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マセキ・コントローール!  ~せっかく異世界に転生したのになんか捻くれた性格に育っちゃったみたいです~  作者: さんご
第三転生期編  プロローグ

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プロローグ 03-19 準備回

 俺達は魔獣の群れを倒しながら群れが移動してくる方向に突破を仕掛けた。

 ヘルの機能で魔獣のデータチップの位置情報を元にした範囲レーダーから得られる索敵状況によると案の定魔獣の群れは俺達に突破されないように移動の仕方を変えて来た。

 これでこの件はだれかの意思が関与している事が分かった。

 後はそれが隣国かそれ以外かと言う所だが。

 うーん、どうするか。

 このまま隣国の領地に入って暴れてもそこに証拠が確実にある訳でもないしなぁ。

 変に突っ込むと原因は俺達だとか因縁を付けられかねんしなぁ。

 うーん。うーーん。うーーーん。


「マスター。馬鹿の考え休むに似たりという言葉がありましてですね。」


 おい、それはどういう意味だ? 俺が馬鹿だという意味か?

 くそ、ヘルの奴め。しかたがない。決めるか。


「良し。一旦村まで引くぞ。」


「もう良いのか? まだまだ行けるぞ? 」


「ガッシュ、俺達がかなりの数の魔獣を倒して総数を減らして来た事で向こうも魔獣の群れの分布を結構いじったみたいだしこれで村へのちょっかいも減るだろう。この後は多分数がへった影響で向こうも戦力を集めての総力戦になるだろうからこっちも体制を固めよう。皆もそれで良いな? 」


「久しぶりにお風呂に入りたいから賛成。ロッくん、早く帰ろう! 」


「そうですね、マスター。皆さんの疲労もたまっているようですので良い判断かと。」


「じゃあとっとと帰るか。最後にヘル。周囲にいる奴らに絨毯爆撃よろしく。なぎ払え! 」


「はい。了解しました。」


 俺が魔法仗【エンド オブ ワールド】を高くかかげると頭頂部に付いている宝玉から周囲をぐるっと回るように光の帯が一周しまわりで盛大な爆発が起こった。

 周囲の魔獣たちは逃げまどい包囲に隙間が生まれた。

 俺達はその混乱に乗じてすみやかに撤退した。逃げるのは結構得意なんだよ。


  + + + + +


 村に帰った俺達は今回の魔獣騒ぎが恐らく隣国の手の者による工作だと報告し対応をせまった。

 バズ達もようやく本腰を入れて対処する気になったようでひとまず俺達の仕事は終わった。


 次の日からは魔獣の被害も減って俺の判断が間違ってないことの証明になったが、その事は次は大量の魔獣の一斉攻撃があるかもしれないという事でもある。

 村は一気に慌ただしくなり今まで戦争に直接関わっていなかった事で混乱もしょうじた。

 物価も上がり呼び集めた傭兵達による騒ぎも起こるようになった。


 うんうん、これぞ異世界の雰囲気。

 なんだか高まって来ましたよ、ヘルさん。


『そんな事言ってるのはマスター位ですよ。不謹慎です! 』


 えー。だってこれ、俺が大活躍する為のお膳立てじゃん。

 場が整うのは良い事じゃんよぅ。

 それに俺はこの村にいる人達にこれ以上被害を与えられるのを許すつもりは全然ないぞ。

 そして俺に立てついた奴らは徹底的に叩く。これはもう決定事項だ。


『でしたらもっと周りに根回しをしておいた方が良いのではないですか? 』


 そうだな。いざという時に好きに動けないのは困るからな。

 俺はバズに義勇兵となる事を名乗り出てある程度好きに動ける体制を作った。義勇兵にはサーラとガッシュも入っている。まあ定番だよね。


 そんな事をしばらく続けていたらとうとう魔獣軍団が村に迫って来ていると斥候が知らせて来た。

 魔獣の数は思っていたより大分多かったらしく傭兵達が急にぐずり出した。

 奴らはこんな所に本当に魔獣が押し寄せるとは考えていなかったようでちょっとした休暇のような気分だったらしい。


 あるある。

 異世界物に付き物の無駄に大勢いる役に立たない傭兵達。

 奴らは只の引き立て役で主人公を知ったかぶりであおったあげく最後は自分達は何もやらなかったくせに偉そうに言ったり、ほめ殺しで何もかもを有耶無耶にして最終的にはどこかに逃げてしまう。


 だが、ここ、この村では絶対にそれは通用させない。絶対にだ!

 俺は傭兵達の配置を村を守る布陣の一番はしに置いておくようにバズに進言した。

 バズは俺のにやりとした笑みを見て又かとため息をついたがそのまま意見を聞いてくれた。

 あんまりやり過ぎるなよと一言そえて。


 バズは俺が魔石操作のスキルを得てから俺の事を偉く買ってくれるようになった。それは良いんだが信頼が重過ぎる。

 もうちょっとぞんざいにあつかってくれても良いんだよ。

 まあいい。それも後少しの事だ。

 立つ鳥跡を濁さずってふうにやりたかったんだがそれはちょっと無理そうだ。


 話を戻して魔獣対策だが、傭兵達は俺達が戦いに不慣れで馬鹿な作戦を立てたと思って喜んで配置換えの案を受け入れた。

 そりゃそうだよな。

 普通なら雇った傭兵を正面にすえて戦力の中枢に置くだろう。戦争などやった事もない連中なら特にだ。

 クククッ、どっちが馬鹿か今に見てろよ。


 村の外の収穫を終えた畑に布陣を終えた。

 一番右端に傭兵達、真ん中に村の兵隊たち、左端に俺達義勇兵という感じだ。


 その時になってこれ収穫を終えてなかったらどうするつもりだっんだろうと思った。

 そしてバズ達の腰が重かったのはこれが原因かと気が付いた。

 魔獣対策を本格的に始めるとそれに手を取られて収穫が遅くなり結果的にどちらも間に合わなくなるのをさけたかったんだろう。

 収穫の方を優先した訳だ。納得した。結果的に功を奏した訳だしな。

 それを村人に特に気付かれずに行うとは領主様も色々考える事があって大変だな。

 ファンロック、後はまかせたぞ。兄ちゃん信じてるからな!


 魔獣は多分夜に攻めてくるだろうからそれまでに簡単な馬防さくっぽい物を傭兵陣地以外で作って置いた。

 傭兵達はそれに特に不信感を持たなかったみたいだ。無駄な物を作ったと言って田舎者のやりそうな事だと笑っていたようだ。

 義勇兵の陣地には俺専用の簡単なやぐらも作っておいた。

 固定砲台だな。


 これで大体準備は完了だ。

 後は寝て待とう。今日の夜はきっと長い。


  + + + + +


 暗くなって大分たった。

 森の方からざわざわした気配が遂に近づいて来た。

 近づいて来た魔獣は実に様々な種類にあふれていた。

 大きい奴、小さい奴色々な種類だ。良くこんなに色々集められたなと逆に感心するほどだ。


 ヘルと以前どうやって魔獣を操っているのかと話し合ったが魔石操作のようなスキルではなくなにかの快楽物質をスキルを使って作るかして調教しているのではないかと推測していた。

 そこまでして魔獣を使う意味があるのかという疑問が残ったが。


 魔獣たちの目が俺達のたくかがり火の光によって明るく反射して見えるようになった。

 赤い二つの目が大量にこちらに揃って向いているのは気分的に良くない。皆の士気が落ちていくのが分かるようだ。

 皆が魔獣達を固唾を飲んで見守っていると不意に魔獣達が一斉にこちらに向けて動き出した。

 段々と動きが速くなり遂にこちらに向かって突進して来た。


 さあ、ここからが俺のターンだ! まくって行くぞ!!


「征くぞ!! マセキ・コントルゥォ―――――ゥルッッ!! 」





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