漫才がしたい君とコントがしたいちゃん
ツッコミ「はぁ、漫才してぇ~よ~」
ボケ「何言ってるのよ。漫才なんてスタンドマイクがないと出来ないじゃない」
ツッコミ「そうは言うけどさぁ、俺は今この場で漫才してぇ~よ~」
ボケ「そもそも何で漫才がしたいのよ」
ツッコミ「何でって、そんなの俺にだってわからないけどさ、漫才をすれば何とかなる気がしてきたからさ」
ボケ「あんたはいつもそんな調子だよね~まいっか。じゃあ、私が自動ドアの音を口言うから漫才しなさいよ」
ツッコミ「おいおい、ちょっと待とうか」
ボケ「何よ、あんたに合わせて漫才するって言ってるのに、何で止めるのよ!」
ツッコミ「何でも何も、自動ドアの音が相方ってシュールすぎるだろ」
ボケ「自動ドアの音が相方じゃなくて、自動ドアの音から始めるんじゃない」
ツッコミ「なあ、それってコントだろ?」
ボケ「えっ!? コントじゃないわよ。コントはセットを組んで衣装を着て初めてコントでしょ?」
ツッコミ「そんな事ないだろ。設定を組んで演じるのがコントだろ! 俺は漫才がやりたいの! いいか、漫才ってのは相方との話し合いだけで笑いを作る素晴らしい文化なんだよ。だから自動ドアの音とかは全く違って、」
ボケ「ウィーン!」
ツッコミ「自動ドアの音、始めちゃったよ……」
ボケ「ファオファオファオファオ……」
ツッコミ「しかもコンビニとかではなく個人商店とかの自動ドアの音だよ。俺はこれからどうボケればいいのか教えてほしいぐらいだよ。てか、その自動ドアの音の方がボケてるよ!」
ボケ「ウィーン」
ツッコミ「絞めちゃったねぇ! 入る前に絞めちゃったねぇ!」
ボケ「………………………………」
ツッコミ「待つな待つな! と言うかさ、人の話は最後まで聞こうよ。漫才がしたいんだって! 自動ドアが出てきた所で、これはコント何だよ!」
ボケ「ウィーン」
ツッコミ「開くなよ!」
ボケ「いらっしゃいませー」
ツッコミ「新たなキャラを登場させるな! てか、何屋さんだよ!」
ボケ「ウィーン」
ツッコミ「締まるのかよ! 何屋だったんだよ! あれか、いらっしゃいませを言うタイプの自動ドアかよ! たまにあるけど、たまにあるけど、あれって、いらっしゃいませを言う店員さんが現れるから、あんま意味ないよな」
ボケ「ウィーン」
ツッコミ「また開いたよ。今度はどんな自動ドアなのか、それともいらっしゃいませバージョン?」
ボケ「いらっしゃいませ」
ツッコミ「いらっしゃいませバージョンかよ!」
ボケ「おタバコはお吸いになりますか? それとも、おタバコを押しつけ合いますか?」
ツッコミ「怖いね! 物凄く怖いね! 君の発想が怖いね! それに今のファミレスはおタバコが禁止だね! 押しつけ合うのもきっと禁止だね!」
ボケ「でしたら、あちらの愚民席へどうぞ」
ツッコミ「口が悪いね! 愚民って口が悪いね! 高校生相手に愚民って、色々頑張っているのに愚民はないよね!」
ボケ「それでしたら、あちらの高額納税者専用の御席か、灰皿しか……」
ツッコミ「何で困らせている顔をするのかね! 今困っているのはこっちだからね!」
ボケ「お客様、落ち着いて聞いて下さい」
ツッコミ「何だよ! 落ち着いてって、そっちの対応でこっちがヒートアップしているんだからな!」
ボケ「漫才の終わりは、いい加減にしなさい。では、コントの終わりは?」
ツッコミ「コントの終わり方……もういいよとか、暗転とか、なんでやねんとかかな?」
ボケ「ファーファーファファ、ファーファーファファー」
ツッコミ「蛍の光!? どこまでも自動ドア……いやいや、自動ドアから蛍の光流れないだろ!」
ボケ「あんたって漫才がしたいというよりも、ツッコミがしたいだけじゃん」
ツッコミ「もういいよ……」




