表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンズガーディアン  作者: イチアナゴニトロ
1/49

0話

ノクターン連載がちょっとスランプ気味なので気分転換に投稿します。

一応一章の終わりまでは毎日投稿予定です

 呼びかける、己の声に応える魂を。本来肉体を持つ者には触れる事はおろか、存在を知覚する事すら不可能、しかしすべての生き物が遍く宿す魂。


 この世で唯一神聖不可侵なる魂に呼びかけ、見て、触れて、変質させることを可能とする彼女は探す。誰よりも生きたいと願う魂を、死してなお生を渇望する身勝手で強靭なエゴの塊を。


 呼びかける、さぁ生きたいのだろう? ならば輪廻の輪から跳ねて見せよ。我が命をくれてやろう。我が新たな肉体を与えよう。だから我もモノになれ。


 彼女から見て遥か頭上では煌めく無数の星々が、濁流の如く輪を描いている。星々の一つ一つが魂、生き物は死して輪廻の輪に戻り、生の穢れを死によって洗い流し、再び現世へと還るのが世界の理。


 何度も何度も呼びかける、やはり無理なのだろうか? どれほど強く願っても世界の理を抜け出す奇跡には届かないのか? 頭上にある数億、数兆、数京、数亥、そんなちゃちな数でなく、もはや無限に等しい魂達の中に世界の理を打ち破る魂は……いた。


 微かに輪廻の輪から外れ、引き戻され。また少しだけ輪から外れ、引き戻され。また輪から外れ、引き戻す力を振り解き。無数の魂の濁流を突っ切って彼女の許へと堕ちてきた(・・・・・)魂。


 彼女は奇跡を起こし辿り着いたその輝きを宝物のように胸に抱き。己の血を混ぜると青白いそれは瞬く間に深紅に染まり、同族へと変質させた。


「ふふっ、あははははは! よくぞ我が呼びかけに応えてくれた。さぁ共に生きよう、お前が現世で過ごす肉体は既に用意してあるぞ」


 深紅に煌めく宝物を抱きしめるように、彼女は現世へと戻る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ