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第35話: 音楽が広がる瞬間


律希はオルタ音楽出版から届いた報告書を見つめながら、胸の中で思わず安堵の息を漏らした。自分が作り上げた楽譜がついに世に出て、順調に売れ始めている。その結果が目の前に広がっていることが、まだ少し信じられなかった。報告書には、楽譜の販売部数や、演奏会での反響、音楽学校での使用状況などが詳しく記載されており、それらがすべて彼の成果として結びついていることを実感する。


「1,000部を超えたんですね。」律希はその数字を繰り返し、目を大きく見開いた。最初に思い描いたよりも早く、彼の楽譜は多くの人々に届いた。特に音楽学校では、彼の楽譜を教材として取り入れ、次々と生徒たちが演奏する姿が見られるようになった。


さらに、律希は楽譜の販売がどう広がっていったのかを知ることができた。特に演奏家たちが積極的に彼の曲を取り上げ、その演奏が多くの聴衆に届けられていることがわかった。これまで自分が生み出したメロディーが、他の演奏家の手を通してさまざまな解釈で演奏されている――そのことが、律希にとっては何よりも嬉しいことだった。


「音楽がこうして広がるなんて、考えもしなかった。」律希は静かに呟き、手にした楽譜をそっと見つめた。自分の音楽が、誰かの手によって新たな命を吹き込まれている。その瞬間が、まさに彼の目指していたものだ。


それから数週間後、オルタ音楽出版から届いた次の報告書には、楽譜の増刷が決まったというニュースが記されていた。最初の1,000部の売れ行きが予想以上に良かったため、さらに2,000部の印刷が行われることになったのだ。律希はその知らせを受けて、驚きと同時に喜びを感じた。増刷された楽譜がさらに多くの人々に届くことになる。これまでにない手応えを感じながら、律希は次のステップに向けて準備を整えていった。


「増刷されるなんて、信じられない。」律希はそのニュースを心の中で繰り返し、自分の音楽が広がっていくことに、改めて実感を深めた。そして、さらに多くの演奏家が彼の音楽に触れ、次々と演奏する姿が目に浮かんだ。


律希は、音楽学校での反響を知るために、実際に演奏会を訪れることを決めた。自分の作った楽譜がどのように演奏され、どんな風に受け入れられているのかを直接確かめたかったからだ。


数日後、律希は音楽学校の演奏会に参加し、会場に足を運んだ。会場では、彼の楽譜を手にした学生たちが緊張しながら準備をしている姿が見えた。その中で、律希の曲がどのように演奏されるのかを心待ちにしていた。


演奏が始まると、学生たちの手によって、彼の音楽が生き生きと奏でられるのを感じた。曲の冒頭は、静かな音から始まり、次第にその音が広がっていく。律希が描いたメロディーは、学生たちによって見事に表現されており、聴く者すべてがその音楽に引き込まれていった。


演奏後、律希は学生たちと話す機会を得た。「本当に素晴らしい曲でした。」一人の学生が律希に微笑みながら言った。「音楽がとても自由で、聴いていて楽しいです。これからもっと多くの演奏家に演奏してもらいたいですね。」


律希はその言葉を胸に深く受け止めた。「ありがとうございます。自分の音楽が他の人に演奏されるなんて、最初は想像もできませんでした。」


演奏会は大いに盛り上がり、律希の楽譜は多くの演奏家によって演奏され、会場は歓声と拍手で包まれた。律希はその光景を見ながら、自分の音楽が多くの人々に広がっていくことを実感した。


その後、楽譜の販売が続き、増刷された部数が次々と販売されていった。律希の音楽は、演奏家たちの手を通して新たな解釈を生み、さらに多くの人々に伝わることとなった。


律希は自分の音楽が世界に広がっていくことに、胸の中で大きな誇りを感じながらも、次のステップへと進んでいく準備を始めた。次の作曲、次の演奏会、そして次の挑戦ーー律希はその全てを見据え、さらなる成長を誓っていた。


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