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4話 人族の国へ


 「その為ここで言おう。ドワーフの国より出ていくが良い。出来損ないよ!」


 おっと。どうやら思った以上にここの国は馬鹿ばかりみたいだった。


 けど一応聞いてみるか。あなた達にはどのように見えているのか?


 「どうしてです。父上。私は能力を四つも授かり王族として恥じないような能力ばかりだと思うのですが」


 「はぁ。やはりお前は出来損ないだったな。まさか王族としてではなくドワーフとしても出来損ないだとは思わなかったが」


 「よいか!<鍛冶能力>のスキルはドワーフとしては持っていない者などお前だけなのだ。私がお前を追い出すのは王族として出来損ないなのではなくドワーフとして出来損ないだから追い出すのだ。」


 「私にはその代わりに<鍛冶錬成>の能力を授かっているではないですか?それでは駄目なのですか?」


 「そんなものドワーフとしての能力ではない。そんな事より早く出てくがよい。そしてもう二度とこの国に近づくな!」


 どうやらもう出ていくことは確定みたいだ。周囲が何も言わないということは他の者も賛成なのだろう。


 別に出ていくことはいいのだがそれなら一つだけ確認をしておきたい事がある。


 「解りました。出ていきましょう。ただし私の従者兼奴隷であるコトハは連れて行くことは大丈夫でしょうか?」


 「そんなもの残されてもこちらが困るのだ。お前が持っていくことは当たり前のことだ。」


 言い方はとても最悪だが連れていけることは良かった。元々この国を出る際は彼女も連れて行こうと思っていたから許可してくれて本当に良かった。


 「解りました。では出ていきましょう。私ももうあなたに会わないで済むならとても嬉しいですから。」


 こればかりは完全に俺の本音だった。俺にはこの国での思い出に一つもいいのは無いので出て行くのはとても嬉しいからだ。


 「それはこちらのセリフだ。私としてももうお前の顔を見ないで済むと思うととても良かったと思っているぞ。」


 そんな声を後ろから聞きながら俺は神の神殿を出る前に一言だけ言ってやった。



 「後悔するなよ。ドワーフの国王。」



 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


その後俺は馬車で待っていた従者のコトハと一緒にそそくさと国を出た。


 もう馬車の中にはこの国をさっさと出る為にあの家で出る為の準備をしていたので後は目的地を決めるだけだ。


 「悪いな。お前までこの国を出ていかなければいけない事にしてしまって。本当に申し訳ない。」


 「大丈夫ですよ.ヨウヒ様。私もこの国にいい思い出などないのであなたが出ていくなら私も付いていきますよ。」


 「それよりも随分と嫌われながら出ていくことになりましたね。そんなに酷かったのでしょうか?授かられた能力は?」


 「そうだな。もう自分で見れるし。一度見せておこうか。酷いどころかとても恵まれている能力だと思うんだけどな。」


 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 Name リツヒ  ヴェイグル


 LV 1


 STR 100    VIT 55

AGI 15 INT 35


SKILL 鍛冶錬成 Lv- 武術  Lv-

瞑想  Lv- 限界突破 Lv-


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


「だいたいこんなものだな。ただ、この能力的に逆にこの国から出ていくなと言われると思ったんだけどな。」


 「そうですね。能力の詳細を見ていないのでまだ何とも言えないですが全くこれで追放される意味が分からないですね。」


 そうだよな。何でこんな能力を授かったのに追放までされたんだろう?俺だったら絶対に隔離するぐらいなんだけどな。


 そういえば能力の詳細は俺もまだ見ていなかったな。どんなのだろう?


 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 SKILL


鍛冶錬成 Lv-

異空間に鍛冶能力ができる空間がある。そこで何時でも鍛冶が行える。

 能力が使える者が許可すれば他の者もその空間に入れる。

 そこでは素材は全て入る場が存在している。


 武術 Lv-

ありとあらゆる武器が自由自在に使いこなせることが出来る。

 覚えるスピードが早くなる。


 瞑想 Lv-

集中すれば様々な回復が早くなる。

 仲間と認識している者が共に行えばその人数分早くなる。

 その際、仲間も同じ効果を得られる。


 限界突破 Lv-

ステータスに<Lv>の欄が増える。

 一つ上がるごとに一定数の<STR>などが上がっていく。

 上限などない。


 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


 これは凄いな。思った以上にどの能力も強すぎるものばかりだ。


 「凄いですね。反則級の能力しか無いんですけれど。本当にこれで何で追い出されたのか分からないです。」


 「けれどやはり便利ですね。この様に自分のステータスが見れるのは。ドワーフの国では私は行う事は出来ないので。」


 確かに彼女のステータスはドワーフの国では<<神の神殿>>を使い見る様に設定は出来ない。一度でもしていれば話は違ってくるのだけど。


 基本的に種族の違う所では行う事は出来ないのだ。ドワーフならドワーフの国で人族なら人族の国という様に。


 「そうだな。それならまだ行く所が決まっていなかったしコトハのステータスを見れる様にする為に人族の国に行く事にしようか。」


 「そうしてくれるのは嬉しいのですが良かったのですか?他にも行きたい所はあるでしょう?」


 「その行きたい所も人族の国に行って冒険者になれれば行きやすくなるからな。他の国では冒険者になるのは難しそうだからな。俺はドワーフだし。」


 「確か人族の国だけが種族に関係なく試験さえクリアすれば冒険者になれるからまず最初の目的地は人族の国にしよう。」


 「リツヒ様がそれでいいなら私もそれで大丈夫ですよ。」


 「よしならまず最初の目的地は、人族の国にしよう。」

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