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マセキ・コントローール!  ~せっかく異世界に転生したのになんか捻くれた性格に育っちゃったみたいです~  作者: さんご
第三転生期編  第二章  旅の物語

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03-02-01 旅の始まりと異変

 王都を馬車を連れて出て数日がたった。

 皆最初はウキウキしていたが今では手持ち無沙汰で道脇の草などを剣で切り払いながら歩いている。

 別にそんな事をやる必要はないし剣も汚れたりするのでやめたほうが良いとは言ってみたが素振りの練習だと言い張っているので放置した。


 ヘルはまだ杖を用意できてないので箱入り娘のままだが周囲の索敵とレーザー発射機能を付与した宝玉を新たに作って馬車の屋根の上に取り付けたものを操作している。

 宝玉は無難にただの球形だ。あんなキモイ造形が好きなのは奴だけだ。俺にそんな趣味はない。


 野営の時に時間つぶしに作ったがヘルにも好感触だ。

 なんでも今までの宝玉では表面が歪なためレーザー照射時に結構なロスが生じていたらしい。

 照準もより正確になったと喜んでいた。

 ただちょっと出力不足なのが欠点だそうだがそこらの魔獣では相手にはならないのでまあ満足だと言っていた。そんならいいけど。


 今俺達は一人を除き全員歩きで移動している。

 御者は大体俺がやっているがたまには他の皆もやってみたいというので交代しているが別に御者のやることなどない。

 ほっといても優秀な馬さんが道なりに進んでくれる。


 馬の名前は最初付いてなかったので皆で意見を出し合い決定した。

 その名も「ディスメイタル」という。

 なんだかよく分からんが投票で決まった。誰だこの名前推薦したの。


 こいつがまだ若いのに頭が良いらしく馬車の運転に関してはほとんどやることがない。

 掘り出し物らしいのだが何で残ってたのかね? 不思議だ。

 まあ楽なのに越したことはないので良いのだが旅に変化がないのはどうにかならんのか。


 王都から南の領地に向かう道は結構交通量がありそのため道幅も広く街道沿いに食事処とかがまばらにだがある。

 だから食事はもっぱらそこで済ましているがホントは自炊の練習を今やっておいたほうが良いんだが皆一度は作ってみたがろくなものは出来なかった。


 おい、女性陣。なんで君達出来ないの? 家で何やってたの?

 いや、女性に押し付けるとかじゃなくて俺より下手な事に関してだよ。

 君たち王都で美味いもん色々食ってただろ。あれ何の役にも立ってないの?

 ただ太ってただけかよ。


 まあそんなわけで今のところ大した武者修行にはなっていない。


 ところで俺は今ヘルに斡旋されて内職をしている。

 王都を出る前に王都にある総合ネットワークからある依頼を受けた。

 それは街道沿いに通信の中継基地を作ってくれないかというものだった。


 俺にとっては大した手間ではないがそれは秘密にしてくれるのかと聞いたら王家にも黙っているからお願いしますとのことだった。

 対価はどうするのかと聞いたら各地に点在する総合ネットワークを結ぶことが出来たら情報を優先的に提供するという。王家とかより先に。

 そんな事が可能なのかと聞くと今までの管理者が全然あてにならずこのままだと何時まで経っても埒が明かないのでもう見切りをつけたということらしい。

 気の長い機械に見切りをつけられるってどんだけ今までの奴らは駄目だったんだ?


 まあそんなわけで受けたんだけどこれ結構魔石の消費が激しい。

 通る町や村で魔石を買っているがこれ今に魔石が足らなくなったとかで足止め食うんじゃないか?

 杖を売って大金を得たので今ならお金ならあるのよって感じで魔石を買い漁るとまたぞろ例の厄介な奴らの登場となって大変迷惑なので何とかしなくてはならない。


 一度どこかにしばらく腰を据えて武者修行もついでに出来るような良い所はないですか。ヘルさん?


『そうですね。

 地図によりますとしばらく行くと街道が分かれていて鉱山町に行く道があります。

 そちらの山すそに魔獣が多数いて被害が報告されているようです。

 そこで少しの間魔獣狩りでもしますか? 』


 そんなところがあるのか。じゃあついでにその鉱山町でヘルの杖も見繕ってみるか?


『はい! それがいいです! 早速行きましょう! 』


 おいおい、まだ先の分かれ道だろ。気が早すぎるだろ。


  + + + + +


 街道をそれて鉱山町の方に行こうと提案したらガッシュよりも女性陣がすごく食いついて来た。

 なんでやねんと聞いたらその鉱山は宝石も取れるらしくアクセサリーの販売でも有名らしい。

 そんなのを買う金があるのかと聞いたらハーロック銀行に借りるらしい。

 へえ、そんな銀行があるのか。知らなかった。


 そんな銀行に借りると利子がバカ高くて借金地獄に転がり落ちるぞ。

 それでもいいのかと聞いたらいざという時は体で払うというので快く貸し付ける事にした。返せないときはけつの毛も刈ってやる。

 まあ今は金が余ってると言っても良い状態だからいいけどその内なくなったときはもう貸せないぞ。


 そんな刹那的な生き方はよくないよと言っても聞く耳はないようだ。

 こいつらもしかして俺の事を甘く見てるんじゃないか?

 こりゃ一度懲らしめてやらんといかんな。


 まあそれは良いとしてまた何度目かになる魔獣の襲撃のお時間ですよ。


「また来たわよ! さあさあどんどん来なさい! 全部私が倒してあげるわよ! 」


「おいおい、俺にも残しといてくれよ。次はこの技を試してみたいんだからな! 」


「みんなペースが速すぎて魔石の採取が間に合わないよー。ロッくんも手伝ってー。」


「はいはい、分かりましたよ。ディス、ちょっと止まっててくれな。」


「ヒヒーン! 」


「周囲の警戒は任せて下さい。マスター。他には接近してきていないようです。」


 てな具合に鉱山への道に入ったら急に魔獣の出現頻度が高くなってきた。

 俺達にとってそれは願ってもないことなので良いのだがちょっとこれ他の旅人たちは大丈夫なのか?

 ヘルに聞いてみると変な事を言って来た。


『マスター。なんだかおかしいです。

 襲ってくる魔獣のデータチップの内容が変なんです。

 普通の野良魔獣の場合は私たち管理者に認識されたときに初めて管理ナンバーが付くんですが今襲ってきている魔獣は既にナンバーが付けられています。

 そして所属が今向かっている鉱山町になっています。

 これは鉱山の管理者か総合ネットワークがこの魔獣を飼っているか製造しているという事になります。

 その魔獣がいま野放しになっているという事はまた何かのトラブルが起きているという事になります。

 また厄介ごとのにおいがしてきましたよ。

 好きですよね、マスター。』


 好きなわけあるか!

 それでその街には総合ネットワークの中継基地はあるのか?


『はい。在ります。

 ですが王国本部とは大分前からつながってません。

 ですのでマスターに中継基地を整備して欲しいとのことです。』


 なんだかその中継基地誰かに乗っ取られているんじゃないか?

 それを解決しないと整備もくそもないな。

 まためんどくさい事になって来たようだ。


 こんな事ばっかりで全然先に進めなくなってきたら一体どうするつもりだ?

 旅の目的が現在絶賛迷子状態だぞ。


『仕方ありません。それがマスターの運命なのでしょう。

 甘んじて受け入れて下さい。

 そんなことより早く杖を用意して下さい。

 最優先事項ですよ! 』


 はいはい、ぶれないねぇ。



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