2話 神の神殿へ
「返事がないぞ。早く降りてこいよ!」
「解りました。父上。」
そうして下に降りていった。あれが自分の父親とはとても嫌だが後々何もしなくていいのは俺的には良かった。
「行ったようですね。リツヒ様。」
そうして日本語を話しながら入ってきたのは俺のたった一人の従者だった。
彼女の前世の名前は、神谷 琴葉。
前世では同じ高校に通っており、大学も入っていれば同じ所に居たはずだった。
彼女は、俺が死んだ電車事故とは別で亡くなっていた為に俺のあった事故について聞いたのは全て彼女からだ。
今の名前もコトハと名乗っており、この家にいるたった一人の付き人である。
「ああ。みたいだな。これから俺は<<神の神殿>>に行くがお前も付いてくるのか一緒でも大丈夫だと思うけど。」
「ええ。一緒に付いていきますよ。多分結果次第では私も貴方と一緒に追い出されると思いますから。」
彼女は元奴隷だった。だが彼女は俺が頼んで買ったのだ。彼女はドワーフではなく人族なのでとても反対された。
彼女を買った理由は、この世界で話されている言語は日本語では無い。話せる筈の無い言語を話したからだ。
この世界では、日本語とは違う言語が話されていた。そのおかげで俺は変人扱いを受けていた。
だが旅をしたい俺にとっては変人扱いはとても都合が良かったのでそのままにしておいた。
「それでは、降りましょうか。あの人をあまり待たせたら面倒な事態になりますからね。」
「ああ。さてさてどんなスキルが手に入るか楽しみだな。取り敢えず冒険者にはなってみたいからな。強い能力だったらとても便利だからな。」
「ですが一つは恐らく鍛冶系統でしょうね。問題はいくつ能力を授かれるかですが大丈夫でしょうか?あまり多すぎるとこの家を出るのは難しいですからね。」
ドワーフはどんな奴でも鍛冶能力が優れた種族として生まれている。そこだけは神に愛されている点であった。その為どんなドワーフでも<<鍛冶能力Ⅰ>>を持っている。
「ああ。ドワーフだからな。この世界では以前の世界にあったコタツやらが無いから自分で作ろうと思っているしな。」
「ええ。この世界には娯楽が全く無いですからね。ぜひ作ってください。」
この世界では転生者は昔は存在していたみたいだ。ただその転生者は娯楽設備を作ろうとしたがどれも当時居た鍛冶屋では理解不能で作れなかったみたいだ。
「さて、行こうか。<<神の神殿>>へ。」
部屋を出て外に出てみるともうクソ親父はもう待っていた。
「遅いぞ。何時まで待たせる気だ!さっさと降りてこんか。」
「申し訳ありません。父上。」
「そこの奴隷も早く降りさせんか。お前もこの出来損ないの結果次第では今のままこの家に要られると思うなよ。」
「理解しております。申し訳御座いませんでした。旦那様。」
「では、早く乗らんか!さっさとこっちとしても終わらせたいのだよ。」
そうして俺達は、馬車に乗って<<神の神殿>>に向かった。
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馬車が向かう少し前
私は、今最後の汚点をなくそうとある所に連絡を入れた。我が国でドワーフで有りながら邪魔にしかならんものの排除の為に
「手はず通りに頼むぞ。神殿長!」
「解りました。ドワーフ王よ。」
「これであの出来損ないが消えて我が国に汚点がなくなるわ。」
これさえ済めばあそことようやく戦争が行える。あれのせいでもっと早く出来ていたはずの戦争を
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再び馬車の中
「王族は、いくつの能力を授かるか知っとるか?出来損ないよ。」
「はい。父上。王族は、先天的に最低でも三つの能力を<<神の神殿>>で授けられています。」
「その通りだ。私の場合は四つの能力をあの日に授かった。」