「はーあぁ、笑ったよ。笑った笑った。笑わせてもらったお礼に、お兄さんには本当の事教えてあげるよ。あっちだよ。」


と、フロウは指を指す


「こ、今度は本当か...まあ、セリヌは屋敷へと戻るだろ。それなら、俺は一菜を追いかけるか。」


そうして、スクリズはそちらの方角へと走っていった...


それの約1時間程前


一菜は、様々な家の扉を叩き、テッカのいる家の扉をようやく叩いた。


「はい...って、お兄さん...」


扉が開くと、テッカがそこに立っていた


「ど、どうせお前も俺を信用しないだろ。帰れ、俺の味方はスクリズ様だけで充分だ。」


そう言って扉を閉めようとするテッカに言う


「それは、「真実の加護」を持っているからか?」


扉は、完全に閉まる寸前で止まり、再度扉を開く


「な、なんでそれを...」


そのまま家へと上がり、話を聞いていた。


「つまり、テッカは前々からあいつの嘘のせいで様々なものを奪われていた...ってことか?」


テッカは頷いた後に俯く


「う、うん。...俺の人形も、お金も、大好きな食べ物も...お父さんも、お母さんも...」


一菜は一瞬、理解に戸惑う


「...?悪い、あの...もう一度言ってくれないか?」


「人形も、お金も、大好きな食べ物も...お父さんもお母さんも...」


...は?


一菜は立ち上がる


「...それって...じゃあ、この部屋は...家は?どうやって...」


「...自分で稼いで...でも、なんでそんな事を...どうせ聞いても信じない...」


その時、扉が激しく叩かれる


「おい!クソ息子!さっさと開けろ!」


テッカは頭を抱え、耳を塞いで怯えている。その様子を見た一菜は、扉を開ける


「ちっ、やっと...って、お前誰だ?」


扉を開けると、金髪で、筋肉のついた質素な服の男がいた。


「えっとー...とりあえず中に入りませんか?多分近所迷惑になっていると思うので...」


それから、自身の加護や、テッカのさっき言っていた事についてを話した


「そ、そうか...でもあの子は...フロウは、本当に素直で、正直で、でも弱くて...俺が...俺らがあいつを守ってやらないと...」


その時、何か不純な、色が自身に入っていく感覚がした。


「...精神汚染?...か?...発動は...されていなさそうだ」


と一菜は呟く。すると、テッカの父親は首を傾げて聞く


「精神汚染?」


一菜は聞く


「精神を汚染する系統の魔法とか、そういうのってあるんですか?」


そう聞くと


「こういう感じですか?」


と言って、一菜に手をかざして発動する。


「なにを...」


...なんだ、この感覚...気持ち悪い...良くないものが混じりあって...精神汚染魔法...獲得したぞ...耐性獲得とかは...応用で出来るもんなんじゃないのかよ...異世界さん...


そこから、意識を俺は失った

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