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マセキ・コントローール!  ~せっかく異世界に転生したのになんか捻くれた性格に育っちゃったみたいです~  作者: さんご
第三転生期編  第一章  王都の物語

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03-01-02 王都に着いてから

「おい、それは何だ? 」


 王都の門に差し掛かった時にそう衛兵に問われて初めて俺は杖の扱いに付いて無頓着になっていた事を思い知らされた。

 それはヘル、いわゆる魔法仗【エンド オブ ワールド】の外見が人の目を引き付ける物だという事を。


 最初何の事を聞かれているのか一瞬分からなかったがハッと気が付いた時には周りの皆の注目を既に大いに集めてしまっていた。

 これに危なげなく答えられなければヘルは最悪取り上げられてもおかしくない。

 不味い事に成ったと思ったがそれを顔に出すと更に不味い事になる。

 俺は冷静に答えなければと努めてゆっくりと返事をした。


「え? これですか? これは新たに考案された音楽を流す魔道具です。ちょっとやってみますか? 」


「ほう? そんなのが出来たのか? ちょっと確かめてみるか。やってくれ。」


「はい、じゃあやってみますね。」


 おいヘル、そんなにちゃんとした奴じゃなくてつたない感じのを流してくれ。音もかすれた様なのが良いな。


『はい。分かりました。』


 衛兵は杖からショボい音楽が鳴り出すと最初は驚いていたがそれが大した音楽では無いと分かると直ぐに興味をなくした。


「フーン、そんなもんか。大した事ないな。それよりその見た目は何だ。気持ち悪いぞ。そんな物を王都に持ち込むな。」


「すいません。これは試験的に作った物を試しついでに使っていたんですが作った奴がちょっと頭があれなんでこんな形の奴ばっかりなんでこっちも困ってるんです。(ホント、これ作った奴は頭がいかれてやがるぜ。)

 何時もは布を被せてあったんですがどうやら風にでも飛ばされたみたいです。これからはしっかり縛って置くんで許してください。」


 俺はそう言って小銭を他の人に見えない様にその衛兵のポケットにそっと忍ばせた。

 最初は衛兵は何をするんだと俺を見たがポケットに入れられた物が何か分かるとちょっと気まずそうに通っても良いと言ってくれた。


 はぁ。上手く衛兵を誤魔化せたみたいでよかった。

 俺は早速ヘルに何時もの布を被せて外れない様に縛った。

 でもヘルに興味を持った奴が数人いるようだ。

 ヘルのレーダーに後を付けてくる奴らの反応があるらしい。


 困ったもんだ。どうするかね。

 直接仕掛けてくるなら楽なんだがなぁ。

 取り敢えずヘルにおすすめの宿屋を総合ネットワークに聞いてもらって部屋を確保するか。

 それから連れて来た捕虜をさっさと引き渡しておくか。


 俺達は二つのグループに分かれそれぞれの仕事をこなす事にした。

 俺は捕虜の引き渡しを担当する。まあ領主の息子だからな。順当だな。

 ついでにヘルも持っていく。残しておいて何かあったら困るからな。


 もう一方のグループは義勇兵のまとめ役だったおっさんに任す事にした。もう決まった宿屋を取るくらい出来るでしょ。ちなみに名前はオルドだ。まあどうでもいいか。


 さて、一見して檻には見えないように偽装した馬車を引いて役所の窓口に向かいますか。

 この馬車結構金かけて作ってある。持って帰って領主用に改造するらしい。バズらしいね。


 役所に行くと嫌な顔をされた。仕事を増やすなよって感じか。

 だがこちらもやりたくてやっている訳じゃ無い。そんな顔されるいわれは無い。お互い様だ。


 何とか無事に捕虜を引き渡す事が出来た。ここでヘルが言うには引き渡しの証明書とやらを貰わないと駄目らしいのだが貰って無いと言ったらやけに渋々出してくれた。

 これ捕虜を受け取って無いとかの変ないちゃもん付けられる所だったのか?

 はぁ、やだねえ。派閥とか陰謀とか他所でやってくれないかな。


 まあこれでどうにか務めを果たす事が出来た。バズへの顔もたつ。

 この後は国のえらいさん達がどうするか決めるのだろうが俺達には関係ない。

 戦争するなら勝手にやってろ。ただし俺ん所の村には迷惑かけんなよ。

 村が気に成って安心して色々回れないからな。


 宿屋に行ってみるとどうにか皆の部屋がとれていた。

 ここで俺達三人と他の皆は別々の行先に変わるんだが取り敢えず一週間くらい王都で休みを取る事に成っている。

 サーラとかは他の皆と色々な店を一緒に見物するらしい。

 ガッシュも男連中と武器屋や防具屋なんかを見て回るらしい。


 俺はどうするかと考えたが総合ネットワークに何か見ておいた方が良い物のお勧めはないかと聞いたら昔の記録が見られる図書館か博物館が良いのではないかという事だった。

 あちらも今一度ヘルを通して有益な情報を補って置きたいみたいだ。


 まあ俺もこの世界の田舎基準でない標準的な物を一度見ておいた方が良いだろうと行ってみる事にした。

 そしてそういうのは大体役所の近くに建っている物でまた昨日行ったばかりの役所街に来ている。


 ここらって他に大して見る物が無いので寄り道もせずにすんなり目的地に着いた。

 図書は俺が直接読むんじゃなくて一度ヘルに取り込んでから読むので最初に出来るだけ多く取り込んでおく事にした。

 そうすれば暇な時にヘルが事前に目を通しておいてくれて無駄な時間を省けるしな。


 図書館に入る時でかい杖を持って入るのにちょっと嫌がられたがどうにか誤魔化して入る事が出来た。

 これってどうにか成らないものか? 毎回杖の事をどうのこうの言うのって無駄じゃね? 今まで田舎だからか皆気にしてなかったのに都会では事の他目立つ。


 ウーン、何か携帯か何かの様な手で持てる感じの子機っぽいので代用できないか? ヘルはどう思う?


『はい。マスター。杖が近くに無いとマスターの物理的支援が行えないのですがその事を考えなくて良いのならば携帯式の物をデータチップを融合させる事によって用意する事が可能です。もちろんマスターが作るのですが。』


 そうか。ならちょっと考えてみるか。所でそれを作るにはどれだけ魔石が必要なんだ? 手持ちだけで足りるか?


『ちょっと足りないみたいですね。今持っているので五割くらいの量のようです。』


 そうか。じゃあここの帰りにでも魔石を売っている所に寄ってみるか。

 後で地図を用意して置いてくれ。


『はい。総合ネットワークから情報を貰って置きます。』


 そして俺達は図書館からの帰りに道具屋に寄る事になった。



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