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第18話 レジスタンス

どうしよう。さっきの反応を考えるとこのまま出るのはあまり良くない気がする。けど出ないわけにもいかないし、う~ん、困った。

僕が一人でうんうんいいながら考えていると鍵の開く「カチャッ」と言う音が聞えた。頭が真っ白になってしまった。扉が開いた。さっきのチビデブが入ってくる。

もう逃げ場はない。


「・・なんだ本当にいないのか」


そう言ってチビデブ達は出て行ってしまった。

え?なんで?

僕の頭は疑問符で一杯だった。

体を確認しようと下を向くと、なんと!

透明になっていた。正確には周りの景色に溶け込んでいた。

なるほどこれならあいつらが出て行ってしまったのにも納得できる。

だけどこれどうやったんだろう。

無意識でやってしまったことだから解除も出来ない。そんな状態でしばらく座っていると、オスカー先生が戻ってきた。


「あれ、デュークくん?」


「はい! ここですここ!」


そうして僕は目の前で手を振った。


「はっ、驚きましたねぇ。君はこんなことも出来るんですか。すごいですねぇ」


「なんかなっちゃったんですよ」


「なにも問題なかったですか?」


今の出来事をいうべきか言わないべきか少し悩んだ後、


「ついさっき小さいおじさん達がオスカー先生のこと探してましたよ」


と言った。


「おお、そうですか。あとで探しておきましょう。それよりドレイク君が意識を取り戻しましたがどうします? 会いますか?」


「はい!」


「それじゃあついてきてください。」


そう言って先生は扉を出て行った。

廊下をしばらく進むと突き当たりで先生がとまった。

先生は突き当たりの壁に手をかざして何やら呪文のような物を唱えていた。

先生の詠唱が終わると壁が変形してアーチ型の入り口が出現した。


「おおお! すごいですね」


「カミラさんがこの部屋を作ったんですがね、私も初めて見たときは感動しましたよ」


小さな頃から憧れていた映画の向こう側にいる感じがたまらなく嬉しかった。

アーチをくぐるとすぐに下りの階段が出てきた。階段を下りきるとそこにはいくつかの部屋があり、先生は目の前の部屋に入った。先生に続いてその部屋に入るとそこにはベッドに座るドレイクがいた。


「よう、どうだ具合は?」


「まあまあだよ、ドレイクは?」


「俺もまあまあだ」


「ほんとに大変だったよ、喉はカラカラだし全身痛いし」


「ッハハッ! そりゃそうだ、むしろよく生きてたよな。お前とカミラがいなきゃ今頃死んでたよ」


「ほんとに二人ともよく生き残ったわよ」


カミラさんが笑いながら言った。


「それよりあのドラゴンはなんなんだ。あんなやつ初めて見たぞ」


「ええそうでしょうね。なんせあれは反王制派のレジスタンスが作った改造ドラゴンだもの」


デュークの中でパズルのピースがはまったような感じがした。

だからあのドラゴンはあんなにも人間といることに否定的だったんだ。


「あのドラゴンはもともと王家への献上品だったの。それをレジスタンスが強奪して何かしらの改造を施したんだけど、うまく制御が出来なくてこの森に放置していったのよ」


「どうしてそんなに詳しく知ってるんだ」


「私もレジスタンスに入れって勧誘があったから。それで色々聞いたってわけ。多分そのうちあんたのとこにも来るわよ」


「なるほどな~」


「ついでに言えば勧誘してきたのはプラジェ男爵の執事だったわ」


「プラジェっていうとお前の管轄の領主じゃねえか」


「そうよ、あのチビデブなんだか怪しい動きしてるなとは思ったんだけどね、まさか反王制派に力を貸してるとはね」


「ちょ、ちょっと待ってよ! 改造ドラゴンの話はわかったけど何? プラジェって誰? レジスタンスってどこの王家に反対してるの?」


「そうね、説明が足りなかったわね。プラジェ男爵っていうのはさっきのチビデブよ。そしてこの国はヴィンチ王家が大昔に作った国で、世界でもトップクラスの歴史があるわ。それだけに保守的な考えのお年寄りが多いのよ。それで最悪なのは、そのお年寄り達が権力を持ってるって事。これがすべての問題の原因ね。お年寄り達を権力から遠ざけたい若者達が集まって反王制のレジスタンスを作ってるの、ここまではいい?」


「うん」


「それでそのレジスタンスは手始めにお金大好きなプラジェ男爵っていうチビデブを懐柔することからはじめたの。貴族の力は昔より弱いにしてもまだ十分強いからね。それでプラジェ男爵領で私にばれないように色々実験してたらしいんだけど、ドラゴンが暴走してね、そのせいでこの領都からは人がドンドン出て行ってレジスタンスも拠点を他の街に移したらしいわ。それで残ったのはお年寄りとかここに工房や家を持つ人達ね、商人達はすぐに出て行ってしまったわ」


「ひどいね」


「それで私はプラジェ男爵領の領都守護が仕事だからここにいる人たちを守ってたんだけど、私が森に討伐に行ってる間に攻撃されたらたまったもんじゃないから中々行けなかったのよ。そしたらドレイクがね、ドラゴンの居場所を教えてくれて私を水を媒介にして呼び出してくれたのよ」


「いつの間にそんなことしたの!?」


「ドラゴンに掴まれた時だよ。あのままだったら確実に死んでたからな」


「まあそういう訳でドラゴンについてはひとまず解決したんだけどね…」


「なるほどなぁ」


カミラはそう言うとドレイクと僕に向かってニコリと微笑みかけてきた。


「ん?」


「どこかに心優しい私の管轄内からレジスタンス追い出して、まあついでに王様にプラジェの裏切り伝えてくれるような大賢者とドラゴンいないかなぁ〜」


「そんなやついるのかなー」


「そうねー、どっちも名前がDから始まりそうねー」


果たして2人はカミラの頼みを断れるのか!

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