1話 転生ドワーフ
ゆっくりと瞼を開けて目を覚ます。今日は記念すべき日だった。俺の名前は、月谷 律陽で17歳である。そしてドワーフの国のヴェイグル家の生まれである。
俺の名前は、月谷 律陽で高校生だった。というよりあの日の入学式で大学生になっていたはずだったのだ。それというもの俺は入学式の朝に死んだのだ。
あまりこのての異世界物を読んだことがある人生ではなかった。だがお決まりがあることは知っている。それは転生者は、トラックに惹かれそうになった子供を助けて自分が惹かれてから始まるものだ。
だが、俺は子供を助けたまでは同じだった。しかし惹かれたのは電車だった。正直に言うと車だったらどうにかなった。子供も助けて自分も生きていられた。
だけど電車は無理だった。あの様な大きさで向かって来られる電車には、流石に恐怖しか感じなかった。いつもは平然と見れたものにあそこまで恐怖を感じるとは思わなかった。子供を助けられたのが奇跡なぐらい。
そして後から聞いた話では、俺が惹かれた電車はその後事故を起こしたそうだ。どうやらあの後、俺が惹かれた事故とは無関係で速度超過で盛大に事故したみたいだ。
まあ、そんなこんなであの日に事故にあった俺は死んだ。けれどその後目を覚ましたのはこの世界でだった。
俺にも原因は分からない。ただ知り合い曰く、この世界は人族の勇者が魔王を倒した世界らしい。ただし倒したのは、今から100年前とされている。
そうして今年は魔王復活が噂がされている年である。どうやらどれほど倒しても100年単位で復活するのがこの世界の魔王みたいだった。
その為に今は何処でも戦力を揃えようとしているみたいだった。そのせいかどうかは分からないがこの世界には奴隷制度が存在していた。それだけはどの種族でも平等に居るみたいだった。
そして世界にはもう1つ戦力を揃える方法が存在する。それは、<<神の神殿>>で行える能力診断である。
今日は、<<神の神殿>>に行く日。
俺はこの家が嫌いだ。その為俺はこの結果がどうだろうと俺はこの家を出ようと決めていた。
ドガンッッ!!
「おう、目を覚ましていたか!遅いぞ。なかなか降りてこないから見に来てやったぞ。早く奴隷共に準備を手伝わせて降りてこい。お前の王族としての最後の義務になるかもしれん事を果たしにな。」
どうやら来たみたいだ
取り敢えず返事をしないといけない相手が
面倒くせぇー
「解りました。父上。ですが、一つだけで良いのでお尋ねしたい事があるのですが宜しいでしょうか?」
「いいぞ。ただ早くしろ。お前の為にわざわざ行かないと行けないからな。お前のような出来損ないの為に私は極力時間を掛けたくないからな。」
「分かっております。それで質問なのですが来られるのは父上だけなのですか?レギルお兄様や母上は来られないのですか?」
「お前は何処まで馬鹿なのだ?お前のような出来損ないの為に他の者が動くわけが無いだろう。私でさえたかだか出来損ないのお前が私と同じ王族では無ければ行きたくはないのだ。」
「そんな当たり前の事より早く降りてこい。それ次第でお前の今後が決まるのだからな。」
どうやら向こうも追い出す気があるようだ。
こっちとしては願ったりだが
何か起きたのか?
「返事がないぞ。早く降りてこいよ!」
「解りました。父上。」