表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/100

プロローグ 03-01 目覚め ver.2

 僕の名前はハーロックです。

 正式に言うとハーロック・ロリングストンです。

 友達からはロックくんとあだ名で呼ばれる事が多いね。

 王国の端っこにあるロリングストン村の領主の長男だよ。


 僕の憶えている一番古い記憶は地面を歩いているアリの群れをしゃがんで眺めているというものだった。

 視界の下の方を左から右へとチョコチョコと可愛らしく規則正しく整列して移動していたアリをいつも楽し気に飽きもせずに見ていた。


 だけどそれはなぜか僕にしか見えていないみたいだった。可愛いのにね。勿体ない。

 領主である父親のバズロックに上から覗かれて皆には見えないアリをじぃーっと見ている変わった子だと良くからかわれていた。

 その頃の僕はいつもなんでかぼーっとしている事が多かったらしくてそんな風に笑われている状況をよくわかっていない様子だったみたい。


 ある日いつもの様にアリたちの事を見ていたらいつもとは違う事が急に起こった。

 アリの行進がなんでか急に終わっちゃったんだ。

 もうアリの行進が二度と見られないのと涙目になりながら思っていると不意にどこかから女の人の大きな声がはっきりと聞こえてきた。

 ママンでもお姉ちゃんでもない少し冷たい感じの怒ったような声だった。


『パーソナルデータのダウンロードが完了致しました。

 引き続きデータファイルの展開及びインストールを開始いたします。

 了承しますか? 』


「はい? お姉ちゃんはだれ? どこにいるの? 」


 急に聞こえて来た声にびっくりしてキョロキョロと辺りを見回してみても近くには誰もいなかった。


『了承を確認致しました。処理を開始します。』


 女の人の声が又したと思ったら急に眠たくなってきて覚えているのはそこまでだった。

 後から家族に聞いた話によると僕は気絶して地面に倒れているところを偶然通りがかった村人に見付けられて慌てて家に運びこまれたらしい。


 今まで割と健康だったのに急にこんな事になって家族にすごく心配されたみたいで付きっ切りで看病されたらしい。

 それから四、五日の間結構な高熱を出して寝込んだみたいだ。

 寝込んでいる最中にも知らない女の人の声が聞こえていたような気がしたけど話していた内容は治ってからは全く覚えていなかった。

 ただなにかの事で相手とケンカでもしていた様な気もする。


 数日して熱も下がってようやく目が覚めると頭の中にあったバラバラに放置されていた積木が綺麗に整理整頓されて片づけられた後のようにすごくスッキリとし僕の自我は何故か「俺」に変化していた。


  + + + +


 あの変化からもう五年がたって俺も今年で十歳になった。

 これまでの日々でも色々あったけれど森の神殿で今日の夜に行われる「精霊の導き」によってもっと色々起こると思う。

 だけどこれまでと同じように仲間の皆と一緒に何とか乗り越えて行けると思っている。


 俺の名前はハーロックだ。

 正式にはハーロック・ロリングストンだ。

 仲間からはロックとあだ名で呼ばれる事が多い。

 王国の辺境にあるロリングストン村の領主の長男だ。


 そして前世の記憶を何故か取りもどしてこの世界を端から端まで好きなようにトコトン突き進んで行ける覚醒者の俺は皆が最も憧れる「異世界転生者」だっ!!




「ヒャッハーッ!! 世界の全ては俺のもんじゃーっ!!」







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ