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第21話 敵?

僕は力強く羽ばたき空をのぼっていった。

降り注ぐ朝日が眩しかった。十分な高さに来ただろうと下を向くと、ドレイクが豆粒のようなサイズだった。

分かれ道の先を確認すると左に延びた道の先はどうやら前までいた森林の方に向かっているようだった。右の道はどこに向かっているのかはわからないが、少なくとも森やさっきの街の方向には向かっていなかった。

道の先を確認した僕はドレイクにそれを伝えようと下降をはじめた。耳元で風がうなりを上げていた。頬をなでる風が気持ちいい。

ん? ドレイクが何か叫んでる? なんて言ってるんだろう


「~~~けろ! ~~が~来てる! 後ろから来てる!」


その声で後ろを振り向くと、そこには黒い翼の生えたハイエナのような動物の群れが押し寄せていた。1メートルほどの体に大きな羽が生えている。

サイズ的には僕とそう変わらない。


「よけろ!」


というドレイクの声で僕がほとんど直角に曲がって飛ぶと、ドレイクがハイエナの集団に向かってカミラさんに放ったのと同じ種類の炎を杖から放った。

何匹かのハイエナには直撃したが、そこまでの威力ではなかったようで、ハイエナたちはピンピンしていた。が多少の牽制にはなったようで、ハイエナたちは少し距離をとってこちらを見ていた。


「その炎弱くない!?」


「魔回路が壊れちまってるからこれしか打てねえんだよ!」


「他の攻撃手段は!?!?」


「ない!!」


「どうすんの!」


「お前がブレス吐け!」


「出来ないよ!」


「じゃあ逃げるぞ!」


ドレイクはそう言って短い呪文を唱えた。するとドレイクの姿は見えなくなってしまった。・・ん? 僕は?

ゆっくり後ろを向くと、ハイエナたちが一斉にこちらに飛んできていた。

どうしようどうしようなんかないかなんかないか

何も思いつかなかった僕はとにかく飛んで逃げることにした。

力強く羽ばたいて空へと飛び立つ。


どうしよう、飛ぶスピードはそんなに変わらなさそうだからこのまま飛んでても逃げ切れない。それにあいつらの体力がどれだけあるかわからないから体力を使い切る前になんとかしないと・・。

あ、そうだ! ぼくって頑丈だから1匹ずつひっかき攻撃で倒していけば・・、いや今までは大丈夫だったけどあいつらはかむ力がものすごいかもしれない。

だめだ、この作戦は使えない。う~んなんかないかな~

そんなことを考えながら飛んでいたせいで前方への注意が散漫になっていた。と言うよりもそれが巨大すぎて障害物だと気がつかなかったのだ。かなりのスピードでものすごい大木に頭突きしてしまった僕は、バランスを崩して地上に落ちてしまった。

ハイエナたちは僕の頭上で円をかきながら飛んでいる。


―――――


「リーダー、あのドラゴン大丈夫ですかね? ものすごいスピードで衝突してましたけど?」


「あたりめえだろうが! ドラゴンだぞ!」


「なんであんなに逃げるんですかね? 俺たちのこと嫌いなんですかね?」


「ばっかやろう! そんなわけねえだろ! きっと俺たちが子分に値するグレーズか見定めてる最中なんだよ!」


「なるほど」


デュークとドレイクのあずかり知らぬところでは実はこんな会話がされていた。


「けどそろそろ声かけた方がいい気がするんですけど・・」


「ばっきゃろう! 上の身分の方に許可されるまでは俺たちはしゃべっちゃいけねえんだよ!」


「けど下のもんから声かけるもんじゃないんですか?」


「俺もそう思います・・」


「じゃ、じゃあお前らが行ってこいよ!」


「あ、じゃあ俺が行ってきますね」


「・・だめだ! 俺が行く」


「じゃあお頭お願いします」


「お、おう、任せとけってんだ!」


この群れの頭であるラールは一つ深呼吸するとドラゴンに向かってそろそろと飛んでいった。

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