ドッペルゲンガー疑惑
私は公安特殊犯罪対策課の、抗命 戦。
そして隣にいるのは警察特殊部隊の、狂華 終。私の憎き相棒。
この組織では追う者は同じ、でも追い方が違う者同士が手を組むと言う考えで
組まされた即席のチームがいる。それが私達だ。
仲が良いかと聞かれたら・・・・そうだなぁ。まあ長い付き合いで
沢山の事件を解決した仲・・・・
ふっと笑った後、
「良いわけないだろうがよぉ!」
怒りの表情を浮かべて、隣の相棒を睨み付ける。
「っ!!どうした急に・・・まさか!!!!!そうかそうなら言えよー仕方ないなぁ」
相棒のデスクの引き出しから膝掛けを取り出し、手渡される。
「生理ちゃうわ死ね。お前の存在がそろそろ鬱陶しくなってきたんだ」
「あーだから昨日あんな事になってたのか・・・・ごめんな気づかなくて」
「ちょっと待て何の話だ?」
えー忘れたのかぁ?といいつつも話してくれる。
「昨日の夜さぁお前ラリってたろ?誰も居ない会議室で」
はあ?ここ最近銃弾の飛ばしあいして、とうとうコイツの頭は逝かれたか・・・・ご愁傷様。
ドコッ
今度は私の愛の手でてめぇのヘッドに終止符を打つ。
「イッてぇ!嘘じゃあねぇよ!!」
「じゃあなんでそう言えるんだよ!私は昨日の夜、家でゆっくり風呂に入ってたんだけどぉ。それに知ってるだろ?私の昨日の退勤した時間」
あーと棒読みからの頬杖。
「じゃあ・・・まじでアレ誰だったんだろう?ドッベルゲンガーかな?」
「なわけないだろ」
「だよなー!でも本人だと思うほどに似てたんだよー。そうだよなぁ普通に考えたら。オフィスの会議室で奇声あげながら流行のダンスを踊る奴が、いるわけないよな!それもそうだぁー?」
目柱を押さえながら、納得してるようで、納得してない様子。
いや完璧に違うって納得しろよ。ここでお前が納得しなかったら真実じゃないのに真実になるじゃねぇか!!
てか完全にソイツ、アウトな奴だろ。
(相棒がそろそろ本気でヤバいぞ)
私は一歩引きながら、心配の一言をかけた。
「(頭) 大丈夫か?もう寝ろよ」
先ほど彼から借りた膝掛けを広げ、椅子から立ち上がり、ポスッと背中にかけてあげた。
「おやすみ。そんでもう起きてくんな」
私の方を死んだ目で見上げ、笑顔で煽りだす。
「残念~でした!明日仕事あるから化けてでも出てくるわ」
「あーそう」
遠い世界を見る。そんで彼の顔に近づいて
「遅刻すんなよ、相棒」
嫌みたららしくニヤける。
そしたら狂華 終は暖かい表情で、ふっと笑い
後にバターンとデスクの上におでこを勢いよく置いて、いびきをかき始める。
「あーあ、話しても五月蠅い、寝ても五月蠅いのか・・・・君は」
やれやれ
静かに私は、デスクワークを再開した。
これ以降、そのドッベルゲンガーのが現れる事はなかった。