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第24話 力試し

 ドラールと話していくつかわかったことがある。

 一つ、ドラール達は僕の影にすぐに入れるが出てくるのに時間がかかる。

 二つ、彼らが影に入っている間はその力の一部を使うことが出来る。

 三つ、僕の許可なしに黒凰たちが僕以外の眷属になることは出来ない。

 四つ、まだわからないことが多い。


「これで攻撃力問題が解決したな」


 ドレイクがそう言うとドラールが誇らしげに言った。


「我々の炎はドラゴンのブレスに次いで高温ですからね」


「なあデューク、試してみたくないか?」


「え? 炎を? けどさっき見たじゃん」


「いや炎だけじゃねえよ、他にも色々あるだろ? それだよ」


「だけど早く王都行ったほうがいいんじゃない?」


「いやお前! 使える力を把握しておかないといざというとき困るだろ!」


「まあ・・、たしかにね」


「じゃあ決まりだ! その辺の適当なやつ見つけて戦ってみよう」


「ちょ、ちょっと待って。一通り確認させて」


 そうして僕は一通りの技をドラールに教わった。



*****



「よーしじゃあいくか」


「・・うん」


「なんだ? 不安なのか?」


「うん・・」


「あんなドラゴンみたいなのは普通いないから安心しろって」


「う~ん」

(フラグじゃん・・)


 そんなこんなでしばらく周囲を探索していると、30メートルほど先に熊がいた。体からパチパチと電気をほとばしらせている点を除いては普通の熊だった。ん? 普通じゃ無いって? 僕もそう思う。


「よし、じゃああいつと戦ってみよう。だけどこれはあくまで能力の確認だから、もし無理そうだったらすぐに逃げるぞ。ただ! 最初から逃げるつもりで行ったらだめだからな。そこは意識しろ! じゃあ俺はその辺で見てるから」


 ドレイクはそう言うと幻影術で消えてしまった。

 ・・・・不安だな~。

 

 そうは言いつつも能力の確認は確かに重要だ。僕はその明らかに帯電している熊に向かってソロリソロリと近づいて行った。

 熊まであと10メートルほどに近づいた僕は深呼吸すると右手に黒い炎を纏わせた。翼に魔力をいきわたらせ、熊に向かって羽ばたきながら一気に加速した。


 ゴォッ! ザクッ! 


 炎を纏った僕の右手はやすやすと熊の胴体を切り裂いた。


「わぁーぉ、すっげえ」


 振り向くと真っ二つになった熊の断面は熱で完全に止血されていたため、血はあまり出ていなかった。しかしその断面は、前世をほとんどベッドの上で過ごした僕にはあまりに強烈だった。

 

「すごいな!」


 ドレイクは熊の死体を見ても何ともないようだ。感心したように熊の断面を見ている。そしてそのままナイフを取り出して熊を解体し始めた。


「何してるの?」


「解体してるだけだぞ?」


「なんで解体してるの?」


「こういう動物の死体は他の動物を引き寄せちまうからな、なるべくすぐに燃やすか何かしておいた方がいいんだが、今回の熊は帯電してたから恐らくあれを持ってるはずなんだ」


「あれってなに?」


「口で説明するより見せた方が早いんだ」


 ドレイクはそういって熊の解体を続けた。するとすぐに目当てのものが見つかったようだった。


「お! この辺だな、あったあった。ほら、これを欲しがる人が結構いるんだよ」


 そう言ってドレイクが見せてきたのは大きな肉の塊だった。


「なんでそんなものを欲しがるの?」


「この熊はどこで発電してたと思う?」


「う~ん、心臓?とか」


「ちょっとだけ惜しいな、正解はこの筋肉だ」


 ドレイクはそう言いながら肉の塊を振った。血が周囲に飛び散った。


「大体の帯電してる動物にはこういう特殊な筋肉が備わっててな、まあ筋肉じゃない器官がある場合もあるんだが、でこういうのは研究機関の奴らがまあまあな値段で買い取ってくれるんだよ」


「へ~」


「じゃあ残りの肉はいらないから燃やしちまおう」


 そう言って杖を構えたドレイクは青い炎で肉を燃やした。


「この肉って食べられないの?」


「ああ~、一回試したことがあるんだけどな、何とも言えないまずさなんだよな。食べられないことは無いが好んで食べるほどのものではないな。」


「そうなんだ・・」


 ドレイクはそう言っていたが、どういう訳か僕にはその肉がおいしそうに見えた。

 ドレイクが残った肉を燃やし終わると僕たちは再び王都に向かって歩き出した。このペースなら王都まではあと4日もあればつくだろうとドレイクは言った。果たして本当に4日で着くのだろうか・・


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