表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

我、天に使いける誇り高き煙の無い火の子なり

「兄さん。またゼウス様に怒られたのかい?」

天使の象徴とも言われる翼を、背中に6つこしらえた赤髪の少年が

足元に横たわっている天使に声をかける。

天使は、少年と負けず劣らず美麗な顔立ちで、同じ赤髪だが、翼が一枚多い。

「ああ、ミカエルか。そうだ、怒られてしまったよ。勝手に伝書の書き換えをしてね。」

7枚の翼の天使は苦笑する。

ミカエルと言われたほうの天使はため息をつき、

「オベリスク神様も言っていたよ。『ルシファーは仕事は出来るが、もう少し常識を習ったほうがいい』

ってね」

「仕事は出来る・・・か。光栄だな。はっはっは!」

7枚の翼を持った天使の名を、ルシファーといい、天界(天国)では有名な異端児である。

弟のミカエル同様、仕事に関することで彼に文句を言う者は皆無だが、性格、クセは一風変わっていて

神々の笑い話の話題にされることすらあった。

しかし当の本人は、まったく気にすることなく仕事に励み、時には自嘲することもあった。

そんなルシファーは、大概¨変わり者¨と言われるが、近寄りがたさは無く、いわゆる人気者だった。

「ミカエル、お前は少し真面目すぎるんだよ。ゼウス様の冗談も、真に受けたもんな。」

「あ、あれは・・・まだ小さかったから・・・よく意味が・・」

一方ミカエルは、真面目、誠実、兄思いで、少々近寄りがたい。

優しいのだが、若干神経質で、ルシファーとは別の意味で、女天使から人気があった。

「まあいいや。」と、ルシファーは寝返りをうち、神々の住む地域¨サンクチュアリ¨を見た。

その目はどこか遠い所を見るような目つきで、ミカエルはそれに気づく。

「どうしたの兄さん?妙な顔して?」

「いや・・・あのさ・・・」

ルシファーは、横倒しにしていた自分の体を上げ、首の骨を鳴らした。

「神様方は、どうして俺ら天使を御創造なさったんだろうかなってさ。」

自分のクセのついた髪の毛をなで、小さな声で、しかしはっきりとした口調でそう言った。

ミカエルは、自分が質問されているのかどうなのかわからなかったが、少し考えて

「神様たちじゃ目の行き届かない場所を見張るためかな?」

「でも、そうだとしたらしたら、サマエルみたいな天使も創造するか?」

サマエルとは、全身が影のようなもので出来ていて、目に当たる部分だけが怪しく光る

見た感じでは悪魔と相違ない天使である。

死を司る天使で、決して喋ることは無く、肯否定の仕草も、うやむやな無口で有名な天使。

「うーん・・・サマエルさんは特別かな?ほら、神様たちが昔、地獄や魔界と別に、[ゲヘナ]ってゆう世界を作って、人間をそこで御創りになったでしょ?もう、使われていないけど、第2の地獄にするって話も出ていたみたいだよ。サマエルさんは、そこの看守役とかに任命されるはずだったんじゃない?」

「ゲヘナは、アーリマンにグッチャグチャにされたもんな。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ