サマーピアノソナタ
俺の名は小野和也、中学最後の夏休みだが今は親に言われて祖父の家に住み込みでピアノを学ぶように言われた。
祖父が若かった時は一流のピアニストだが父が音楽の才能が無く夢をあきらめたが俺は才能があって父が一流のピアニストにさせようと、かのベートーヴェンと同じ勉強方法でうまくさせようとしたが成果は全然良くなくて、祖父に俺を一流のピアニストにしようとするのだった。
しばらく歩していると祖父の家に着くとそこには一見普通の家かと思うが壁には蔓が張り付いて少し邪魔だなと思いながら玄関のドアを開けるとピアノの音がして音がする方に行くとそこには人が二人程で奏でそうなピアノを弾いている少女がいた。
一見活発系女子かと思うが人形のようなしなやかな顔と指に緩やかな川の流れのような黒髪ロングで黒曜石みたいに引きよされそうな瞳に来ているのは白のワンピースを着ていた。
祖父が無料で行っているピアノ教室の生徒なのか聞こうとした時に少女が俺に気付いて後ろを振り向く。
「貴方はもしかして万お爺ちゃんのお孫さん?」
如何して俺の名前知っているんだ?
祖父が教えてくれたのかと聞く前に少女は俺に近づくと同時に何かしらいい香りがして心臓の鼓動が早くなると祖父がリビングにやってくる。
「どうかしたのか梓? おお、和也はもうこんなに大きくなってわしは驚いたわい」
「爺さん久しいけどこの子はだれ何だ?」
祖父が梓と呼んだ女の子について聞こうとしたら祖父が驚きの事を言う。
「何言っとる和也よ? この子はお主が幼かった時に結婚を約束した子じゃろ?」
「ハイ!?」
祖父が素っ頓狂な事言いだして思わず叫んでしまったが梓っていう女の子の方に振り向くと恥ずかしそうにうなずく限り祖父の言っている事はおかしくないと思うが急いで祖父が用意してくれた部屋にダッシュで入ってベッドダイブして頭を抱える。
(祖父が言っているのはマジだとして記憶にないしそして俺はなんてことを言ったんだ!?)
何が起きているか分からずベッドの上で転がり回っているとドアをノックする音がしてドアを開くと梓がいた。
「いきなり驚かせてごめんね」
「普通にきれいな女の子と結婚するなんて恋愛小説みたいなことが起きるなんて思ってもいなかったんだ」
「そうだね、あと―」
梓は少し恥ずかしがっているが何故が俺の背から冷や汗が止まらずもしかしていたらと思って梓に聞く。
「もしかして俺とお前の部屋が一緒だったりして?」
「うん」
「ウワァー、滅茶苦茶恥ずかしい奴じゃねえか!」
梓が顔の頬が赤らめているのはそれだったんだなと思いつつ祖父の考えが見え見えでおもわず叫んでしまい取り敢えず梓を部屋に入れて少し話す。
「エッと一応聞くけど確か俺と結婚する約束していたよな?」
「まさか忘れたとか言わないよね?」
梓が少し睨みながらこっちを見て急いで思い出さないと絶対痛い目を見ると思い急いで思い出すと初めて祖父の家に来た頃に思い出せた。
確か俺は森深く入った時に何処からか鳴き声が聞こえてそこに行くと梓が泣いており泣いている理由を聞くと如何やらいじめっこが大事な髪飾りがとられてしまったときに俺はそのいじめっこ所に行って取り返した後に梓は喜んでいて俺は如何していじめられているのかと聞くと如何やら孤児らしく親が病気で亡くなってしまい一人でさみしいと思ったとき俺は結婚する事を約束していて約束した明日で都会に帰った。
そこまで思い出すと恥ずかしくなって頭を抱えたくなるが梓は少し呆れながら喜んでいた。
「ようやく思い出したの?」
「今まで忘れてしまいもう押し分けありませんでした!」
「思い出したなら許すけどその―」
「その?」
「さっき少しだけ段ボールの中見たけどそのちゃんと年頃なんだね」
「アベシ!」
俺はコレクションを見られた事によって人生で一番なくらい叫んで穴があったら入りたいとはまさにこの状況だ。
俺は心の傷を負って落ち込んでいると梓が慰める。
「落ち着いてよ、万お爺ちゃんにはバレテいないし私は表紙を少しだけ見ただけだから」
「なぐさめるのやめて!」
恥ずかしさと優しさが混ざり合って強力な刃物となりさらに心が傷つきいったんこの話は止めると外は夕方になりリビングに降りると大量の料理があるがその内うなぎやら何ら入っていた。
後ろに振り向かず少し祖父に質問する。
「爺さんまさか今日の夜の戦いのためだとか言わないよな?」
「そうじゃが、それがどうした?」
「認知症になったのか!」
こんなものを出されてしまい祖父の頭が大丈夫なのかと思うが少し健康診断書を見せてもらうと頭に変な事が起きていない証拠だった。
梓が顔を赤らめながら祖父が作った料理に指を指す。
その反応は困るから!
「これ如何すればいいの?」
「とにかく食べるしかないだろ」
俺と梓は諦めてとにかく祖父が作った料理を食べると中々美味しく頬が落ちるほど美味しかった。
「これ美味しいよ!」
「中身があれじゃ無かったらさらにおいしいよな」
祖父が趣味として通っている料理教室の実力は知らないがとても美味しく気づけば御変りもしていた。
暫くしてお腹がいっぱいになった後はピアノを少し練習した後に風呂に入ったが梓の風呂上り姿はしっかりとした可愛めのパジャマで思わずドキリとしてしまったが少しだけ見て見ぬふりをし続けた
祖父の家に住んでから数日たった。
自部屋でマンガ読んでいる時に祖父から電話がかかって受話器に手を取る。
「ハイ、小野ですがどちら様でしょうか?」
「和也私だ」
「もしかして親父か?」
「そうだ」
「いまさら何で電話しに―」
「実は母さんが倒れた上に余命が一週間になった」
「な―!」
親父から発せた言葉に俺は驚きを隠せずそのまま喋らずにいると親父はこのまま喋り続ける。
「母さんは最期におまえのピアノが聞きたいと言っている。お前の所に行くから頼む最後に聞かせてくれ」
親父はそう言うと電話を切り梓が俺に来て心配する。
「お母さんは大丈夫なの?」
梓に母さんがどうして病気になっているか説明する。
それは中学一年になった時に母さんが親父のやっている事に我慢できず口げんかしている時に突如苦しみ始めて親父は何が起きているか分からず子供のように焦っている時に俺が学校に帰った時に何とか救急車を呼んで一命を取りとどめたが脳梗塞や胃がんなどの病気が見つかってそれ以来俺と話さずに今になる。
取り敢えず親父がこっちに来ると知って背中から冷や汗が出る。
「このままじゃまずいぞ! 梓は急いで隠れないと親父に殴られるぞ!」
「うそ!」
俺は急いで梓を隠した後一時間後で祖父の家に着くと親父は母さんを担いで肝心の母さんは顔色が悪く少しでも衝撃を与えれば倒れそうな位具合が悪そうだが母さんは少し親父の担ぎから降りると俺に抱き着く。
「久しいわ、和也。まさかこんなに大きくなるなんて母さん感動よ」
「母さん」
「あと和真さんから聞いたけど梓ちゃんとまだしてないでしょ?」
「母さん、俺はまだッテどこから聞いたのそれ!?」
母さんが突如おかしなことを言って思わず大声で驚いてしまう。
一体どこから聞いたんだそれ!?
なんて思っていると親父が教える。
「うちの父が教えてくれたぞ」
「何やってるんだ、爺さん!」
また認知症の疑いがあると思うといつのまにか梓が出てきた。
「やっぱりばれていたんだね」
「そうだなん」
「ところでこの人が和也のお母さん?」
「アア」
「大丈夫ですか?」
梓が少し心配するが母さんは大丈夫と言うと俺に近づいて言う。
「最期にあなたが一番得意な演奏を聞かせて」
「分かったよ、母さん」
俺はそう言うとリビングに置いてあるピアノの蓋を開けて座ると隣に梓が座る。
「私もあなたの得意演奏を一緒に奏でるよ」
「分かったがその代り遅れるなよ」
「もちろんだよ」
そう言うと俺と梓はピアノの鍵盤を奏でる。
その音色は悲しさと暗さがあるが命の尊さが混ざり合うその楽曲は宗教音楽鎮魂歌の内入祭唱の次に続唱、奉献文、聖なるかな(サンクトゥス)、神の子羊そして聖体拝領唱を奏で終えると母さんは何か喜んだような顔になる。
「最期にあなたの優しさを感じる音色を聞けて良かったわ」
そう言うと母さんは俺の頬を少しだけ触ると力尽きたかのように手を落とし俺は母さんを抱いてゆさぶりながら叫ぶ。
「母さん、母さん!」
何度も呼んでも母さんは糸が切れた人形のように動かずに俺は目からに見だが出て泣き叫ぶ。
「母さーん!」
「はーい、呼んだかしら?」
「「エェ!?」」
俺が母さんと叫ぶと母さんは何ともなかったかのように動き出して俺と梓が同時に驚く。
さっきまで息絶えたのに何で生き返っているんだ!?
一体何が起きているか分からずにいると今日は何の日か思い出す。
「そういえば今日俺の誕生部だった」
「エッと一応聞くけど誕生日と何が関係するの?」
「母さんは俺の誕生日になるといつも驚かしに行くんだよ」
「そうなの!?」
梓が母さんの方を見るとピースで答える。
全てわかるといきなり力が抜けてきて親父に聞く。
「まさか親父もか?」
「すまない、少しやり過ぎた」
やっぱり協力していたのかよ。
ちなみに母さんにいつ病気が治ったかと聞くと俺が祖父の家に行ってから数時間後らしい。
その後は親父と母さんを説教する。
「いくら俺の誕生日で完治祝のためにこんな事をするなんて限度があるだろ!」
「すまない」
「ごめんなさい、ちなみにお爺ちゃんが教えてくれたのは本当よ」
「そこは言わなくてもいいだろ!」
それからしばらくして祖父が料理を運んで少し確認するが特に変なものが入っておらずそのまま家族一緒に食べて終える。
親父と母さんが脅かせに来て明日になると帰る事に荷物を纏めていると梓が部屋に入ると急に抱きつく。
「急に―」
「和也ごめんしばらくこうさせて」
梓の目には涙が溜まっており俺は梓に約束する。
「俺が一流のピアニストになるまで待ってくれないか?」
「忘れたりしない?」
「アア、忘れたりしない」
そう言うと梓は目を擦り、涙を拭きとると笑顔を見せて背中を叩き思わず叫ぶ。
「イテ!?」
「忘れたら承知しないから」
「アア、わかっている」
そう言うと俺は荷物をまとめ終え自分の家に帰るとき梓が勢いよく手を振り梓と別れた。
それから数年後俺は今高校三年生で若き天才ピアニストと呼ばれ祖父の家に着いたときに梓が俺に抱き着いて喜ぶ。
「和也お帰り」
「アア、ただいま」
終わり
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