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第15話: アルペイロのコンクール


律希は、自分の音楽をもっと多くの人々に伝えるため、音楽活動を広げる決意をしていた。そんな中、ある日、音楽協会から新たな提案が届く。それは、今年開催されるアルペイロのコンクールへの参加だった。自由曲を演奏することが求められるこのコンクールに、律希は自分の音楽を表現する絶好のチャンスだと感じた。


律希はすぐにその提案を受け入れ、参加を決意した。コンクールで演奏する曲を作曲することに決め、アルペイロの特性を活かすために、楽曲作りに取り掛かることになった。律希は、リズムとメロディーが複雑に絡み合うアルペイロの特徴を最大限に生かすため、自由な発想で作曲を始めた。


その日の午後、律希が作曲に取り掛かっていると、先日の交流会で出会った音楽家、リリオが訪ねてきた。リリオは律希が作曲していることを聞き、ふらっと遊びに来たのだった。


「律希、また作曲しているのか?」リリオはドアをノックし、部屋に入ってきた。


「うん、アルペイロのコンクールに出ることになったんだ。自由曲で演奏するんだけど、まだ構想が固まっていないところで。」律希は少し照れくさそうに言った。


「なるほどね、コンクールか。なんだか難しそうだな。でも、律希ならきっと素晴らしい曲を作るんだろう。」リリオは律希の作業台に腰掛けながら言った。「今、どういう感じで曲を進めてるんだ?」


律希はメモ帳を広げて、作曲の進行状況をリリオに説明した。「最初はソナタ形式を使って、メインテーマを提示してから展開部に入る予定なんだ。でも、アルペイロならではのリズムの使い方に気をつけないといけないから、そのあたりが難しい。」


「リズムか…アルペイロにはポリリズムなんかも使えるんじゃないか?」リリオは少し考え込みながら言った。「複数のリズムを重ね合わせると、リズムの中で動きが生まれて、面白い効果が出るんだよ。」


「ポリリズムか…面白いアイデアだな。」律希はそれを試してみようと心に決めた。「それなら、曲に動きが出て、演奏にも奥行きが生まれるだろうな。」


リリオはさらに続けた。「それに、リズムの重ね方でテンションコードを使うのもいいかもしれない。例えば、Cmaj7のコードに9度や13度を加えて、和声をちょっと引き延ばす感じにすると、曲がより豊かになるんじゃないかな。」


「なるほど、テンションコードで和声に深みを加えると、曲に動きが出るってことか。」律希はメモを取りながら、そのアイデアを採用することに決めた。


リリオはその後、しばらく律希とともに作曲の進行状況を見守りながら、音楽の話を続けた。リズムや和声の話だけでなく、曲の構成やフレーズの繰り返し、さらには曲の展開についても議論を交わした。リリオのアドバイスは、律希にとって非常に有益なものであり、彼の音楽に新たな視点を加える助けとなった。


「これで、もっと動きのある楽曲に仕上げられそうだ。」律希は最後に言った。「ありがとう、リリオ。君のアドバイスがなければ、きっとこの曲はまた違ったものになっただろう。」


リリオは微笑んで言った。「どういたしまして。自分の音楽を自由に表現することが一番大事だよ。律希なら必ず素晴らしいものを作るさ。」


律希はリリオの言葉に励まされながら、コンクールに向けた作曲作業を続けていった。曲は次第に形を成し、アルペイロの特性を最大限に生かすために、リズムと和声、メロディが複雑に絡み合いながら進行していった。律希は自分の音楽を全力で表現する決意を固め、コンクールに向けて最終的な仕上げに取り掛かるのだった。


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