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棘とか涙とか  作者: 遠藤 敦子
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 本当は警察署に行くべきだったけれど、飛行機の時間が差し迫っているのもあって警察署には行かなかった。幸いにも次のタクシーが捕まり、無事に空港に到着する。次の運転手さんは若い女性で、気さくな良い人だった。最初の男性運転手との件を話すと、女性運転手は

「え、そんなことあったの? かわいそうに、怖かったね」

と私の味方をしてくれる。


 そんなこんなで無事にエドモントンに到着した。人気のドーナツ店に行こうと、行列に並ぶ。しかし途中でめまいがし、気づけば意識を失っていた。目の前が真っ暗になり、気づいたら座り込んでいたのだ。

 周りに人が集まっているのがわかる。いろいろな声が聞こえてきた。

「女の子が倒れたぞ!」

「誰か救急車を!」

男性と女性(知り合い同士ではない)が私の元に駆け寄り、「大丈夫?」と声をかけてくれる。

「はい、なんとか……。でも気持ち悪いかも……」

私が言うと、女性が

「ちょっと待ってて。私、コンビニで水買ってくるから!」

とコンビニにダッシュで向かった。女性はペットボトルの水を片手に戻ってくる。

「これあげる。今日は休んだ方がいいよ。お金とかは気にしなくていいし」

そう言って女性はその場から立ち去っていった。女性の助言通り、私はこれ以上観光せずホテルで休むことにする。

 翌日、私はホテルで休んだこともあり体調が回復した。まずはドーナツ店のリベンジを果たそうと、行列に並ぶ。昨日の女性と再会したけれど、彼女は私の顔を見るなり開口一番に

「昨日は大丈夫だった?」

と訊いてきた。

「おかげさまで、ありがとう」

私が返すと彼女は

「大丈夫そうで良かった」

と微笑む。店内は混み合っていて座れそうにないので、私はドーナツをテイクアウトした。これを朝ごはん代わりにする。

 それからはバスでウェスト・エドモントン・モールに向かう。北米最大級のショッピングモールというだけあって、遊園地もプールもお店もたくさんあった。どこから見たら良いのかわからなかったので、ひと通り回ることにする。

 ちょうど家で使っていたマグカップが割れてしまったので、雑貨店で新しいマグカップを買った。EDMONTONという地名のロゴが入っており、旅行の思い出になりそうだからだ。今後使う時も、ロゴを見て旅行のことを思い出せたらと思う。

 気づけば夕方近くなっており、いったんホテルに戻って荷物を部屋に置く。夜は気になっていたバーに飲みに行こうと決めており、暗くなってからバーに行った。そこでは多くの人で賑わっており、バーに来たという感じがする。

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